コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ムスタグアタ山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ムスタグアタ山
مۇز تاغ ئاتا
カラコルムハイウェイから見たムスタグアタ山
最高地点
標高7,509 m (24,636 ft) [1][2]
世界43位
プロミネンス2,698 m (8,852 ft) [1]
総称ウルトラ・プロミネント峰
座標北緯38度16分42秒 東経75度06分57秒 / 北緯38.27833度 東経75.11583度 / 38.27833; 75.11583座標: 北緯38度16分42秒 東経75度06分57秒 / 北緯38.27833度 東経75.11583度 / 38.27833; 75.11583[1]
山岳名
翻訳氷の山の父 (ウイグル語)
地形
ムスタグアタ山の位置(中華人民共和国内)
ムスタグアタ山
ムスタグアタ山
中国における位置
所在地中華人民共和国の旗 中華人民共和国新疆ウイグル自治区
所属山脈パミール高原
登山
初登頂1956年 E. A. Beletskiyら
最容易
ルート
glacier/snow climb
プロジェクト 山
ムスタグアタ山
各種表記
簡体字 慕士塔格峰
拼音 Mùshìtǎgé Fēng
英文 Muztagh Ata, Muztagata
テンプレートを表示

ムスタグアタ山(ムスタグアタさん、ウイグル語: مۇز تاغ ئاتا, Музтағ Ата、中国語: 慕士塔格峰)は、中華人民共和国新疆ウイグル自治区アクト県タシュクルガン・タジク自治県にまたがっているである。標高は7,509メートル[2]で、チベット高原の北端を形成する山の中で2番目に高い(チベット高原で2番目に高い山というわけではない)。物理的にはパミール高原と密接に関連しているものの、崑崙山脈の一部と見なされることもある。穏やかな西斜面と新疆ウイグル自治区の比較的乾燥した気候のため、世界の7000メートル峰の中では比較的登頂が容易であるが、登頂成功のためには十分な順応期間と強い体調が不可欠である。

名称

[編集]

山名は、ウイグル語で「氷の山の父」の意味である。

インド学者のミヒャエル・ヴィツェル英語版によれば、リグ・ヴェーダにおいて、最高のソーマが生み出されるムバジャント山(Having Mūja)に言及しており、これがムスタグアタ山の名前の元であるという[3]

位置

[編集]

この山はコングール山(標高7,649メートル)のすぐ南にあり、コングール山と共にコングール山脈という独立の山脈を成している。コングール山脈は、ヤルカンド川の渓谷によって崑崙山脈から切り離されている。そのため、崑崙山脈の一部というよりも、一般にはパミール高原の一部とされる[4]。コングール山脈の北にはタリム盆地、東にはタクラマカン砂漠があり、いずれもこの山脈からそれほど離れてはいない。両方の山頂と麓のカラクリ湖のすぐ近くをカラコルム・ハイウェイが通る。カラクリ湖からは山が見渡せる。この山に最も近い街はタシュクルガンである。これは、中国で最も西にあり、パキスタンとの国境に非常に近い街である。

歴史

[編集]

最初に記録されたムスタグアタ山登頂の挑戦は、1894年のスウェーデンの探検家・地理学者スヴェン・ヘディンによるものである。その後、1900年、1904年、1947年にエリック・シプトンビル・ティルマン英語版らが挑戦したが、いずれも寒さと深い雪のために引き返した。

初登頂は、1956年に中国ソ連合同の大規模な登山隊によってなされた。隊長はE.A. Beletskiyで、隊員には劉連満英語版許競英語版らがいた。この隊が使用した西稜を通るルートは、後に標準ルートとなった。

初登頂以降、多くの人が登頂を行った。1980年、ネッド・ジレットが率いる登山隊が標準ルートのスキーによる登山・下山を行った。これは、7,500メートルを超える山における初のスキー登山である。2000年にはより難易度の高い南東稜からの登頂が行われ、2005年夏には山の西側の2つ目のルートが開拓された。2011年、スウェーデンの登山家アンネリ・ウェスターは、単独のアルパインスタイルによる登頂の後、山頂で一晩を過ごした。

脚注

[編集]
  1. ^ a b c "China II: Sinkiang - Xinjiang". Peaklist.org. Retrieved 2014-05-26.
  2. ^ a b Note: The footnote in this source states: "The frequently cited 7546m elevation should be replaced by the newer 7509m elevation that appears on Chinese maps, and is more compatible with SRTM.""China II: Sinkiang - Xinjiang". Footnote#9. Peaklist.org. Retrieved 2014-05-26.
  3. ^ Witzel, Michael (2012). “Vedic Gods (Indra, Agni, Rudra, Varuṇa, etc.)”. Brill's Encyclopedia of Hinduism. Brill 
  4. ^ N. O. Arnaud; M. Brunel; J. M. Cantagrel; P. Tapponnier (1993). “High cooling and denudation rates at Kongur Shan, Eastern Pamir (Xinjiang, China)”. Tectonics 12 (3): 1335–1346. doi:10.1029/93TC00767. 

情報源

[編集]
  • Jill Neate, High Asia: An Illustrated History of the 7000 Metre Peaks, ISBN 0-89886-238-8.
  • Himalayan Index

外部リンク

[編集]