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マイケル・ティンカム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Michael Tinkham
生誕 1928年2月23日
ウィスコンシン州、グリーンレイク郡
死没 2010年11月4日(2010-11-04)(82歳没)
オレゴン州、ポートランド
居住 アメリカ合衆国
国籍 アメリカ合衆国
研究分野 凝縮系物理学
研究機関 ハーバード大学
カリフォルニア大学バークレー校
出身校 MIT
博士課程
指導教員
M. W. P. Strandberg
主な受賞歴 オリバー・E・バックリー凝縮系賞 (1974)
Fred E. Saalfeld Award for Outstanding Lifetime Achievement in Science (2005)
プロジェクト:人物伝
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マイケル・ティンカム(Michael Tinkham、1928年2月23日 - 2010年11月4日)は、アメリカの物理学者。物理学のランフォード教授職やハーバード大学の応用物理学の Gordon McKay Research Professorを務めた[1]超伝導に関する業績で最もよく知られる[2][3][4][5][6]

専門における経歴

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育った場所近くにあるリポン大学で学び(1951年に学士)、その後マサチューセッツ工科大学で学んだ(1951年に修士、1954年にPhD取得)。1954年から55年までの間オックスフォード大学のクラレンドン研究所にいた。1955年にカリフォルニア大学バークレー校に進み、1957年に助教授となり、後に教授となった。1966年にハーバード大学の教員となった。1978年から79年までの間、カールスルーエ工科大学のHumboldt U.S. Senior Scientistであった。超伝導を専門としており、1975年に古典的な教科書を出版した[5]。後にナノワイヤやカーボンナノチューブなど、試料の寸法がナノメートル範囲にある材料特性を研究対象とした。

1970年、米国科学アカデミーの会員となり、1974年にオリバー・E・バックリー凝縮系賞を受賞した。1977年リヒトマイヤー記念賞受賞。2005年にはFred E. Saalfeld Award for Outstanding Lifetime Achievement in Scienceを受賞した[7]。Journal of Superconductivityにおいて同僚らからその業績に栄誉が与えられた。

超伝導への業績

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1956年、同僚のポスドクRolfe Gloverとともに超伝導体の光吸収スペクトルの急激な上昇という形で、エネルギー準位の連続分布におけるエネルギーギャップの直接的な証拠を発見した[2]。観測された吸収スペクトルはジョン・バーディーンBCS理論のコヒーレンス係数の直接的な結果であり、他の観測とともにBCS理論の最初で本質的な実験的確認を提供した。

また、超伝導体の巨視的な量子的振る舞いを研究し、超伝導体に電流が流れているときに異なるエネルギー準位間の遷移が起こる条件を調査した。

脚注

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  1. ^ Michael Tinkham, superconductivity pioneer, passes away at 82, Harvard School of Engineering and Applied Sciences.
  2. ^ a b Beasley, M. (2010). “Michael Tinkham (1928–2010)”. Nature 468 (7325): 766. Bibcode2010Natur.468..766B. doi:10.1038/468766a. PMID 21150984. 
  3. ^ Ginsberg, D. M. (2004). “Recollections: Michael Tinkham: The Early Years”. Journal of Superconductivity 17 (5): 673–674. Bibcode2004JSup...17..673G. doi:10.1007/s10948-004-0780-1. 
  4. ^ Ralph, D. (1999). “In Honor of Professor Michael Tinkham's 70th Birthday”. Journal of Superconductivity 12 (3): 529–530. Bibcode1999JSup...12..529R. doi:10.1023/A:1007736302349. 
  5. ^ a b Tinkham, Michael (2004). Introduction to Superconductivity. Dover Publications. ISBN 0-486-43503-2 
  6. ^ Tinkham, Michael (2003). Group Theory and Quantum Mechanics. Dover Publications. ISBN 0-486-43247-5 
  7. ^ Clarke, John (2015). Michael Tinkham, 1928-2010 (Biographical Memoirs). National Academy of Sciences. pp. 2–3. http://www.nasonline.org/publications/biographical-memoirs/memoir-pdfs/tinkham-michael.pdf 15 January 2016閲覧。