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モナコ・マイスター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モナコマイスターから転送)

モナコ・マイスターMonaco Meister)は、主に日本で使われる称号で、F1レースの一つであるモナコGPに際立って強いドライバーに冠せられる通称。3勝以上挙げたドライバーに与えられる場合が多い。マイスターとはドイツ語で「名人、達人」、あるいは「チャンピオン」の意。

解説

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モナコGPが開催されるモンテカルロ市街地コースは、攻略が難しく追い抜きもしにくいコースであり、勝利するのは困難なレースである。モナコGPではマシンの性能差とドライバーの技量差が顕著になり、ドライバーの腕が試されるコースとしても有名である。また、道幅が狭く事故が起きやすい上に、マシンにも過酷でメカニカルトラブルが多く、完走するためには強運も必要とされる。主に3勝するとモナコマイスターの称号を与えられる[1]

モナコ・マイスターと呼ばれたドライバー

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モナコGPで連勝を含む通算3勝以上を達成したドライバーを記載する。

2連勝を含む通算3勝(1956年1960年-1961年)を挙げている。
3連勝を含む通算5勝(1963年-1965年1968年-1969年)を挙げている。
通算3勝(1966年1971年1973年)を挙げている。
3連勝を含む通算4勝(1984年-1986年1988年)を挙げている。
5連勝を含む通算6勝(1987年1989年-1993年)を挙げている。この記録は史上最多である。
2連勝を含む通算5勝(1994年-1995年1997年1999年2001年)を挙げている。
3連勝(2013年-2015年)を挙げている。

その他のマイスター

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自動車レースの世界では、モナコ・マイスターの他に以下の分野でマイスターと呼ばれるドライバーが存在する。

レーゲン・マイスター(Regen Meister

「レーゲン」とはドイツ語で「雨」のこと。タイヤのグリップが大幅に低下する雨中のレースでは、マシンの性能よりドライバーの技量が物をいう場合が多い。また、天候の変化に応じて路面状況を読み、タイヤ交換を行う判断力や、濡れた路面をドライタイヤで走る(あるいは乾いた路面をレインタイヤで走る)忍耐力も問われる。

F1発足以前のグランプリドライバー。元々レーゲン・マイスターとは、カラツィオラに付けられた呼び名だった。
1926年のドイツグランプリで土砂降りの雨の中、優勝を飾っている。
  • アイルトン・セナ
1984年のモナコGPでは非力なトールマンハートマクラーレンポルシェのアラン・プロストを追い上げ2位を獲得。1985年ポルトガルGPベルギーGP、2位に大差をつけて優勝した。1991年1993年の地元ブラジルGPでも印象的な勝利を挙げた。とりわけ1993年のヨーロッパGPでは、1周目の10コーナーまでに4台を抜き、その後も後続に大差を築きながら異次元の走りを見せた。他にも雨にまつわるレースでの勝利・活躍が非常に多かった。
ネーベル・マイスター(Nebel Meister

「ネーベル」とはドイツ語で「霧」のこと。かつてドイツのニュルブルクリンク、ベルギーのスパ・フランコルシャンなどの旧コースは全長10km以上あり、山間のため霧が発生することもあった。視界が著しく遮られる中で走るには、危険察知力と度胸が試された。

1936年ドイツGPアウトウニオンを駆る彼はその3周目に、当時「物理的に絶対不可能」と言われたニュルブルクリンク10分フラットの壁を破った。
1968年ドイツGPで、濃霧の中2位に4分差をつける独走劇を演じた。
モンテ・マイスター

モナコをスタートし、アルプス山中を駆け抜ける伝統のラリー競技、モンテカルロ・ラリー。乾燥路・ウェット・氷雪路、あらゆる路面が登場する。

1980、1982、1983、1984年に優勝。FR車で2回、MR車で1回、フロントエンジン4WD車で1回、WRCイベントになってからそれぞれチームも駆動方式も違う車で4勝したのは彼だけである。

脚注

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  1. ^ F1 LEGENDS F1 グランプリ 1990〈3枚組〉 [DVD]
  2. ^ a b セナ没後20年。新たな「モナコマイスター」は誕生するのか?”. 集英社. 2019年3月5日閲覧。

関連項目

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