ラリー (マリオシリーズ)
ラリー (Larry Koopa) は、任天堂のコンピュータゲームソフト『マリオシリーズ』に登場する架空のキャラクター。クッパ7人衆の最年少。
概要
[編集]やや水色掛かった青いモヒカンが特徴。初期作品の公式イラストでは緑の甲羅で、イギーやモートンのように牙が4本(大きい牙が2本、その内側にもう2本)あった。ただし、初期のゲーム中ドット絵ではモヒカンの色は白に近く、同じモヒカンでもイギーやレミーとは違い後ろに流れるような髪型である。
『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降のデザインでは大きい牙が2本のみとなり、甲羅の色は髪色と同様の水色に近い青に変更され、左側頭部に青い星型のタトゥーが追加され、オレンジ色の宝玉の杖を使うようになった。ただし、『スーパーマリオメーカー2』の「スーパーマリオブラザーズ スキン」および「スーパーマリオワールド スキン」では『スーパーマリオブラザーズ3』の配色に準じて甲羅が緑色になっており、『New』シリーズのイギーとは配色が入れ替わった形になる。
主に、序盤のボスとして登場することが多いが、『スーパーマリオワールド』や『マリオ&ルイージRPG』では7番手を務めている。怒りっぽい性格らしく、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』の砦で出会った時や、『マリオ&ルイージRPG』のテニスで負けた時、『New スーパーマリオブラザーズ 2』や『New スーパーマリオブラザーズ U』では『マリオWii』同様に戦闘時になった時にそのような感情表現がある。ラリー自身の攻撃方法は7人の中では一番標準的でシンプルなものであることが多いが、代わりに動く床などのトラップが仕掛けられた足場で戦う場面やバブルをお供につけたり爆弾を仕掛けるなど自身の戦闘力の低さを補う戦い方を行うことが多い。
『スーパーマリオブラザーズ3』の説明書や『スーパーマリオアドバンス4』のカードe+のセリフでは、一人称は「オレ」となっている。『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』のフィギュアの説明文では、一人称は「オイラ」でケンカっ早い性格とされ、『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』以降でこの口調がゲーム中のセリフとして反映された。
名前の由来はラリー・キングであると長らく報じられていたが[1]、2012年にアメリカ版『スーパーマリオブラザーズ3』の開発に携わった元任天堂社員のデイヴ・ブルックス (Dayv Brooks) により、「U2」のドラムスのラリー・マレン・ジュニアが由来であることが語られていた[2][3]。しかし、2015年にデイヴ・ブルックスが改めてゲームブログ『Kotaku』のインタビューに答えた際に「現実世界に相当する人物はおらず、彼は『ラリー』にしか見えなかった」と前述の由来を撤回し、7人衆でラリーのみ由来となる人物が居なかったことを明かしている[4][5]。
ゲームでの声優は、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降はレニ・ミネルラが担当。『マリオカート8』ではミシェール・ヒッピー (Michelle Hippie) が担当しているが、レニ・ミネルラのボイスも一部引き続き使用されている。
歴史
[編集]- スーパーマリオブラザーズ3(1988年)、スーパーマリオコレクション(1993年)、スーパーマリオアドバンス4(2003年)
- 初登場作品。ワールド1、草原の国の王様を犬(リメイク版ではガラゲーロ)に変えていた。マリオとは、飛行船で対決する。しかし1面のボスのため弱く、攻撃はビームとジャンプのみ。甲羅から頭を出しているときに3回踏むと逃走する。また2面のモートンも似た戦法を使う。
- ゲーム中の顔と甲羅の色は緑で、オリジナルのファミコン版ではモヒカンが白く魔法の杖の宝玉の色も緑となっている。リメイク版ではモヒカンがやや水色になり、杖の宝玉の色が7人全員共通で赤に統一されている。
- スーパーマリオワールド(1990年)、スーパーマリオアドバンス2(2001年)
- 一気に7面「魔王クッパの谷」のボスに昇格。1面のイギーとほぼ共通しており、溶岩に浮いた島の上で対決する。島が一定時間毎に左右へ傾いており、踏みつけによって下り坂側へ突き飛ばし、最終的に島から溶岩に突き落とせば勝ち。ラリーの行動は時々頭を引っ込めて火の玉を繰り出してくるものだが、イギーと比べて発射数が多い。イギーと異なる点として、溶岩の3か所からバブルが吹き上げてくる。
- ゲーム中の顔と甲羅の色は緑で、モヒカンが白い。
- Mario is Missing!(1992年)
- 日本未発売。PC版のみ最初のボスとして登場。
- ヨッシーのロードハンティング(1993年)
- 4面のボスとして、水中で太陽のような形状のメカに乗って登場。
- Hotel Mario(1994年)
- 日本未発売。3面「Larry's Chillton Hotel」のボスとして登場。
- マリオ&ルイージRPG(2003年)
- クッパ城の中ボスで7人衆の7番手として登場。最初はミニゲームでたるに入れられたルイージとテニスをする。その後戦闘。体力が無いが、防御力は高い。攻撃はイギーに似ているが、炎攻撃が速いのと遅いのがあり、遅いのはラリーもラケットを使って何回か打ち返してくる(彼の名前 (Larry) とテニスのラリー (rally) をかけた駄洒落)。また、この戦いではロイやウェンディと同様時限ボムが仕掛けられており、8ターン以内に倒さないとHPの高低に関係なく即ゲームオーバーになってしまう。他にイギーとルドウィッグ同様の回転攻撃をしてくる。
- スーパーマリオ 不思議のジャンジャンランド(2004年)
- 『スーパーマリオアドバンス4』のグラフィックを使用したカプコンのアーケード用メダルゲーム。ボーナスチャンス「コクッパバトル」で他のメンバーと共に登場。
- スーパーペーパーマリオ(2007年)
- 欧米版のみ、カメレゴン(Francis)の購入予定リストの中のひとつに『Larry Koopa: Zombie Heartbreaker』というタイトルのゲームがある(日本版での『プニオ・ハザード』に相当)。
- New スーパーマリオブラザーズ Wii(2009年)
- ワールド1の砦及び城のボス。『マリオ3』と同様に魔法の杖(宝玉はオレンジ)を使って攻撃するほか、甲羅に潜って体当たり攻撃をする。城では、カメックの魔法によって、足場が動く状態で戦う。エンディングのラストシーンは彼の視点で話が進んでいく。
- 以降のNewマリオシリーズでも7体の中で唯一基本的なアクション・行動パターンに変化がない。
- 太鼓の達人Wii みんなでパーティ☆3代目!(2010年)、太鼓の達人 Wii 決定版(2011年)、太鼓の達人 Wii 超ごうか版(2012年)
- Wii版『太鼓の達人』シリーズの3 - 5作目に収録されたメドレー楽曲『New スーパーマリオブラザーズ Wii』にて、演奏中に魂ゲージが最大まで達すると、画面手前に他の7人衆やクッパJr.と一緒に登場する。
- New スーパーマリオブラザーズ Wii コインワールド(2011年)
- 『New スーパーマリオブラザーズ Wii』のグラフィックを使用したカプコンのアーケード用メダルゲーム。ジャックポットチャレンジのルーレットの絵柄(70メダル)として7人衆の中では彼のみ登場し、引き当てた場合はおまけルーレットの敵(大砲の的)になる。
- New スーパーマリオブラザーズ 2(2012年)
- 隠しステージ・キノコワールドのボス。攻撃方法は前作と変わらないが、真ん中から足場が出たり入ったりしており、壁に当たった魔法がしばらく跳ね返る。ルートの進み方によっては戦わずにクリアすることも可能。
- 上記の他、ワールド6-城、ワールドスター-城では7人全員がクッパクラウンに乗って画面奥から石化攻撃を放ってくる。
- New スーパーマリオブラザーズ U(2012年)、New スーパールイージ U(2013年)、New スーパーマリオブラザーズ U デラックス(2019年)
- ワールド3「ミントしょとう」のボス。水柱が吹き出す中での戦いになるため動きにくく、水柱を活かした攻撃も避けにくいため手ごわい。
- ファミコンリミックス2(2014年)、ファミコンリミックス ベストチョイス(2015年)
- お題収録タイトルのひとつとして『スーパーマリオブラザーズ3』があり、7人衆を倒すお題が存在する。
- マリオカート8(2014年)
- 隠しレーサーとして参戦。他の7人衆と同様にゲームでは初めて操作可能になった。キャッチコピーは「クッパ軍団の特攻隊長」。軽量級(準軽量級)でウェンディと同等。「エレクトロドリーム」のスタッフゴーストとしても登場する。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U(2014年)
- クッパJr.のカラーバリエーションのひとつとして参戦。モーションを共有しつつ、カラー変更でグラフィックや音声などがそれぞれのキャラクターのものに変化するという非常に特殊な仕様となっており、性能は8名全員で共通している。クッパクラウンの色は水色。
- →詳細は「クッパJr. § ssb4」を参照
- パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション(2015年)
- ワールド1のボスとして登場。木属性。「ラリートルネード」などのスキルを使う。また、ワールド8では7人全員がクッパと共にクッパクラウンに乗り込んで「クッパぐんだん(闇属性・属性変化あり)」として登場し、クッパJr.と並んで共に戦う。
- 裏ワールド1をクリアするとラリーがサブキャラクターとして使用可能となる。
- マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX(2015年)
- 今作よりゲーム内では初めて明確に台詞を伴っての登場となり、一人称は「オイラ」で「アッハッハ」と笑う。ルドウィッグとコンビを組んで登場しており、中盤のニテルデ諸島地下と最終ダンジョンで戦う。マリオ達のバトルカードに対抗してバトルカードを使い、マリオ達にダメージを与えてダークスターポイントを溜め、様々な効果を起こす。片方が倒されると強力な魔法攻撃を使用してくる。
- マリオ&ソニック AT リオオリンピック(2016年)
- ニンテンドー3DS版とWii U版に登場。馬術に出場する。3DS版、Wii U版共に馬の扱いにはうるさいという一面を見せるようになった。
- ペーパーマリオ カラースプラッシュ(2016年)
- 大ペンキスターの捜索のため、サンセットエクスプレスを部下とともに占拠していた。蒸気機関車の屋上で戦闘となり、戦闘では機関室を占拠したヘイホーに回復させてくる他、機関室を奪還しようとする機関士を妨害するため部下を差し向けてくる。ヘイホーが追い出されて回復を止められた後は煙で視界を塞いでくる。
- マリオカート8 デラックス(2017年)
- 最初から使用可能。軽量級。今作ではWii U版とは違いウェンディとは僅かに性能が差別化された。グランプリでは新たにレミーがライバルキャラとなり、レミー使用時はラリーがライバルキャラとなる。
- マリオ&ルイージRPG1 DX(2017年)
- 本編のボス戦では固有の台詞が追加されている他、ターン制限が5ターンに変更され、HPが倍近くまで高くなっている。新モード「クッパ軍団RPG」にも登場。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(2018年)
- 前作に引き続き、クッパJr.のカラーバリエーションのひとつとして参戦。7人衆のみハンマーの代わりに魔法の杖を使うようになった。
- マリオ&ルイージRPG3 DX(2018年)
- 新モード「クッパJr. RPG」に登場。
- マリオカート ツアー(2019年)
- 2019年10月9日より開催された「トーキョーツアー」より登場。スペシャルスキルは「ブーメランフラワー」。また、「ホリデーツアー(2)」にて、ウィンター版のラリーが登場した。スペシャルスキルは、「コインボックス」。また、「クッパツアー(2)」にて、Miiスーツが登場。スペシャルスキルは「ブーメランフラワー」。
- マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック(2019年)
- Nintendo Switch版に登場。前作に引き続き障害馬術に出場する。
- ドクターマリオ ワールド(2020年)
- 2020年2月3日のアップデートより登場。ステージモードでのスキルはカラー木箱を7個破壊、VSモードでのスキルは対戦相手にカラー木箱を2 - 8個送る。
- スーパーマリオメーカー2(2020年)
- アップデートVer3.0.0から他の7人衆とともに追加。「スーパーマリオ 3Dワールド スキン」以外で使用でき、設置数はクッパ7人衆全員分で共有して1エリアにつき最大7体まで設置が可能。攻撃方法は従来の作品に近く、魔法の杖から水色のビームを放ち、時折ジャンプする。「New スーパーマリオブラザーズ U スキン」では『New』シリーズ、「スーパーマリオブラザーズ3 スキン」ではファミコン版に準じたデザインを採用。原作に登場しない「スーパーマリオブラザーズ スキン」ではクッパをベースにして『3』に近づけたデザイン、戦い方が大きく異なる「スーパーマリオワールド スキン」でも『3』に近づけたデザインで描き直され、どちらも甲羅が緑色で、前者はモヒカンが黄色、後者は水色になっている。
- マリオカート ライブ ホームサーキット(2020年)
- コンピューター専用レーサーとしてクッパJr.や他の7人衆とともに登場。
ゲーム作品以外
[編集]- OVA『アマダアニメ スーパーマリオ』では佐藤正治が声を担当。
- アメリカのアニメ『The Adventures of Super Mario Bros. 3』および『Super Mario World』では、Cheatsy Koopa(チーツィ・クッパ)の名で登場。声優はJames Rankin。こちらではHip(レミー)とHop(イギー)が双子で、Cheatsy(ラリー)より年下となっている。
- 漫画『スーパーマリオくん』についてはスーパーマリオくんの登場キャラクター#クッパ7人衆(旧名:コクッパ7人衆)を参照。その他、クッパ7人衆#メディアミックスでの登場例も参照。
登場作品
[編集]- スーパーマリオブラザーズ3
- スーパーマリオワールド
- Mario is Missing!(日本未発売、PC版のみ登場)
- ヨッシーのロードハンティング
- Hotel Mario(日本未発売)
- マリオ&ルイージRPGシリーズ / ペーパーマリオシリーズ
- スーパーマリオ 不思議のジャンジャンランド
- New スーパーマリオブラザーズ Wii
- New スーパーマリオブラザーズ Wii コインワールド
- New スーパーマリオブラザーズ 2
- New スーパーマリオブラザーズ U
- ファミコンリミックスシリーズ
- マリオカートシリーズ
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
- パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション
- マリオ&ソニック AT オリンピックシリーズ
- マリオ&ソニック AT リオオリンピック(ニンテンドー3DS版、Wii U版)
- マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック(Nintendo Switch版)
- ドクターマリオ ワールド
- スーパーマリオメーカー2
脚注
[編集]- ^ “Nintendo Feature: 10 Amazing Mario Facts” (英語). Official Nintendo Magazine. (2010年4月30日) 2014年5月9日閲覧。
- ^ List of rumors and urban legends about Mario - Larry Koopa's namesake - Super Mario Wiki
- ^ “ヨッシーのフルネームしってた? 『スーパーマリオブラザーズ』の豆知識2” (日本語). コタク・ジャパン. (2014年9月13日) 2021年10月20日閲覧。
- ^ “How A Mario Character Was Named After Motorhead's Lemmy” (英語). Kotaku. (2015年12月29日) 2021年10月20日閲覧。
- ^ “レミー・キルミスターにちなんだ任天堂キャラの命名秘話” (日本語). コタク・ジャパン. (2016年1月10日) 2021年10月20日閲覧。