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メルセデス・ベンツ・M256エンジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
M256

M256は、メルセデス・ベンツ直列6気筒ガソリンエンジンの系列であり、M276系列の後継である。

メルセデス・ベンツにとって、1997年(M104系列)以来、約20年ぶりの直列6気筒エンジンであり、電化を前提にして設計された初めてのパワーユニットである。直列エンジンの採用により、エンジン左右のスペースに補器類を配置することが可能になったほか、これまでエンジン回転を動力源としていた、エアコンディショナーやウォーターポンプなども電動化されたため、エンジン前部のベルト駆動装置が不要となり、よりコンパクトなエンジンとなった。また、エンジン近接型の触媒を採用し、より効率的な排出ガス処理を可能にした。さらに、12mmオフセットされたエンジンや、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE®摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減している。

新たに「ISG (インテグレーテッド・スターター・ ジェネレーター)」が搭載され、メルセデス・ベンツでは初のマイルドハイブリッドモデルとなった。ISGは、エンジンとトランスミッションの間に配置された電気モーターを指し、オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。 この電気モーターと「48V電気システム」により、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキ による発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現した。

一部モデルには、排気によるターボチャージャーが効果を出しづらい、低回転域で過給を行う「電動スーパーチャージャー」も搭載されている。「電動スーパーチャージャー」 と「ISG」による動力補助および排気ターボチャージャーとの組み合わせで、ターボラグを解消し、あらゆる回転域で俊敏なエンジンレスポンスを実現する、と謳われている。

2018年3月、Sクラス(W222)から、順次導入された[1]

バリエーション

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エンジン型式 総排気量
cc
ボア×ストローク
mm
最高出力
kW(PS)/rpm
最大トルク
Nm(kgm)/rpm
搭載モデル 販売期間
M256 2,996 83.0×92.3 330 (449)/
5,800~6,100
560 (57.1)/
2,200~5,000
S 500 4MATIC (W/V223) 2021年1月-
Mercedes-AMG E 53 HYBRID 4MATIC+ (W/S214) 2024年12月-
Mercedes-AMG CLE 53 4MATIC+ (C/A236) 2024年6月-
320 (435)/
5,800~6,100
Mercedes-AMG GLE 53 4MATIC+ (W/C167) 2020年5月-
520 (53.0)/
1,800~5,800
Mercedes-AMG E 53 4MATIC+ (W/S213、C/A238) 2018年9月-2024年1月
Mercedes-AMG CLS 53 4MATIC+ (C257) 2018年9月-2023年8月
Mercedes-AMG GT 53 4MATIC+ (X290) 2019年2月-
270 (367)/
5,500~6,100
500 (51.0)/
1,600~4,500
Mercedes-AMG GT 43 4MATIC+ (X290)
S 580 e 4MATIC ロング (V223) 2022年6月-
S 450 (W/V222)
S 450 エクスクルーシブ (W222)
2018年3月-2021年1月
E 450 4MATIC エクスクルーシブ (W/S213) 2020年9月-2022年9月
E 450 4MATIC スポーツ (C/A238) 2020年10月-2022年9月
CLS 450 4MATIC スポーツ (C257) 2018年6月-2022年9月
GLE 450 4MATIC スポーツ (W167) 2019年6月-2022年3月

参考文献

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  1. ^ ISG搭載モデル「S 450」を発表』(プレスリリース)メルセデス・ベンツ日本株式会社、2018年3月1日https://media.mercedes-benz.jp/ISG%E6%90%AD%E8%BC%89%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-S-%E3%82%92%E7%99%BA%E8%A1%A8/2019年4月12日閲覧 

関連項目

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