ラリサ県
- ラリサ県
- Περιφερειακή ενότητα Λαρίσας
- 測地系: 北緯39度40分 東経22度30分 / 北緯39.667度 東経22.500度座標: 北緯39度40分 東経22度30分 / 北緯39.667度 東経22.500度
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国 ギリシャ共和国 地方 テッサリア 県都 ラリサ 面積 5,381 km² 人口 282,447 人 (2005年) 人口密度 52 人/km² ナンバープレート PI 自治体コード 42 構成自治体数 7 標準時 EET(UTC+2)
夏時間はEEST(UTC+3)
ラリサ県(ラリサけん、ギリシャ語:Περιφερειακή ενότητα Λαρίσας)は、ギリシャのテッサリア地方の県である。県都はラリサ(Λάρισα / Lárisa)。
地理
[編集]ラリサ県は、ギリシャの県の中で、エトリア=アカルナニア県に次いで2番目に面積が大きい県である。県の北東部にはピニオス川が流れ、テンビ渓谷がある。また、テッサリア地方最大の県であり、その3分の1の広さを占めている。ギリシャ最高峰のオリンボス山(2,917m)もラリサ県にある。
ラリサ県の北西はコザニ県、北東はピエリア県、東はエーゲ海、南東はマグニシア県、南はフティオティダ県、南西はカルディツァ県、西はトリカラ県にそれぞれ接している。県の南部と北部および北西部は深い森で覆われている一方で、県の中央部と南西部、西部および南東部には、テッサリア平原と呼ばれる肥沃な平地が広がっている。さらに県の東部と南東部およびオリンボス山周辺は、不毛な岩地となっている。
また、県南部にはヴィヴィ湖があり、テッサリア平原とピリオ山脈とを隔てる潟湖は、マグニシア県との県境にもなっている。
気候
[編集]ラリサ県は主に、夏に暑く冬は寒冷な地中海性気候である。しかし、オリンボス山といった山岳地帯では、冬が厳しい気候となる。今までに県内で記録された気温は、最高気温が45.2℃であり、最低気温は-21.6℃である。
歴史
[編集]古代・中世
[編集]現在のラリサ県の地域は、ペラスゴイ人の居住地であったが、その後ギリシア人と同化した。この地域はマケドニア王国に征服された後に、第3次マケドニア戦争で共和政ローマの統治領となった。ローマ帝国の分裂後は、東ローマ帝国領となり、やがてオスマン帝国の支配下に入った。
近代・現代
[編集]ギリシャ独立戦争では、テッサリア地方でも反乱が発生したが、オスマン帝国領にとどまった。しかし、1878年のベルリン会議によって、この地域のギリシャの領有が認められ、1881年にはギリシャ王国の領土となった。「ラリサ県」はこのときに創設されている。
現在のラリサ県北部にあたる、ティルナヴォス、エラソナ、サランダポロといった地域は、その後の1912年から1913年に起こった第一次バルカン戦争までは、オスマン帝国領であった。1913年、現在のラリサ県の全地域がギリシャ領となった。
ギリシャ王国編入後は、1940年代まで経済が成長した。1920年から1922年の希土戦争中には、小アジア地方からの避難民がラリサ県内にも移住した。1930年代になると電気が通り、道路が舗装され、自動車やラジオが普及し始めた。第二次世界大戦中、この地域はパルチザンの主要な活動拠点にもなり、さらに続くギリシャ内戦では、県内のインフラストラクチャーは壊滅状態となった。
1947年には、マグニシア県がラリサ県から分割された。1950年代には交通網が整備され、1957年には国道1号線が開通した。1970年代にはテレビも普及し、1984年にはテッサリア大学が建設された。2007年には山火事の被害を受けた。
経済
[編集]1970年代以来、ラリサ県の主な産業は、製造業、サービス業、商業などであり、農業も主要な産業である。特にテッサリア平原では、スイカやメロンといった果物や、トマトやジャガイモといった野菜の他に、綿や肉牛などが生産されることで有名である。
行政区画
[編集]市(ディモス)
[編集]ラリサ県は、以下の自治体(ディモス、市)から構成される。面積の単位はkm²、人口は2001年国勢調査時点。
自治体名 | 綴り | 政庁所在地 | 面積 | 人口 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | ラリサ | Λάρισα | ラリサ (el) | 335.1 | 163,380 |
2 | アイア | Αγιά | アイア | 668.3 | 14,121 |
3 | エラソナ | Ελασσόνα | エラソナ (el) | 1,568.1 | 37,264 |
4 | キレレル | Κιλελέρ | ニケア (el) | 975.3 | 23,213 |
5 | テンビ | Τέμπη | マクリホリ (en) | 577.0 | 16,466 |
6 | ティルナヴォス | Τύρναβος | ティルナヴォス (el) | 516.3 | 25,307 |
7 | ファルサラ | Φάρσαλα | ファルサラ (el) | 736.0 | 23,531 |
旧自治体(ディモティキ・エノティタ)
[編集]カリクラティス改革(2011年1月施行)以前の広域自治体(ノモス)としてのラリサ県(Νομός Λαρίσας)は、以下の基礎自治体(ディモス)から構成されていた。改革後、旧自治体は新自治体(ディモス)を構成する行政区(ディモティキ・エノティタ)となっている。
下表の番号は右図と対応している。「旧自治体」欄で※印を付したものはキノティタ、それ以外はディモス。「政庁所在地」欄で太字になっているものは、新自治体の政庁所在地となったものを示す。
旧自治体 | 綴り | 政庁所在地 | 新自治体 | |
---|---|---|---|---|
1 | ラリサ | Λάρισα | ラリサ | ラリサ |
2 | アイア | Αγιά | アイア | アイア |
3 | アンベロナス | Αμπελώνας | アンベロナス | ティルナヴォス |
4 | アンディハシア | Αντιχάσια | クラネア | エラソナ |
5 | アルメニオ | Αρμένιο | アルメニオ | キレレル |
6 | ヤンヌリ | Γιάννουλη | ヤンヌリ | ラリサ |
7 | ゴンニ | Γόννοι | ゴンニ | テンビ |
8 | エラソナ | Ελασσώνα | エラソナ | エラソナ |
9 | エニッペアス | Ενιππέας | メガロ・エヴィドリオ | ファルサラ |
10 | エヴリメネス | Ευρυμενές | ストミオ | アイア |
11 | カト・オリンボス | Κάτω Όλυμπος | ピルゲトス | テンビ |
12 | キレレル | Κιλελέρ | キレレル | キレレル |
13 | キラダ | Κοιλάδα | キラダ | ラリサ |
14 | クランノナス | Κραννώνας | アイオイ・アナルギリ | キレレル |
15 | ラケリア | Λακέρεια | ディミトラ | アイア |
16 | リヴァディ | Λιβάδι | リヴァディ | エラソナ |
17 | マクリホリ | Μακρυχώρι | マクリホリ | テンビ |
18 | メリヴィア | Μελίβοια | ソティリツァ | アイア |
19 | ナルタキ | Ναρθάκι | ナルタキ | ファルサラ |
20 | ネソナス | Νέσσωνας | シクリオ | テンビ |
21 | ニケア | Νίκαια | ニケア | キレレル |
22 | オリンボス | Όλυμπος | カリテア | エラソナ |
23 | プラティカンボス | Πλατύκαμπος | プラティカンボス | キレレル |
24 | ポリダマンダス | Πολυδάμαντας | ヴァムヴァク | ファルサラ |
25 | ポタミア | Ποταμιά | ヴラホヤンニオ | エラソナ |
26 | サランダポロ | Σαραντάπορο | サランダポロ | エラソナ |
27 | ティルナヴォス | Τύρναβος | ティルナヴォス | ティルナヴォス |
28 | ファルサラ | Φάρσαλα | ファルサラ | ファルサラ |
29 | アンベラキア ※ | Αμπελάκια | アンベラキア | テンビ |
30 | ヴェルディクサ ※ | Βερδικούσα | ヴェルディクサ | エラソナ |
31 | カリア ※ | Καρυά | カリア | エラソナ |
32 | ツァリツァニ ※ | Τσαριτσάνη | ツァリツァニ | エラソナ |
郡(エパルヒア)
[編集]県には以下の5つの郡(エパルヒア)があったが、2006年以降法的な位置づけは行われていない。かつてのエパルヒアは、2011年のカリクラティス改革時のディモスのもとになった。
郡名 | 綴り | 中心地 |
---|---|---|
ラリサ郡 (en) | Λάρισα | ラリサ |
ティルナヴォス郡 (en) | Τύρναβος | ティルナヴォス |
アイア郡 (en) | Αγιά | アイア |
エラソナ郡 (en) | Ελασσόνα | エラソナ |
ファルサラ郡 (en) | Φάρσαλα | ファルサラ |