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マトリシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マトリシン
識別情報
CAS登録番号 29041-35-8
PubChem 92265
日化辞番号 J286.506H
特性
化学式 C17H22O5
モル質量 306.35 g mol−1
外観 無色結晶[1][2]
融点

158–160 °C[1]

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

マトリシン(matricin)は、カモミールMatricaria recutita)の花に最大0.15%含まれる無色の結晶性物質である[2]。1957年に初めて単離された。

カモミールの花序はマトリシンを含む。

セスキテルペンラクトンとしての推定構造は1982年にNMR測定によって確認された。マトリシンは、水蒸気蒸留によって酢酸や水、二酸化炭素を失うとカマズレンとなり、抗炎症作用を示す[4]

カマズレンの生成

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水蒸気蒸留の間、マトリシン (1) は、まず酢酸と水を失い、カマズレン酢酸 (2) となる。さらに加熱すると脱炭酸によりカマズレン (3) が生成する。

マトリシンからのカマズレンの調製

出発物質のマトリシンは無色であるが、カマズレン酢酸および最終生成物のカマズレンは濃い青紫色である[2]

脚注

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  1. ^ a b Römpp CD 2006, Georg Thieme Verlag 2006.
  2. ^ a b c Rudolf Hänsel, Otto Sticher: Pharmakognosie - Phytopharmazie. 9. Auflage, Springer, Heidelberg 2009, ISBN 978-3-642-00962-4, S. 999–1004.
  3. ^ Shmuel Yannai(Hrsg.): Dictionary of food compounds with CD-ROM: additives, flavors, and ingredients. Chapman & Hall/CRC Press, 2004, ISBN 978-1-58488-416-3, S. 323.
  4. ^ V. Jakovlev, O. Isaac, E. Flaskamp: Pharmakologische Untersuchungen von Kamillen-Inhaltsstoffen – Untersuchungen zur antiphlogistischen Wirkung von Chamazulen und Matricin, Planta medica, Vol. 49, 1983, 67–73.