マルミミゾウ
マルミミゾウ | |||||||||||||||||||||||||||
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マルミミゾウ Loxodonta cyclotis
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Loxodonta cyclotis Matschie, 1900[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
マルミミゾウ[3] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
African forest elephant[1][2] Forest elephant[1] | |||||||||||||||||||||||||||
マルミミゾウ(丸耳象[4]、学名: Loxodonta cyclotis)は、哺乳綱長鼻目ゾウ科アフリカゾウ属に分類されるゾウの一種。
分布
[編集]アフリカ大陸にある以下の諸国。
アンゴラ、ガーナ、ガボン、カメルーン、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、赤道ギニア、セネガル、中央アフリカ共和国、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、南スーダン、リベリア[1]。ガンビアでは絶滅[1]。
形態
[編集]大きさは違うが、外見はアフリカゾウと酷似する。
体長400 - 600センチメートル。尾長160 - 150センチメートル。肩高240センチメートル。体重2,700 - 6,000キログラム。
門歯は下方へ伸び[5]、あまり湾曲しない[6]。耳介は小型で、丸みをおびる[6]。体格や外耳が小型なのは、障害物の多い森林内での移動に適していると考えられている。
蹄は前肢が5本、後肢は4本[5][6]。サバンナゾウ(「アフリカゾウ」の一亜種とされていた「マルミミゾウ」を独立種とした場合の、「マルミミゾウ」でないアフリカゾウ[7])(前肢4本、後肢3本)よりも一本ずつ多いと言われている。しかしながら両種とも蹄の数には変異があることが知られているため、必ずしも分類の決め手にはならない。
分類
[編集]形態や分子系統推定から独立種とする説もあるが、アフリカゾウの亜種とする説もある[2]。
以前はアフリカゾウの亜種とされていたが、近年はDNAの分析により別種とする説[8]が有力。
生態
[編集]熱帯雨林に生息する。普段は最年長のメスを中心とした最大でも10頭前後の小規模な群れで生活する。
食性は植物食で、植物の葉、枝、樹皮、果実等を食べる。ミネラルをとるために岩塩や泥を食べることもある。
繁殖形態は胎生。1回に1頭の幼獣を産む。
人間との関係
[編集]象牙目的の狩猟、人口増加に伴う農地開発などによる生息地の破壊などにより、生息数は激減している[1]。
日本では2021年の時点でぞう科(ゾウ科)単位で特定動物に指定され、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[9]。
現在 世界でも飼育個体はわずか3頭のみであり、その内、生息地外での飼育に至っては日本の広島市安佐動物公園でしか飼育されていない[10]。安佐動物公園では、ブルキナファソから移されて2001年から飼育しているメスの「メイ」(2024年8月時点で推定25歳)の繁殖を目指して、2022年から発情期に合わせて、山口県の秋吉台サファリランドにいるオスの「ダイ」を受け入れており、日本初の飼育下妊娠を確認したと2024年8月21日に発表した[11]。
人間に慣れないアフリカゾウと違い、ある程度は人間に慣れるため、北アフリカでは家畜化(主に戦象として使用)された時代もあった。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ Loxodonta africanaとして掲載
出典
[編集]- ^ a b c d e f g Gobush, K.S., Edwards, C.T.T, Maisels, F., Wittemyer, G., Balfour, D. & Taylor, R.D. 2021. Loxodonta cyclotis. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T181007989A181019888. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T181007989A181019888.en. Downloaded on 28 April 2021.
- ^ a b c Jejeskel Shoshani, "Order Proboscidea," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 90 - 91.
- ^ 川田伸一郎, 岩佐真宏, 福井大, 新宅勇太, 天野雅男, 下稲葉さやか, 樽創, 姉崎智子, 横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』58巻 別冊(日本哺乳類学会、2018年)1 - 53頁
- ^ 松村明; 三省堂編修所 編「まるみみぞう(丸耳象)」『大辞林 4.0』三省堂、2019年。
- ^ a b Richard F. W. Barnes 「ゾウ」犬塚典久訳『動物大百科4 大型草食獣』今泉吉典監修・D.W.マクドナルド編(平凡社、1986年)8-17頁
- ^ a b c 祖谷勝紀「最大の陸生動物」『動物たちの地球53 哺乳類II 5 ゾウ・サイ・シマウマほか』増井光子編著(朝日新聞社、1992年)132-137頁
- ^ “サバンナゾウ / Savanna Elephant|menu02_動物紹介|安佐動物公園 asazoo”. www.asazoo.jp. 広島市安佐動物公園. 2023年1月14日閲覧。
- ^ “アフリカゾウは1種ではなく2種、遺伝子研究で判明”. ロイター (Reuters.). (2010年12月22日) 2019年2月1日閲覧。[要出典科学]
- ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理) (環境省・2021年4月28日に利用)
- ^ 日本放送協会. “絶滅のおそれあるマルミミゾウの交尾確認 安佐動物公園|NHK 広島のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年5月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 『日本経済新聞』朝刊2024年8月22日社会面「絶滅危惧種のゾウ妊娠 広島の動物園、国内初」(共同通信配信記事)