ユー・センド・ミー
「ユー・センド・ミー」 | ||||
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サム・クック の シングル | ||||
B面 | サマータイム | |||
リリース | ||||
録音 | 1957年6月1日 | |||
ジャンル | R&B、ソウル | |||
時間 | ||||
レーベル |
キーン・レコード ロンドン・レコード | |||
作詞・作曲 | サム・クック | |||
プロデュース | ロバート・ブラックウェル | |||
チャート最高順位 | ||||
サム・クック シングル 年表 | ||||
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「ユー・センド・ミー」(You Send Me)は、アメリカ合衆国の歌手サム・クックが1957年に発表した楽曲。クックはそれまでゴスペル・グループのソウル・スターラーズのメンバーとして知られていたが、この曲でソロ・シンガーとして成功を収めた。また、多くのアーティストによってカヴァーされている。
背景
[編集]サム・クックは1956年12月に「デイル・クック」名義で初のソロ・レコーディングを行うが、この時に録音された「Loveable」は、殆どプロモーションされることなく終わった[3]。その後クックはキーン・レコードとの契約を得て、本来の姓に「e」を足した「Sam Cooke」という名義で活動を始める[3]。
クレジット上では、「ユー・センド・ミー」の作詞・作曲者はL. C. クック(サム・クックの弟[4])となっていた[5]。しかし、当時サム・クックはソウル・スターラーズ時代の所属レーベルであったスペシャルティ・レコードとの間に契約上の問題を抱えていたため、L. C.の名前を使ったという[3][6]。なお、クックは1987年にソングライターの殿堂入りを果たしており、ここでは「ユー・センド・ミー」はサム・クックが単独で作った曲という扱いになっている[7]。
レコーディングは1957年6月1日に行われ[8][9]、シングルのB面には「サマータイム」(ジョージ・ガーシュウィン作曲)のカヴァーが収録された[5]。
反響・評価
[編集]「ユー・センド・ミー」は、アメリカでは『ビルボード』のトップ100とR&Bシングル・チャートの両方で1位を獲得し、トップ100では自身唯一の1位獲得作品となった[1]。また、1958年1月23日付の全英シングルチャートで29位を記録[2]。
アメリカの『ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・ソング500」では115位[10]、イギリスの『NME』誌が選出した「50年代のベスト・ソング100」では7位にランク・イン[11]。また、ロックの殿堂公式サイトで選出された「ロックン・ロールを形作った500曲」の中にも含まれている[12]。
他メディアでの使用例
[編集]サム・クックの歌唱による「ユー・センド・ミー」は、『アメリカン・ポップ』(1981年公開)[13]、『ジェシカ・ラングのスウィート・ドリーム』(1985年公開)[14]といった映画のサウンドトラックで使用された。
カヴァー
[編集]「ユー・センド・ミー」 | |
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テレサ・ブリュワー の シングル | |
B面 | Would I Were |
リリース | |
ジャンル | ポップス |
レーベル | コーラル・レコード |
チャート最高順位 | |
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テレサ・ブリュワーによるカヴァー
[編集]1950年代には白人の歌手による黒人の曲のカヴァーがしばしばヒットしていたが、この曲もテレサ・ブリュワーにカヴァーされており[16]、ブリュワーのヴァージョンは1957年に『ビルボード』トップ100で8位に達した[15]。
アレサ・フランクリンによるカヴァー
[編集]アレサ・フランクリンは1968年4月16日に「ユー・センド・ミー」のカヴァーを録音し、同年5月2日、アルバム『アレサ・ナウ』の先行シングル「シンク」のB面曲としてリリースした[17]。「ユー・センド・ミー」はB面曲ながらチャート入りを果たし、Billboard Hot 100で56位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで28位に達した[18]。
フランクリンのヴァージョンは、映画『ホリデイ』(2006年公開)のサウンドトラックで使用された[19]。
ロッド・スチュワートによるカヴァー
[編集]ロッド・スチュワートは、アルバム『スマイラー』(1974年)において、同じくサム・クックのカヴァーである「悲しき叫び」とのメドレーとして取り上げた。このメドレーは、アルバムに先駆けて「君に別離を」との両A面シングルとしてもリリースされ、全英シングルチャートで7位に達した[20]。
また、スチュワートのカヴァー・アルバム『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブックVol.4』(2005年)には、チャカ・カーンとのデュエットによる「ユー・センド・ミー」のカヴァーが収録された[21]。
その他のカヴァー
[編集]- オーティス・レディング - アルバム『ペイン・イン・マイ・ハート』(1964年)に収録。
- パーシー・スレッジ - アルバム『The Percy Sledge Way』(1967年)に収録[22]。
- ボニー・ブラムレット - アルバム『Lady's Choice』(1976年)に収録[23]。
- スティーヴ・ミラー・バンド - アルバム『鷲の爪』(1976年)に収録[24]。
- ロイ・エアーズ - アルバム『You Send Me』(1978年)に収録[25]。
- ニコレット・ラーソン - アルバム『愛しのニコレット』(1978年)に収録[26]。
- マンハッタンズ - アルバム『Too Hot to Stop It』(1985年)に収録[27]。
- ディーニー・イップ - アルバム『我要』(1985年)に収録[28]
- ハイラム・ブロック - アルバム『ギヴ・イット・ホワット・ユー・ガット』(1987年)に収録[29]。
- フェアーグラウンド・アトラクション - アルバム『ラスト・キッス』(1990年)に収録[30]。
- ポールとポーラ - アルバム『ウィー・ゴー・トゥゲザー』(1963年)に収録。
- マイケル・ボルトン - カヴァー・アルバム『タイムレス (ザ・クラシックス)』(1992年)に収録[31]。
- ディクシー・チックス - アルバム『Little Ol' Cowgirl』(1992年)に収録[32]。
- ヴァン・モリソン - ライヴ・アルバム『ナイト・イン・サンフランシスコ』(1994年)にメドレーの中の1曲として収録。第37回グラミー賞では、「イン・ザ・ガーデン」と「ユー・センド・ミー」が最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞にノミネートされた[33]。
- 岩崎宏美 - アルバム『SHOWER OF LOVE』(1997年)に収録[34]。
- アーロン・ネヴィル - カヴァー・アルバム『ソウル・クラシックを歌う』(2006年)に収録[35]。
- カート・エリング - アルバム『1619 Broadway: The Brill Building Project』(2012年)に収録[36]。
- 村上“ポンタ”秀一 - アルバム『Rhythm Monster』(2012年)に、ジャンク フジヤマをゲスト・ボーカリストとして迎えたカヴァーを収録[37]。
脚注
[編集]- ^ a b “Sam Cooke - Awards”. AllMusic. 2016年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月2日閲覧。
- ^ a b SAM COOKE | Artist | Official Charts - 2015年2月22日閲覧
- ^ a b c アメリカ盤CD『Greatest Hits』(1998年/RCA 07863 67605-2)ライナーノーツ(Joseph L. Laredo)
- ^ The Case for Sam Cooke, Soul Pioneer : World Cafe : NPR - 2014年2月8日閲覧
- ^ a b Sam Cooke - You Send Me (Vinyl) at Discogs
- ^ You Send Me - Sam Cooke | AllMusic - Song Review by Bill Janovitz
- ^ Songwriter Hall of Fame - Sam Cooke Detailed Song List - Page 7 - 2014年2月8日閲覧
- ^ Sam Cooke in the Studio - songofsamcook.com - 2014年2月8日閲覧
- ^ 『Encyclopedia of Great Popular Song Recordings』(Steve Sullivan, Scarecrow Press, 2013) p. 618
- ^ 500 Greatest Songs of All Time: Sam Cooke, 'You Send Me' | Rolling Stone - 2014年2月8日閲覧
- ^ “100 Best Songs Of The 1950s - page 10”. NME.COM. Time Inc.. 2015年11月29日閲覧。
- ^ Experience The Music: One Hit Wonders and The Songs That Shaped Rock and Roll | The Rock and Roll Hall of Fame and Museum - 2014年2月8日閲覧
- ^ American Pop (1981) - Soundtracks - IMDb
- ^ Sweet Dreams (1985) - Soundtracks - IMDb
- ^ a b Teresa Brewer | Awards | AllMusic
- ^ Teresa Brewer - Obituaries - News - The Independent - 2014年2月8日閲覧
- ^ 『アレサ・ナウ』日本盤リマスターCD(WPCR-75442)英文ブックレット
- ^ Aretha Franklin - Awards : AllMusic
- ^ The Holiday (2006) - Soundtracks - IMDb
- ^ ROD STEWART | Artist | Official Charts - 2015年2月22日閲覧
- ^ Thanks for the Memory: The Great American Songbook, Vol. 4 - Rod Stewart | AllMusic
- ^ Percy Sledge - The Percy Sledge Way (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Bonnie Blamlett - Lady's Choice (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Steve Miller Band - Fly Like An Eagle (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ You Send Me - Roy Ayers | AllMusic
- ^ Nicolette - Nicolette Larson | AllMusic
- ^ Manhattans - Too Hot To Stop It (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ 葉德嫻 - 飄 | Mojim.com
- ^ Give It What U Got - Hiram Bullock | AllMusic
- ^ “Ay Fond Kiss - Fairground Attraction”. Allmusic. 2014年2月9日閲覧。
- ^ “Timeless: The Classics - Micahel Bolton”. Allmusic. 2014年2月9日閲覧。
- ^ Little Ol' Cowgirl - Dixie Chicks | AllMusic
- ^ Rock On The Net: 37th Annual Grammy Awards - 1995
- ^ 岩崎 宏美| SHOWER OF LOVE (+5) | Victor Entertainment - 2014年2月8日閲覧
- ^ “Bring It on Home... The Soul Classics - Aaron Neville”. Allmusic. 2014年2月9日閲覧。
- ^ 1619 Broadway: The Brill Building Project - Kurt Elling | AllMusic
- ^ リズム モンスター: 村上秀一(Ponta) | HMV Online - UCCJ-2108 - 2014年2月8日閲覧