メンフィス (ボズ・スキャッグスのアルバム)
『メンフィス』 | ||||
---|---|---|---|---|
ボズ・スキャッグス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
テネシー州メンフィス ロイヤル・レコーディング・スタジオ[2] アディショナル・レコーディング: カリフォルニア州 ナパ・バレー ザ・バーン[2] | |||
ジャンル | ロック、ブルー・アイド・ソウル | |||
時間 | ||||
レーベル | 429レコード | |||
プロデュース | スティーヴ・ジョーダン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ボズ・スキャッグス アルバム 年表 | ||||
|
『メンフィス』(Memphis)は、アメリカ合衆国の歌手ボズ・スキャッグスが2013年に発表したスタジオ・アルバム。429レコード移籍第1弾アルバムに当たる[1]。
背景
[編集]本作のプロデューサーに起用されたスティーヴ・ジョーダンは、以前にもスキャッグスのアルバム『ディグ』(2001年)収録曲「コール・ザット・ラヴ」のソングライティングとレコーディング(ドラムス、ベース)に貢献した[7]。スキャッグスは2013年のインタビューで、ジョーダンに関して「12年前に仕事をして、互いの音楽スタイルが気に入り、一緒に何かをする機会をうかがっていた」と語っている[8]。レコーディングは主にメンフィスで行われ、スキャッグスによれば、メンフィスでのセッションは3日で終わり、翌日にはホーン・セクションやストリングスの録音も完了したという[8]。
収録曲はカヴァーが中心で、スキャッグスのオリジナル曲は「ゴーン・ベイビー・ゴーン」と「サニー・ゴーン」の2曲のみである[1]。アル・グリーンのカヴァー「ソー・グッド・トゥ・ビー・ヒア」では、本作制作時には既に死去していたウィリー・ミッチェル(オリジナル・ヴァージョンの共同プロデューサー)がストリングス・アレンジでクレジットされており、スキャッグスは「スタジオでは、ウィリー・ミッチェルがまるでそこにいまもいるような存在感があったよ」とコメントしている[8]。
反響・評価
[編集]母国アメリカのBillboard 200では17位に達し、スキャッグスのアルバムとしては『ヒッツ』(1980年発売)以来の全米トップ40アルバムとなった[3]。Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、スティーリー・ダンのカヴァー「パール・オブ・ザ・クォーター」を本作のハイライトとして挙げ「バンドの表現とレスター・スネルのストリングス・アレンジにより、初期のロックンロール、ドゥーワップ、メンフィス・ソウル、ニューオーリンズR&B、それにジャズが絶え間なく流れている」と評している[9]。
収録曲
[編集]- ゴーン・ベイビー・ゴーン - "Gone Baby Gone" (Boz Scaggs) - 3:35
- ソー・グッド・トゥ・ビー・ヒア - "So Good to Be Here" (Michael Allen, Al Green) - 3:15
- アル・グリーンのアルバム『リヴィン・フォー・ユー』(1973年)より。
- ミックスト・アップ、シュック・アップ・ガール - "Mixed Up, Shook Up Girl" (Willy DeVille) - 3:44
- ミンク・デヴィルのアルバム『Cabretta』(1977年)より。
- 雨のジョージア - "Rainy Night in Georgia" (Tony Joe White) - 4:33
- トニー・ジョー・ホワイトのアルバム『...Continued』(1969年)より。
- ラヴ・オン・ア・トゥー・ウェイ・ストリート - "Love on a Two Way Street" (BB Keys, Sylvia Robinson) - 3:36
- ザ・モーメンツのアルバム『Not on the Outside, But on the Inside, Strong!』(1969年)より。
- パール・オブ・ザ・クォーター - "Pearl of the Quarter" (Walter Becker, Donald Fagen) - 3:27
- キャデラック・ウォーク - "Cadillac Walk" (Moon Martin) - 4:26
- ミンク・デヴィルのアルバム『Cabretta』(1977年)より。
- コリーナ、コリーナ - "Corrina, Corrina" (Traditional) - 3:44
- チェンジ・マイ・マインド - "Can I Change My Mind" (Barry Despenza, Carl Wolfolk) - 4:19
- タイロン・デイヴィスのアルバム『Can I Change My Mind』(1969年)より。
- ドライ・スペル - "Dry Spell" (Jack Walroth) - 3:23
- ユー・ガット・ミー・クライン - "You Got Me Cryin'" (Ewart Abner, Jimmy Reed) - 5:10
- ジミー・リードのアルバム『アイム・ジミー・リード』(1958年)より。
- サニー・ゴーン - "Sunny Gone" (B. Scaggs) - 4:33
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- ミックスト・アップ、シュック・アップ・ガール(デモ) - "Mixed Up, Shook Up Girl (Demo)" (W. DeVille) - 3:32
- イット・テイクス・ア・ロット・トゥ・ラフ - "It Takes a Lot to Laugh (It Takes a Train to Cry)" (Bob Dylan) - 3:09
参加ミュージシャン
[編集]- ボズ・スキャッグス - リード・ボーカル、ギター、バックグラウンド・ボーカル
- レイ・パーカー・ジュニア - ギター
- ウィリー・ウィークス - エレクトリックベース、アップライト・ベース
- スティーヴ・ジョーダン - ドラムス、パーカッション、バックグラウンド・ボーカル、ストリングス・アレンジ、ホーン・アレンジ
アディショナル・ミュージシャン
- チャールズ・ホッジズ - オルガン(on #1, #2, #5, #6, #9)、ウーリッツァー・ピアノ(on #4)
- ジム・コックス - ローズ・ピアノ(on #1, #5)、ピアノ(on #3, #5, #6, #7, #12)、ウーリッツァー・ピアノ(on #6)、オルガン(on #12)
- レスター・スネル - ウーリッツァー・ピアノ(on #2, #9)、ストリングス・アレンジ(on #2, #6)、ホーン・アレンジ(on #6)
- スプーナー・オールダム - ウーリッツァー・ピアノ(on #3, #5, #8, #10)、ピアノ(on #4)、オルガン(on #4)
- ジャック・アシュフォード - ヴィブラフォン(on #5)
- エディ・ウィリス - ギター(on #9)
- ケブ・モ - ドブロ・ギター(on #10)
- チャーリー・マッスルホワイト - ハーモニカ(on #10)
- リック・ヴィト - ギター(on #11)
- デヴィッド・ハンゲイト - ベース(on #11)
- シャノン・フォレスト - ドラムス(on #11)
- ウィリー・ミッチェル - ストリングス・アレンジ(on #2)
- ラニー・マクミラン - テナー・サクソフォーン
- ジム・ホーン - バリトン・サクソフォーン
- ベン・コーリー - トランペット
- ジャック・ヘイル - トロンボーン
- ジェシー・マンソン、Wen-Yih Yu、バリー・クーパー - ヴァイオリン
- ベス・ラスカム、ジェニファー・パケット - ヴィオラ
- マーク・ウォレス、ジョナサン・カークセイ - チェロ
- モネット・オーウェンズ - スポークン・ワード(on #9)、バックグラウンド・ボーカル
- クレイトーヴェン・リチャードソン - バックグラウンド・ボーカル
脚注・出典
[編集]- ^ a b c “ボズ・スキャッグス、ルーツのR&B / ソウルをカヴァーした新作『メンフィス』日本盤が本日リリース!”. CDJournal. 音楽出版社 (2013年3月6日). 2019年3月26日閲覧。
- ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b “Boz Scaggs Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年12月30日閲覧。
- ^ ORICON NEWS
- ^ Boz Scaggs - Memphis - dutchcharts.nl
- ^ ultratop.be - Boz Scaggs - Memphis
- ^ Boz Scaggs - Dig (CD, Album) | Discogs
- ^ a b c 天辰保文 (2013年12月9日). “インタビュー:【ボズ・スキャッグス】あのサウンドを求めてメンフィスで制作したニュー・アルバム”. CDJournal. 音楽出版社. 2019年3月26日閲覧。
- ^ Jurek, Thom. “Memphis - Boz Scaggs”. AllMusic. 2019年3月26日閲覧。