ミラス (ミサイル)
種類 | 対潜ミサイル |
---|---|
製造国 | フランス/ イタリア |
性能諸元 | |
ミサイル直径 |
460 mm (ブースター装着状態1,060 mm) |
ミサイル全長 | 6 m |
ミサイル重量 | 800 kg |
弾頭 | MU90魚雷 |
射程 | 35 km (最大60 km) |
推進方式 |
ターボジェット・サステナー +固体ロケット・ブースター |
誘導方式 | 慣性誘導+指令誘導 |
飛翔速度 | 300メートル毎秒 |
ミラス(フランス語: MILAS)は、イタリアのオート・メラーラ社とフランスのマトラ社によって開発された対潜ミサイル[1][2]。
来歴
[編集]1970年代後半、フランス海軍が長距離対潜火力を廃して哨戒ヘリコプターを重視するという決定を覆した直後に、開発の検討が開始された。正式な開発要求は1985年に発出され、1987年の夏に本機の設計が採択された。了解覚書(MoU)は1987年9月に締結された[1]。
試作弾による最初の試射は1989年6月に行われた。1994年4月21日には、イタリア海軍の試験艦「カラビニエーレ」を用いて、完成弾による試射が行われた[1]。
設計
[編集]基本的には、やはり両社が共同開発したオトマートMk.2艦対艦ミサイルをもとに、弾頭を対潜用の短魚雷に換装したものとなっている。ミサイルの巡航高度は200mで、オトマートMk.2と同様に、飛翔中に目標情報の更新を受けることができる[1]。
フランス海軍は収束帯(CZ)による長距離探知に見合うスタンドオフ性能を求めていた。これに応じて、本機は35 kmの射程を備えており、この距離を3分で飛翔することができる。哨戒ヘリコプターが15分待機であったことを考えると、即応性の点では大きなアドバンテージであった。なお単純に直線距離で飛翔した場合の最大射程は60 kmに達する[1]。
目標の近傍に達してターボジェット・サステナーが消火すると、まず減速用パラシュートを開いて減速、短魚雷を切り離す。短魚雷は姿勢制御・降下用パラシュートを開いて、姿勢を整えて着水、音響ホーミングによって敵潜水艦を捕捉・追尾を開始する[2]。長距離射程での目標捕捉公算は15%程度とされている[1]。
なお弾頭として用いられる短魚雷は、やはり両国が共同開発したMU90「インパクト」が標準であるが、イギリスのスティングレイやアメリカ合衆国のMk.46への換装も可能である[2]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. pp. 664-665, 672-673. ISBN 9781557502681
- ^ a b c 「世界の艦載兵器」『世界の艦船』第811号、海人社、2015年1月、139頁、NAID 40020297435。