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ミスター・タンブリン・マン (バーズのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ミスター・タンブリン・マン』
Mr. Tambourine Man
ザ・バーズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1965年1月2日 (1965-01-02)、3月8日 - 4月22日
ジャンル フォーク・ロック
時間
レーベル コロムビア・レコード
プロデュース テリー・メルチャー
ザ・バーズ アルバム 年表
  • ミスター・タンブリン・マン
  • (1965年 (1965)
『ミスター・タンブリン・マン』収録のシングル
  1. ミスター・タンブリン・マン
    リリース: April 12, 1965
  2. All I Really Want to Do
    リリース: June 14, 1965
テンプレートを表示

ミスター・タンブリン・マン』 (Mr. Tambourine Man) は、アメリカのロックバンド、ザ・バーズによる初のスタジオ・アルバム

概要

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1965年6月21日にコロムビア・レコードから発売された[1]。本作は、ジム・マッギン[nb 1]リッケンバッカー12弦ギターによるバーズ特有のサウンドと、バンドの複雑なハーモニーが特徴である[2]。アルバムの素材は、主にボブ・ディランが作曲したフォーク・ソングのカバー曲と、メンバーのジーン・クラークが書いた、または共作した自作曲で構成されている[3]。ディランが書いた同名のシングルと同時に「ミスター・タンブリン・マン」はバンドを国際的に成功したミュージシャンとして確立し、ビートルズに代表されるブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれるバンドのチャート支配に対する最初の効果的なアメリカの挑戦を代表するものとして批評家から広く認められている[3]

本作はビルボード・トップLPチャートで6位に達し、英国では7位に達した。どちらのチャートでも、バンドで最も成功したアルバムである[4][5]。シングル「ミスター・タンブリン・マン」は1965年4月にアルバムに先立って発売され、ビルボード・ホット100UKシングル・チャートで1位になった[5][6]。2枚目のシングル「オール・アイ・リアリー・ウォント・トゥ・ドゥ」もディランのカバーであり、アメリカでも一定の成功を収めたが、イギリスではトップ10に到達した[5][6]

1965年1月20日、バンドはハリウッドのコロムビア・レコーディング・スタジオに入り、当時未発表だったボブ・ディランの曲「ミスター・タンブリン・マン」をデビュー・シングルとして録音した。 バンドが技術的に成熟していないと考えた音楽プロデューサーのテリー・メルチャーは、ロサンゼルスセッション・ミュージシャンたちを招聘し、シングル曲の演奏を代行させた[7][8]。その結果、マッギンは「ミスター・タンブリン・マン」とクラークが書いたB面の「アイ・ニュー・アイド・ウォント・ユー」で演奏した唯一のメンバーとなった[8]。このシングルは1965年4月に発売されてすぐにヒット[9]、米国ビルボード・ホット 100チャートと英国シングル・チャートの両方で1位になった[6][5]。さらに、バーズとメルチャーが「ミスター・タンブリン・マン」に与えたエレクトリック・ロック・バンドの扱いは、フォーク・ロックの確立に大きく貢献した[10][11]

バンドの演奏能力はデビュー・シングルの録音後に改善されたが、コロムビアとバンドの経営陣の両方が、デビュー・アルバム全体がセッション・ミュージシャンにより録音されると想定していた[12]。しかしメンバーは、アルバムに自らの演奏を録音するよう強く主張した[12]。アルバムの制作が始まるまでに、メルチャーは、グループが充分なクオリティーのバッキングを制作できるようにサウンドを磨き上げたことに満足し、バーズはアルバムの残りの部分をスタジオ・ミュージシャンで無く、自分達で録音することを許可した[13]。しかし、本作については、すべての演奏がスタジオ・ミュージシャンによって行われたという噂が根強く広まっている(これは、「ミスター・タンブリン・マン」のシングルとアルバムとの混同によるものと思われる)[3]。クリス・ヒルマンはインタビューで、セッション・ミュージシャンをフィーチャーした2つのトラック ("Mr. Tambourine Man"と"I Knew I'd Want You") のより洗練されたサウンドと、アルバムの残りの部分のサウンドとのコントラストが非常に顕著であると述べている[14]。録音は1965年4月22日に完了した。

トラックリスト

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CDライナー・ノーツおよびSo You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965-1973)からの適応[7]。トラック番号は、アルバムのCDおよびデジタル・リリースを示している。

Side one
#タイトル作詞・作曲時間
1.ミスター・タンブリン・マンBob Dylan
2.すっきりしたぜGene Clark
3.スパニッシュ・ハーレム・インシデントBob Dylan
4.もう泣かないでGene Clark, Jim McGuinn
5.もう君はいないGene Clark
6.リムニーのベルIdris Davies, Pete Seeger
合計時間:
Side two
#タイトル作詞・作曲時間
1.オール・アイ・リアリー・ウォントBob Dylan
2.君はボクのものGene Clark
3.イッツ・ノー・ユースGene Clark, Jim McGuinn
4.自信をもってJackie DeShannon
5.自由の鐘Bob Dylan
6.また会いましょうRoss Parker, Hughie Charles
合計時間:
  • Sides one and two were combined as tracks 1–12 on CD reissues.
1996年CD再発ボーナス・トラック
#タイトル作詞・作曲時間
13.シー・ハズ・ア・ウェイGene Clark
14.すっきりしたぜ(オルタネイト・ヴァージョン)Gene Clark
15.イッツ・ノー・ユース(オルタネイト・ヴァージョン)Jene Clark, Jim McGuinn
16.もう泣かないで(オルタネイト・ヴァージョン)Jene Clark, Jim McGuinn
17.オール・アイ・リアリー・ウォント(シングル・ヴァージョン)Bob Dylan
18.君とボク(インストゥルメンタル)Gene Clark, Jim McGuinn, David Crosby

レコーディング・メンバー

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バーズ
サポート・ミュージシャン

リリース履歴

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日付 ラベル フォーマット カタログ ノート
1965年6月21日 コロムビア・レコード
LP
アメリカ
CL 2372 オリジナル・モノ・リリース。
CS 9172 オリジナル・ステレオ・リリース。
1965年8月20日 CBS
LP
イギリス
BPG 62571 オリジナル・モノ・リリース。
SBPG 62571 オリジナル・ステレオ・リリース。
1970年 コロムビア・レコード
LP
アメリカ
465566 1
1974年 Embassy
LP
イギリス
EMB 31057
1974年 CBS / Embassy
LP
イギリス
S 31503
1975年 CBS
LP
イギリス
S 33645 2ndアルバムとのダブル・アルバム・ステレオ・リイシュー
1987年 コロムビア・レコード
アメリカ
CK9172 オリジナルCD発売。
1989年 CBS
CD
ヨーロッパ
465566 2
1993年 コロムビア・レコード
CD
イギリス
COL 468015
1996年4月30日 コロンビア / レガシー
CD
アメリカ
CK 64845 部分的にリミックスされたステレオ・アルバムと6つのボーナス・トラック。
1996年5月6日
イギリス
COL 483705
1999年 Simply Vinyl
LP
イギリス
SVLP 0032 部分的にリミックスされたステレオ・アルバムの再発。
2003年 ソニー
CD
日本
MHCP 66 ボーナス・トラック6曲と部分的にリミックスされたステレオ・アルバムをレプリカLPスリーブに収めた再発盤。
2004年 ソニー / BMG
CD
イギリス
4837055003 6つのボーナス・トラックと部分的にリミックスされたステレオ・アルバムを含むVinyl Classicsのリイシュー。
2006年2月7日 コロンビア / モバイル・フィデリティ・サウンド・ラボ
SACD (ハイブリッド)
アメリカ
UDSACD 2014 モノ・アルバムとステレオ・ボーナス・トラックの再発売。
2006年2月21日 サンデイズ
LP
アメリカ
LP5197 オリジナル・モノ・リリースの復刻版。
2009年2月10日 ソニー / コロンビア
CD
アメリカ
743323 ロデオの恋人』CD2枚が再発売され、6つのボーナス・トラックと部分的にリミックスされたステレオ・アルバムが含まれる。

脚注

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  1. ^ Rogan, Johnny (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. p. 545. ISBN 0-9529540-1-X 
  2. ^ Unterberger. “Mr. Tambourine Man album review”. AllMusic. Rovi Corp. 2009年9月21日閲覧。
  3. ^ a b c Unterberger. “The Byrds Biography”. AllMusic. Rovi Corp. 2009年11月2日閲覧。
  4. ^ Whitburn, Joel (2002). Top Pop Albums 1955-2001. Record Research Inc. p. 121. ISBN 0-89820-147-0. https://archive.org/details/joelwhitburnstop00whitbu/page/121 
  5. ^ a b c d Brown, Tony (2000). The Complete Book Of The British Charts. London: Omnibus Press. p. 130. ISBN 0-7119-7670-8 
  6. ^ a b c Whitburn, Joel (2008). Top Pop Singles 1955-2006. Record Research Inc. p. 130. ISBN 978-0-89820-172-7 
  7. ^ a b Hjort, Christopher (2008). So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965-1973). Jawbone Press. pp. 24–31. ISBN 978-1-906002-15-2 Hjort, Christopher (2008). So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965-1973). Jawbone Press. pp. 24–31. ISBN 978-1-906002-15-2.
  8. ^ a b Einarson, John (2005). Mr. Tambourine Man: The Life and Legacy of the Byrds' Gene Clark. Backbeat Books. pp. 56–57. ISBN 0-87930-793-5 
  9. ^ Maury, Dean (2003). Rock 'n' Roll Gold Rush: A Singles Un-Cyclopedia. Algora Publishing. p. 200. ISBN 0-87586-207-1 
  10. ^ Hoffman, Frank (2004). Encyclopedia of Recorded Sound (2nd ed.). Routledge. p. 148. ISBN 0-415-93835-X 
  11. ^ Unterberger. “Folk Rock: An Overview”. Richieunterberger.com. 2010年3月15日閲覧。
  12. ^ a b Roagn, Johnny (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. pp. 74–75. ISBN 0-9529540-1-X 
  13. ^ Rogan, Johnny (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. p. 618. ISBN 0-9529540-1-X 
  14. ^ Chris Hillman Interview”. Richie Unterberger's Unknown Legends. Laughing Squid. 2009年9月21日閲覧。

nb

[編集]
  1. ^ Roger McGuinn was born James Joseph McGuinn III and initially used the name Jim McGuinn in his professional music career. He changed his first name to Roger in 1967, during his involvement with Subud, an international spiritual movement.

外部リンク

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