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ミラシジウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ミラシジウム: miracidium)あるいはミラキディウムは、吸虫二生類において卵殻内に形成される幼生。「幼若なもの」を意味するギリシア語 meirakídion の近世ラテン語形より命名。

概要

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幼生には体表を被う表皮細胞には繊毛があり、消化管を欠くが、眼点分泌腺神経節原腎管を有し、また体壁に大型の胚細胞が多数存在する。二生類のアロイオゲネシスと呼ばれる複雑な生活史における第一代の幼生である。

吸虫の種類により、成虫の子宮内の卵内で、すでに産卵前にミラシジウムが形成されている種(日本住血吸虫横川吸虫肝吸虫、膵蛭など)と、産卵後に宿主の体外に出てから外界における刺激により発生が進み、ミラシジウムを形成する種(棘口吸虫、肺吸虫肝蛭、双口吸虫など)がある。

卵殻を脱出して水中に泳ぎだすと、種特異的に第一中間宿主となる特定の種類の巻貝の体表から組織内に潜入して寄生を開始する。続いて繊毛衣を脱ぎ捨てて次代の幼生であるスポロシストに変態する。なかには肝吸虫や横川吸虫のように、水中ではなく、卵殻に包まれた状態で宿主の巻貝に摂食され、消化管内で卵殻から脱出する種類もある。

関連項目

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参考文献

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  • 石井敏雄 『獣医寄生虫学・寄生虫病学(2)蠕虫 他』 講談社サイエンティフィク 1998年 ISBN 4061537172
  • 小学館ランダムハウス英和大辞典編集委員会編 『小学館ランダムハウス英和大辞典 パーソナル版』 小学館 1979年
  • 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
  • 山田常雄ほか編 『岩波 生物学辞典 第3版』 岩波書店 1983年 ISBN 4000800183
  • 八杉龍一ほか編 『岩波 生物学辞典 第4版』 岩波書店 1996年 ISBN 4000800876
  • 吉田幸雄 『図説人体寄生虫学 第4版』 南山堂 1991年 ISBN 4525170247