マクラガイ属
マクラガイ属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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Lettered olive ユメマクラ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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マクラガイ属はマクラガイ科に属する巻貝。貝殻は高さ約5cm以下の円筒形ないし紡錘形で、光沢があって美しい。
遺伝子系統
[編集]マクラガイ属関連の遺伝子系統分岐図の一例を下に示した[3]。
マクラガイ科 |
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Olividae |
分布
[編集]K-Pg境界以後に出現した比較的新しい部類の種族で[1]、主に熱帯インド太平洋を中心とした浅海の砂底に生息するが、パナマ地峡が閉じる前から周辺に分布していたことからアメリカ大陸熱帯域の両岸にも生息する[4]。インド太平洋では佐渡以南[5]、アメリカ大陸大西洋沿岸ではノースカロライナ以南に分布する[6]。
種類
[編集]主な種として以下が知られている[7][5][8]。産地の国名を記した種はロッテルダム自然史博物館の標本による[4]。なお※印を付した種は遺伝子系統未確認。
- Oliva amethystine (Röding, 1798) フィリピン産。
- Oliva annulate (Gmelin, 1791) (nomen dubium) サツマビナ(タカサゴビナ)。紀伊半島以南[9]。※
- Oliva baileyi Petuch, 1979 ソロモン諸島
- Oliva bulbiformis Duclos, 1835 コモンマクラ。フィリピン以南、インド洋-西太平洋。殻幅が膨らむ。
- Oliva caerulea (Röding, 1798) カネコマクラ。紀伊半島以南、インド洋-西太平洋[10]※
- Oliva carneola (Gmelin, 1791) ヒナマクラ。紀伊半島以南。
- Oliva caroliniana Duclos, 1835 キャロルマクラ。Carmione セキトリマクラ亜属。マダガスカル[8]。
- Oliva chrysoplecta Tursch & Greifeneder, 1989
- Oliva concavospira G. B. Sowerby III, 1914 ヘコミマクラ 奄美諸島以南。
- Oliva dubia Schepman, 1904 オボロマクラ。フィリピン、水深70m。
- Oliva esiodina Duclos, 1844 サラサマクラ。インド太平洋。螺塔が高い。※
- Oliva funebralis Lamarck, 1811 (nomen dubium) クロフマクラ。フィリピン以南。※
- Oliva hirasei Kuroda & Habe, 1952 クチジロマクラ。紀伊半島以南。
- Oliva ispidula Fischer, 1807 クチグロマクラ。紀伊半島以南[11][12]。※
- Oliva intricate Dautzenberg, 1927 タカサゴマクラ。奄美諸島以南[13]。※
- Oliva irisans Lamarck, 1811 ヌメリマクラ。九州以南。※
- Oliva lacanientai Greifeneder & Blöcher, 1985 エミマクラ。紀伊半島、ニューカレドニア、水深100-200m, 小型で螺塔が高い[14]。
- Oliva leonardhilli Petuch & Sargent, 1986 アフリカマクラ。マダガスカル
- Oliva mantichora Duclos, 1835 マダガスカル。
- Oliva miniacea (Röding, 1798) ジュドウマクラ。紀伊半島以南。
- Oliva mustelina Lamarck, 1811 マクラガイ。佐渡・房総以南、インド太平洋。
- Oliva multiplicata Reeve, 1850 サナギマクラ。奄美諸島以南。
- Oliva nitidula Duclos, 1835 西太平洋、螺塔が高い。初期に分岐。
- Oliva nivosa Marrat, 1871[15]※
- Oliva oliva (Linnaeus, 1758) ハイイロマクラ。インド洋-西太平洋[16]。
- †Oliva osawanoensis Tsuda 富山県、中新世[17]
- Oliva parkinsoni Prior, 1975 パーキンソンマクラ。ソロモン諸島、螺塔が高い。
- Oliva porphyria (Linnaeus, 1758) ニシキマクラ。西メキシコ~ペルー北部、水深約100m, イモガイのような柄模様。
- Oliva reticularis Lamarck, 1811 “Brown olive”. 西インド諸島からノースカロライナルックアウト岬にかけて[6]。※
- Oliva reticulata (Röding, 1798) スソベニマクラ(クチベニマクラ)。沖縄諸島以南、インド太平洋。※
- Oliva rufula Duclos, 1835 イレズミマクラ。Carmione セキトリマクラ亜属。フィリピン[8]。※
- Oliva sayana Ravenel, 1834 “Lettered olive”. ユメマクラ。ブラジルからノースカロライナ[18][6][8]。サウスカロライナ州の貝。
- Oliva semmelinki Schepman, 1891 パプアニューギニア、水深80m、螺塔が高い。
- Oliva sericea (Röding, 1798) オオジュドウマクラ。奄美諸島以南。
- Oliva spicata (Röding, 1798) メキシコ・パナマ、水深20-30m。
- Oliva tessellate Lamarck, 1811 ルリグチマクラ。奄美諸島以南。※
- Oliva todosina Duclos, 1835 インド-西太平洋
- Oliva tricolor Lamarck, 1811 サンシキマクラ。熱帯インド太平洋[8]※
- Oliva vidua (Röding, 1798) イロガワリマクラ。熱帯インド太平洋[8]※
生態
[編集]潮間帯から浅い海の砂底に少しもぐって棲み、二枚貝・キサゴや小さい甲殻類を広い足で抱き込んで砂中に引きずり込んでゆっくりと食べる。死肉に群がることもある。嗅覚で獲物を感知し、砂底に半分潜りながら広い足を前後に伸縮させて比較的速く移動する。その際、砂上に痕跡を残す。水管を前方上方に突き出す。蓋はもたない[18][16]。他の小動物が豊富に棲むきれいな砂底でくらすため、近年減少して準絶滅危惧種に指定される場合がある[19]。
貝殻
[編集]砂底でもぐったり移動したりしやすいように、円筒形または紡錘形。螺塔は尖るが高くなく、日本産のマクラガイではほとんど出ない個体もある。従って開口部・体層の幅は殻の高さに近い[19]。殻頂付近の螺層縫合部は凹んで溝になる種が多い。この溝は開口部外唇の上端から始まるため、上端にV字型の切込みが見られる種がある。開口部は弱く開き外唇は厚いが、内側の軸層は成長にともなって再吸収されるため薄い[20]。台湾産の種では軸唇に多数の螺溝が刻まれる。タカラガイのように広い足で側面がおおわれるため、殻の表面は平滑で光沢があって、殻皮はない。前端(下端)に水管溝はなく、水管を出す開口部下端は凹んで背側に斜めに開く。模様や色彩は変化に富み美しい。外唇部内面が淡い紫色や橙色を帯びた種がある[5]。
出典
[編集]- ^ a b “Oliva”. fossilworks. 2022年10月9日閲覧。
- ^ “Olividae”. WoRMS. 2022年10月9日閲覧。
- ^ Yu. I. Kantor, A. E. Fedosov, N. Puillandre, C. Bonillo and P. Bouchet (2016). “Returning to the roots: morphology, molecular phylogeny and classification of the Olivoidea (Gastropoda: Neogastropoda)”. Zoological Journal of the Linnean Society 180: 493-541.
- ^ a b “Olividae”. Natural History Museum Rotterdom. 2022年10月9日閲覧。
- ^ a b c 奥谷喬司『世界文化生物大図鑑『貝類』 p.172』世界文化社、2004年。ISBN 4-418-04904-5。
- ^ a b c “Seashells of North Carolina” Hugh J. Porter & Lynn Houser p.88 Olividae UNC-SG-97-03. (1994)
- ^ 波部忠重・小菅貞男 (1966). 原色世界貝類図鑑(II)熱帯太平洋編 p.70. 保育社
- ^ a b c d e f “Olividae”. 微小貝データベース. 2022年10月9日閲覧。
- ^ “Oliva (Annulatoliva) annulata (Gmelin, 1791)”. gbif. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “カネコマクラ”. 微小貝データベース. 2022年10月10日閲覧。
- ^ Cob Z.C., Samat A., Muda W.M.L.W., Mazlan A.G. (2012). “Preliminary checklist of marine invertebrate fauna within the intertidal of Teluk Penyabong and Teluk Gorek, Mersing, Johor, Malaysia”. Journal of Tropical Marine Ecosystem 1: 1-14 .
- ^ “クチグロマクラ”. 微小貝データベース. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “Oliva intricata”. WoRMS. 2022年10月9日閲覧。
- ^ “エミマクラ”. 微小貝データベース. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “Oliva nivosa”. Meta. 2022年10月9日閲覧。
- ^ a b “Olive snail”. Neo Mei Linらwildsingapore. 2022年10月9日閲覧。
- ^ “Oliva osawanoensis”. 京都大学総合博物館. 2022年10月9日閲覧。
- ^ a b E. & Ev. Marcus (1959). “Studies on Olividae”. Bol. Fat. Filos. Cienc. Let. Univ. Slo Paulo Ser. Zool. 22: 99-188 .
- ^ a b “愛知県準絶滅危惧マクラガイ”. 木村昭一ら. 2022年10月9日閲覧。
- ^ 佐々木猛智 (2010). “新腹足目”. 貝類学. 19. 東京大学出版会. pp. 86-183. ISBN 978-4130601900
外部リンク
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