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ラムフォーム・スターリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラムフォーム・スターリング
たんさ
「たんさ」に改装された本船
基本情報
船種 三次元物理探査船
クラス Ramform S-class
船籍 バハマの旗 バハマ
日本の旗 日本
所有者 Petroleum Geo-Services
エネルギー・金属鉱物資源機構
運用者 Petroleum Geo-Services
→オーシャン・ジオフロンティア
建造所 STXヨーロッパ造船ラングステン造船所
母港 ナッソー
東京
姉妹船 ラムフォーム・ソブリン
建造費 5億8000万ノルウェークローネ
船級 DNV +1A1, BIS, Clean, E0, HELDK, Ice(C), RP, TMON
→NK(船籍港:東京)
船舶番号 143589
信号符字 C6YE5
→7KFI[1]
IMO番号 9413303
MMSI番号 311029900
改名 Ramform Sterling ( - 2019年)
→たんさ (2019年 - )
経歴
竣工 2009年6月30日
現況 就役中
要目
総トン数 13,721トン
→13,782トン
全長 102.2 m
垂線間長 95.39 m
型幅 40.0 m
型深さ 8.5 m
喫水 7.4 m
機関方式 電気推進
主機関ロールス・ロイスBergen B32:40直列9気筒ディーゼルエンジン×4基
・ロールス・ロイスBergen B32:40直列6気筒ディーゼルエンジン×2基
・上記主機用ABB製発電機×6基
バルチラ製ディーゼル発電機×2基(計22.16MW)
三菱重工業製非常用発電機×1基
推進器 ・コルトノズル付き可変ピッチプロペラ×2軸
(電動、計13.0MW)
・格納式アジマススラスタ×1基
(電動、1.8MW)
出力 13.0 MW (17,400 hp)
最大速力 18.0ノット
搭載人員 70名
要目[2][3][4]
→JOGMEC導入後の要目[5][6][7]
テンプレートを表示

ラムフォーム・スターリング(Ramform Sterling)は、ノルウェーの資源調査会社Petroleum Geo-Services(PGS)社が運用していた三次元物理探査船である[8]経済産業省所管の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、現エネルギー・金属鉱物資源機構)へ売却され[9]、資源調査船たんさとして運用されている[5][10]

概要

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JOGMECの三次元物理探査船としては同じくPGS社から購入された資源(しげん、旧ラムフォーム・ヴィクトリー)があるが[11]、船齢が20年を超え老朽化が進んでいる。本船はこれを更新し、また船主を経産省[12]からJOGMECへ移すことで、国による三次元物理探査の継続的な実施に加え、民間企業による探査への活用等、機動的・効率的な運用を可能にする[13][14][15]。民間への物理探査船の貸し出しは平成28年の法改正によって可能となった[16]

日本への引き渡しは2019年4月下旬を予定しており、売却価格は約130億円とされている[17]。売却後の船名は公募により決定される予定であり[18]、5月28日付でJOGMECは船名”たんさ”での無線局免許を受けている[19]。引き渡し時点で売却額の75%、2020年中に残額が支払われる予定である。建造経費として平成31年度予算までで累計100億円が要求されており、調達事業終了は平成32年度を予定している[20]。10月29日に就航記念式が行われ、船名「たんさ」が正式に公表された[21]

売却契約には、1年毎に更新される最大10年間のサービス契約が含まれており、この契約についてPGS社は日本郵船と日立製作所との合弁会社を設立している。日本郵船は船舶運航、日立はデータ処理、PGS社は技術・運営サービス、サポート、訓練を担当する予定である[22]。 なお契約にはストリーマの売却は含まれていない。

2020年3月3日に左舷推進モーター1基、4月8日に右舷側1基が故障し、15日に運航を停止した[23]。8月22日にドック入りし、2021年1月29日まで修理が行われた。2月15日には運航を再開した[24]

特徴

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ラムフォーム・スターリングは2009年にSTXヨーロッパ造船ラングステン造船所で竣工した[8]。本船はラムフォーム・ソブリンとともにPGS社の”S”型調査船に属している。”S”型はストリーマリール26基を搭載し、22本のストリーマを同時に展開・曳航できる[8]。ストリーマと同時に曳航されるエアガンが海底に地震波を発し、その反射をストリーマで受信することによって精細な三次元地図を作成する。これを分析して資源探査に役立てることができる。ストリーマの展張範囲は幅1500m×長さ8000mに及び、資源(旧ラムフォーム・ヴィクトリー)の属していた”V”型に比べ調査可能面積は60%増加しているとされる[25]。また、電気推進方式を採用しており、優れた環境性能を持っている[8]

航海計器はX及びSバンド航海レーダー(FAR-2117、FAR-2837)、ソナー(FE-700)、GPS(GP-150)、AIS(FA-150)などフルノ製のものが多く用いられている[25]

関連項目

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  • 資源 (探査船) - 2008年からJOGMECで運用されている三次元物理探査船。
  • 白嶺 (探査船) - 2012年からJOGMECで運用されている海洋資源調査船。

脚注

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  1. ^ 海上移動業務用無線局局名録”. 総務省. 2023年2月27日閲覧。
  2. ^ M/S «RAMFORM STERLING»”. SKIPSREVYEN. 2019年1月25日閲覧。
  3. ^ Ramform Sterling (08/2009)”. Maritimt Magasin. 2019年1月25日閲覧。
  4. ^ Ramform Sterling”. LMG Marin AS. 2023年2月27日閲覧。
  5. ^ a b 新三次元物理探査船の船名発表』(プレスリリース)日本郵船、2019年10月30日https://www.nyk.com/news/2019/20191030_01.html2023年2月27日閲覧 
  6. ^ 内閣府 総合海洋政策推進事務局「6 三次元物理探査船「たんさ」の運航開始」『令和2年版 海洋の状況及び海洋に関して講じた施策』(レポート)内閣府、2020年7月、10頁https://www8.cao.go.jp/ocean/info/annual/r2_annual/pdf/r2_annual_2_6.pdf2023年2月27日閲覧 
  7. ^ 三次元物理探査船「たんさ」 仕様・特徴”. オーシャン・ジオフロンティア. 2023年2月27日閲覧。
  8. ^ a b c d High capacity marine seismic vessel Ramform Sterling | PGS”. Petroleum Geo-Services. 2019年1月24日閲覧。
  9. ^ 新三次元物理探査船による運航・調査委託業務の委託を前提とした同船の裸傭船契約を締結する予定者、及び同船の調達相手先を選定する公募」の実施について”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月25日閲覧。
  10. ^ PGS Sells Ramform Sterling to JOGMEC | Subsea World News”. SUBSEA worldnews. 2019年1月24日閲覧。
  11. ^ 三次元物理探査船「資源」による初の日本人主体の海上物理探査を実施”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月24日閲覧。
  12. ^ 三次元物理探査船の運航に伴う船主責任保険仕様書”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月25日閲覧。
  13. ^ 平成30年度資源・エネルギー関係概算要求の概要”. 経済産業省. 2019年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月25日閲覧。
  14. ^ 平成31年度資源・エネルギー関係概算要求の概要”. 経済産業省. 2019年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月25日閲覧。
  15. ^ “[https://web.archive.org/web/20190124203539/http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2019/pr/en/enecho_nenryou_04.pdf 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 船舶建造事業]”. 経済産業省. 2019年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月25日閲覧。
  16. ^ 「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました”. 経済産業省. 2016年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月31日閲覧。
  17. ^ 石油ガス機構、2代目探査船を4月導入=名称を公募 2019年01月28日”. 時事通信. 2019年1月29日閲覧。
  18. ^ 新しい資源調査船に名前をつけよう”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月25日閲覧。
  19. ^ 総務省 電波利用ホームページ | 無線局免許状等情報”. 総務省. 2019年7月28日閲覧。
  20. ^ 0210 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構船舶建造事業(Excel形式:672KB)”. 経済産業省. 2019年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月25日閲覧。
  21. ^ 新しい資源調査船の就航記念式を催行~船名は「たんさ」に決定~』(プレスリリース)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、2019年10月29日https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_01_000150.html2023年2月27日閲覧 
  22. ^ PGS firms up vessel sale agreement with JOGMEC”. Offshore Energy Today. 2019年1月25日閲覧。
  23. ^ 資源調査船「たんさ」の運航停止について』(プレスリリース)石油天然ガス・金属鉱物資源機構https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_01_000155.html2023年2月27日閲覧 
  24. ^ 資源調査船「たんさ」の推進モーター修理完了と調査再開について』(プレスリリース)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、2021年2月15日https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_000101.html2023年2月27日閲覧 
  25. ^ a b M/S «RAMFORM STERLING»”. SKIPSREVYEN. 2019年1月25日閲覧。

外部リンク

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