ミリプラチン
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臨床データ | |
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販売名 | ミリプラ |
データベースID | |
CAS番号 | 141977-79-9 |
PubChem | CID: 9832045 |
ChemSpider | 8007775 |
KEGG | D06294 |
ChEBI | CHEBI:780F0P8N4I |
化学的データ | |
化学式 | C34H68N2O4Pt |
分子量 | 764.01 g·mol−1 |
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ミリプラチン(Miriplatin)は、白金系抗癌剤の一つである。脂溶性が高く、肝細胞癌の動脈塞栓療法(TACE)に用いられる。製剤は一水和物であり、専用の懸濁剤としてヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルが添付されている。
効能・効果
[編集]- 肝細胞癌におけるリピオドリゼーション
禁忌
[編集]下記の患者には禁忌とされている[1]。
- 白金を含む薬剤またはヨード系薬剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な甲状腺疾患のある患者
- 妊婦または妊娠している可能性のある婦人
副作用
[編集]ほぼ全例に発熱が現れる他、91%の患者にCRP上昇が、81%の患者に好酸球増多が、76%の患者にNAG上昇が見られる[1]。
重大な副作用として、下記のものが知られている。
- 肝機能障害(5〜10%)、黄疸、肝不全:AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビン、ALP、γ-GTPの上昇等
- 肝・胆道障害:胆嚢炎、胆汁性嚢胞、肝膿瘍等
- 感染症(1%未満)
- 骨髄抑制(1%未満):好中球減少等
- ショック、アナフィラキシー様症状
- 間質性肺炎
- 急性腎不全
薬物動態
[編集]患者の肝動脈内にミリプラチン懸濁液を1回または2回投与した場合、1回目は18~37日、2回目は7〜34日で最高血中濃度に達し、投与6〜8ヵ月後で31.0±6.4%、10〜14ヵ月後でも17.1±3.7%が検出された。
ミリプラチンは肝臓で高濃度に検出され、正常細胞よりも腫瘍細胞での濃度が高かった。白金量は投与1週間後まで殆ど減少することなく維持された[2][3]:24。
相互作用
[編集]参考資料
[編集]- ^ a b c “ミリプラ動注用70mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. PMDA. 2021年8月15日閲覧。
- ^ Hanada, Mitsuharu; Baba, Akemi; Tsutsumishita, Yasuyuki; Noguchi, Toshihiro; Yamaoka, Takashi; Chiba, Nobuyoshi; Nishikaku, Fumio (2009-07). “Intra-hepatic arterial administration with miriplatin suspended in an oily lymphographic agent inhibits the growth of tumors implanted in rat livers by inducing platinum-DNA adducts to form and massive apoptosis” (英語). Cancer Chemotherapy and Pharmacology 64 (3): 473–483. doi:10.1007/s00280-008-0895-3. ISSN 0344-5704. PMC 2691803. PMID 19104812 .
- ^ “ミリプラ動注用70mg インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. PMDA. 2021年8月15日閲覧。