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ラモセトロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラモセトロン塩酸塩から転送)
ラモセトロン
IUPAC命名法による物質名
薬物動態データ
半減期5.8 時間
データベースID
CAS番号
132907-72-3 チェック
ATCコード none
PubChem CID: 108000
IUPHAR/BPS英語版 2301
ChemSpider 97112 ×
UNII 7ZRO0SC54Y ×
ChEMBL CHEMBL1643895 ×
化学的データ
化学式C17H17N3O
分子量279.33 g/mol
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ラモセトロン(Ramosetron)とは悪心嘔吐の治療に用いられるセロトニン5-HT3受容体拮抗薬[1]の一つである。

塩酸塩

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ラモセトロン塩酸塩 (ラモセトロンえんさんえん、ramosetron hydrochloride) は、セロトニン5-HT3受容体拮抗剤 (5-HT3 antagonist。分子式は C17H17N3O•HCl。外見は白色または微帯黄色の結晶。

日本や一部の東南アジアでのみ認可されている。日本ではアステラス製薬から制吐薬ナゼア (Nasea)、下痢型過敏性腸症候群治療薬イリボー(Irribow)として製造販売されている[2]

ナゼア

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効能または効果

抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)[3][4]

用量・用法

通常成人には、0.3mgを1日1回静脈内投与または1日1回0.1mgを経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。

種類

OD錠0.1mg、注射液0.3mg

副作用

市販後の調査での副作用発現率は7%前後であった。重大な副作用はショック、アナフィラキシー様症状とされている。

イリボー

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イリボー製剤見本
イリボー 5µg錠剤 (アステラス製薬製、日本国内版)
効能または効果

下痢型過敏性腸症候群[5][6]

用量・用法

通常男性には、1日1回5µgを経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、1日量は10µgを限度とする。
通常女性には、1日1回2.5µgを経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、1日量は5µgを限度とする。

同一用量では女性でのCmaxAUC英語版は男性に比べて1.5倍と1.7倍となり有害事象が多い傾向が見られたので、臨床試験を再試行して用量が半量に設定された[7]
種類

錠剤:2.5µg、5µg

副作用

市販後の調査での副作用発現率は4.7%であった。重大な副作用はショックアナフィラキシー様症状、虚血性大腸炎、重篤な便秘とされている。

海外で類薬による重篤便秘とその合併症(腸閉塞イレウス、宿便、中毒性巨大結腸症、続発性腸虚血、腸管穿孔)が発生しており、死亡例もある[5][6]

出典

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  1. ^ Fujii Y, Saitoh Y, Tanaka H, Toyooka H (February 2000). “Ramosetron for preventing postoperative nausea and vomiting in women undergoing gynecological surgery”. Anesth. Analg. 90 (2): 472–5. PMID 10648342. http://www.anesthesia-analgesia.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=10648342. 
  2. ^ All About プロファイル アステラス製薬が「イリボー錠」の承認取得
  3. ^ ナゼアOD錠0.1mg 添付文書” (2014年7月). 2016年4月13日閲覧。
  4. ^ ナゼア注射液0.3mg 添付文書” (2015年10月). 2016年4月13日閲覧。
  5. ^ a b イリボー錠2.5μg/イリボー錠5μg 添付文書” (2015年5月). 2016年4月13日閲覧。
  6. ^ a b イリボーOD錠2.5μg/イリボーOD錠5μg 添付文書” (2015年5月). 2016年4月13日閲覧。
  7. ^ イリボーOD錠2.5μg/イリボーOD錠5μg/イリボー錠2.5μg/イリボー錠5μg インタビューフォーム”. アステラス製薬 (2015年5月). 2016年4月13日閲覧。