ウルトラ・プロミネント峰
ウルトラ・プロミネント峰(ウルトラプロミネントほう、英語: ultra-prominent peak)とは、プロミネンスが1500メートル以上ある山である。単にウルトラ(英語: ultra)とも言う。地球上には1515座のウルトラが存在する[1]。
マッターホルンやアイガーのような高峰であっても、ウルトラであるとは限らない。これらの山は、より標高の高い山と高所の鞍部で接続されているため、プロミネンスが低くなっているためである。
「ウルトラ」という言葉は地球科学者のスティーヴン・フライがワシントン州の山のプロミネンスの研究で1980年代から使い始めたものである。彼が使っていたのは"ultra major mountain"という言葉で、プロミネンスが5000フィート(1524メートル)以上の山を指していた[2]。
分布
[編集]世界には1515座のウルトラが存在している。そのうち649座がアジア、355座が北アメリカ、209座が南アメリカ、119座がヨーロッパ(コーカサスを含む)、84座がアフリカ、69座がオーストララシア、43座が南極にある[1] 。
世界の高峰のほとんどはウルトラである。その中にはエベレスト、K2、キリマンジャロ、モンブラン、オリンポス山が含まれる。しかし、アイガーやマッターホルンはプロミネンスが低いためウルトラではない。多くのウルトラが、人があまり訪れない荒れ果てた場所にある。例えば、グリーンランドの39座のウルトラ、北極地方の島々(ノヴァヤゼムリャ、ヤンマイエン島、スピッツベルゲン島)の最高地点、ヒマラヤ山脈の136座のウルトラなどである。ブリティッシュコロンビア州にあるいくつかのウルトラには、一般に認められる名前がついていない。
いくつかのウルトラは未踏峰である。サウイル・スオタシ(木斯島山)、サイプル山、ガンカー・プンスムは、世界で最も登頂困難な未登頂のウルトラの候補に挙げられる[2][3]。
七大陸最高峰は、その大陸にその山より高い山がないという事実により、全てウルトラである。七大陸最高峰のプロミネンスの基準となるkey colの高さはほぼ海面の高さに近く、海抜とプロミネンスがほぼ同じ値になっている。全ての七大陸最高峰のkey colが海面と一致しないのは、いくつかの大陸が陸続きになっているためである。
ウルトラの一覧
[編集]全般
[編集]- 世界の山一覧 (プロミネンス順) - 世界のプロミネンスの高い山125座が掲載されている。
- 島の最高地点の一覧 - 世界の最高地点の高い島75島が掲載されており、その最高地点は全てウルトラである。
ヨーロッパ(119座)
[編集]アジア(649座)
[編集]- en:List of Ultras of West Asia (88座)
- en:List of Ultras in Central Asia (75座)
- en:List of Ultras in the Western Himalayas(80座)
- en:List of Ultras in the Eastern Himalayas(57座)
- en:List of Ultras of Tibet, East Asia and neighbouring areas(112座)
- en:List of Ultras in Northeast Asia (53座)
- 日本のウルトラ・プロミネント峰の一覧 (21座)
- en:List of Ultras in Southeast Asia (42座)
- en:List of Ultras in the Philippines (29座)
- en:List of Ultras of Malay Archipelago(92座)
アフリカ(84座)
[編集]オセアニア(69座)
[編集]南極(43座)
[編集]北アメリカ(355座)
[編集]南アメリカ(209座)
[編集]脚注
[編集]- ^ a b Maizlish, A.. “The Ultra-Prominences Page”. Peaklist.org. 2016年9月24日閲覧。
- ^ a b Helman, Adam (2005). The Finest Peaks: Prominence and other Mountain Measures. Trafford. ISBN 1-4120-5994-1
- ^ Maizlish, A.. “Antarctic Ultra-Prominent Summits”. Peaklist.org. 2016年9月24日閲覧。 (See footnotes 3 and 10.)