コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

メンフィス (ボズ・スキャッグスのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『メンフィス』
ボズ・スキャッグススタジオ・アルバム
リリース
録音 テネシー州メンフィス ロイヤル・レコーディング・スタジオ[2]
アディショナル・レコーディング: カリフォルニア州 ナパ・バレー ザ・バーン[2]
ジャンル ロックブルー・アイド・ソウル
時間
レーベル 429レコード
プロデュース スティーヴ・ジョーダン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 17位(アメリカ[3]
  • 74位(日本[4]
  • 95位(オランダ[5]
  • 157位(ベルギー・フランデレン地域[6]
  • ボズ・スキャッグス アルバム 年表
    スピーク・ロウ
    (2008年)
    メンフィス
    (2013年)
    The Essential Boz Scaggs
    (2013年)
    テンプレートを表示

    メンフィス』(Memphis)は、アメリカ合衆国の歌手ボズ・スキャッグス2013年に発表したスタジオ・アルバム429レコード移籍第1弾アルバムに当たる[1]

    背景

    [編集]

    本作のプロデューサーに起用されたスティーヴ・ジョーダンは、以前にもスキャッグスのアルバム『ディグ』(2001年)収録曲「コール・ザット・ラヴ」のソングライティングとレコーディング(ドラムス、ベース)に貢献した[7]。スキャッグスは2013年のインタビューで、ジョーダンに関して「12年前に仕事をして、互いの音楽スタイルが気に入り、一緒に何かをする機会をうかがっていた」と語っている[8]。レコーディングは主にメンフィスで行われ、スキャッグスによれば、メンフィスでのセッションは3日で終わり、翌日にはホーン・セクションやストリングスの録音も完了したという[8]

    収録曲はカヴァーが中心で、スキャッグスのオリジナル曲は「ゴーン・ベイビー・ゴーン」と「サニー・ゴーン」の2曲のみである[1]アル・グリーンのカヴァー「ソー・グッド・トゥ・ビー・ヒア」では、本作制作時には既に死去していたウィリー・ミッチェル(オリジナル・ヴァージョンの共同プロデューサー)がストリングス・アレンジでクレジットされており、スキャッグスは「スタジオでは、ウィリー・ミッチェルがまるでそこにいまもいるような存在感があったよ」とコメントしている[8]

    反響・評価

    [編集]

    母国アメリカのBillboard 200では17位に達し、スキャッグスのアルバムとしては『ヒッツ』(1980年発売)以来の全米トップ40アルバムとなった[3]。Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、スティーリー・ダンのカヴァー「パール・オブ・ザ・クォーター」を本作のハイライトとして挙げ「バンドの表現とレスター・スネルのストリングス・アレンジにより、初期のロックンロール、ドゥーワップ、メンフィス・ソウル、ニューオーリンズR&B、それにジャズが絶え間なく流れている」と評している[9]

    収録曲

    [編集]
    1. ゴーン・ベイビー・ゴーン - "Gone Baby Gone" (Boz Scaggs) - 3:35
    2. ソー・グッド・トゥ・ビー・ヒア - "So Good to Be Here" (Michael Allen, Al Green) - 3:15
      • アル・グリーンのアルバム『リヴィン・フォー・ユー』(1973年)より。
    3. ミックスト・アップ、シュック・アップ・ガール - "Mixed Up, Shook Up Girl" (Willy DeVille) - 3:44
    4. 雨のジョージア英語版 - "Rainy Night in Georgia" (Tony Joe White) - 4:33
      • トニー・ジョー・ホワイトのアルバム『...Continued』(1969年)より。
    5. ラヴ・オン・ア・トゥー・ウェイ・ストリート - "Love on a Two Way Street" (BB Keys, Sylvia Robinson) - 3:36
      • ザ・モーメンツのアルバム『Not on the Outside, But on the Inside, Strong!』(1969年)より。
    6. パール・オブ・ザ・クォーター - "Pearl of the Quarter" (Walter Becker, Donald Fagen) - 3:27
    7. キャデラック・ウォーク - "Cadillac Walk" (Moon Martin) - 4:26
      • ミンク・デヴィルのアルバム『Cabretta』(1977年)より。
    8. コリーナ、コリーナ - "Corrina, Corrina" (Traditional) - 3:44
    9. チェンジ・マイ・マインド - "Can I Change My Mind" (Barry Despenza, Carl Wolfolk) - 4:19
    10. ドライ・スペル - "Dry Spell" (Jack Walroth) - 3:23
    11. ユー・ガット・ミー・クライン - "You Got Me Cryin'" (Ewart Abner, Jimmy Reed) - 5:10
      • ジミー・リードのアルバム『アイム・ジミー・リード』(1958年)より。
    12. サニー・ゴーン - "Sunny Gone" (B. Scaggs) - 4:33

    日本盤ボーナス・トラック

    [編集]
    1. ミックスト・アップ、シュック・アップ・ガール(デモ) - "Mixed Up, Shook Up Girl (Demo)" (W. DeVille) - 3:32
    2. イット・テイクス・ア・ロット・トゥ・ラフ - "It Takes a Lot to Laugh (It Takes a Train to Cry)" (Bob Dylan) - 3:09

    参加ミュージシャン

    [編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    • チャールズ・ホッジズ - オルガン(on #1, #2, #5, #6, #9)、ウーリッツァー・ピアノ(on #4)
    • ジム・コックス - ローズ・ピアノ(on #1, #5)、ピアノ(on #3, #5, #6, #7, #12)、ウーリッツァー・ピアノ(on #6)、オルガン(on #12)
    • レスター・スネル - ウーリッツァー・ピアノ(on #2, #9)、ストリングス・アレンジ(on #2, #6)、ホーン・アレンジ(on #6)
    • スプーナー・オールダム英語版 - ウーリッツァー・ピアノ(on #3, #5, #8, #10)、ピアノ(on #4)、オルガン(on #4)
    • ジャック・アシュフォード - ヴィブラフォン(on #5)
    • エディ・ウィリス - ギター(on #9)
    • ケブ・モ - ドブロ・ギター(on #10)
    • チャーリー・マッスルホワイト - ハーモニカ(on #10)
    • リック・ヴィト - ギター(on #11)
    • デヴィッド・ハンゲイト - ベース(on #11)
    • シャノン・フォレスト - ドラムス(on #11)
    • ウィリー・ミッチェル - ストリングス・アレンジ(on #2)
    • ラニー・マクミラン - テナー・サクソフォーン
    • ジム・ホーン - バリトン・サクソフォーン
    • ベン・コーリー - トランペット
    • ジャック・ヘイル - トロンボーン
    • ジェシー・マンソン、Wen-Yih Yu、バリー・クーパー - ヴァイオリン
    • ベス・ラスカム、ジェニファー・パケット - ヴィオラ
    • マーク・ウォレス、ジョナサン・カークセイ - チェロ
    • モネット・オーウェンズ - スポークン・ワード(on #9)、バックグラウンド・ボーカル
    • クレイトーヴェン・リチャードソン - バックグラウンド・ボーカル

    脚注・出典

    [編集]
    1. ^ a b c ボズ・スキャッグス、ルーツのR&B / ソウルをカヴァーした新作『メンフィス』日本盤が本日リリース!”. CDJournal. 音楽出版社 (2013年3月6日). 2019年3月26日閲覧。
    2. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
    3. ^ a b Boz Scaggs Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年12月30日閲覧。
    4. ^ ORICON NEWS
    5. ^ Boz Scaggs - Memphis - dutchcharts.nl
    6. ^ ultratop.be - Boz Scaggs - Memphis
    7. ^ Boz Scaggs - Dig (CD, Album) | Discogs
    8. ^ a b c 天辰保文 (2013年12月9日). “インタビュー:【ボズ・スキャッグス】あのサウンドを求めてメンフィスで制作したニュー・アルバム”. CDJournal. 音楽出版社. 2019年3月26日閲覧。
    9. ^ Jurek, Thom. “Memphis - Boz Scaggs”. AllMusic. 2019年3月26日閲覧。