ボーア効果
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ボーア効果(ボーアこうか、英語: Bohr effect)とは、血液内の二酸化炭素量の変化による赤血球内のpHの変化によりヘモグロビンの酸素解離曲線が移動すること。生理学者クリスティアン・ボーア(ニールス・ボーアの父)により発見された。ヘモグロビンの酸素解離曲線がpHの低下や温度上昇などの変化によって右方変移することで末梢で酸素を解離しやすくなり、pHの上昇や温度低下などで左方変移することで結合しやすくなる効果である[1]。
概要
[編集]赤血球に取り込まれた二酸化炭素と水は炭酸脱水酵素により重炭酸イオンとプロトンに解離され、赤血球内のpHが低下することでヘモグロビンの酸素親和性が低下しヘモグロビンは酸素を解離しやすくなる(酸素解離曲線の右方変移)。逆に二酸化炭素の少ない環境では赤血球は重炭酸イオンとプロトンから二酸化炭素と水をつくり二酸化炭素を放出することで、赤血球内のpHは上がりヘモグロビンの酸素親和性が増加するのでヘモグロビンは酸素と結合しやすくなる(酸素解離曲線の左方変移)[1]。
pHの低下以外には温度上昇、2,3-ビスホスホグリセリン酸塩(2,3-BPG)濃度上昇によりヘモグロビンの酸素解離曲線は右方変移を起こす。逆に、pHの上昇、温度低下、2,3-BPG濃度低下はヘモグロビンの酸素解離曲線の左方変移を引き起こす。
参考文献
[編集]- 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版社 1991年 ISBN 4885006104