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ボウフウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボウフウ
唐慎微著『大観本草』より
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: ボウフウ属 Saposhnikovia [1]
: ボウフウ
S. divaricata [2]
学名
Saposhnikovia divaricata (Turcz.) Schischk. (1951) [2][3]
シノニム
和名
ボウフウ

ボウフウ(防風、Saposhnikovia divaricata)とはセリ科草本の一種。

中国北部からシベリア地方に自生する多年生草本である[8]。花期は8-9月頃で白い小花を咲かせる。

産地により種類がある[9]

  1. 関防風:中国中国東北部内蒙古河北山西山東省)など
  2. 川防風:中国(四川貴州
  3. 雲防風:中国(雲南

 日本に輸入されるのは、1. の関防風である。

生薬

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根および根茎が防風(ボウフウ)として生薬となり、発汗、解熱および鎮痛作用が認められる[8]。防風は日本薬局方にも収載されている。防風は十味敗毒湯防風通聖散などの漢方方剤に使われる。

内蒙古自治区などの野生採取品が多く流通していたが、乱獲等で減少し、中国産の栽培品が多く流通するようになった[8]

成分

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クロモン類のデルトイン、5-O-メチルビサナミノール、5-O-メチルビサナミノールグルコシド、シミブギン、シミブギングルコシド、ハマウドール、ハマウドールグルコシドを含む[9]

ボウフウの名を持つ植物

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やや大型で根の太いセリ科植物には、エゾボウフウイブキボウフウカワラボウフウボタンボウフウハマボウフウオランダボウフウ(アメリカボウフウ)など「○○ボウフウ」と名づけられたものが多い。

しかし、これらの植物はボウフウとは別属であり、薬として使用されることもなく(薬になる物もあるが薬効は防風とは異なる)、植物学的にも薬用としてもボウフウとは無関係である。

脚注

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  1. ^ 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2 
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Saposhnikovia divaricata (Turcz.) Schischk.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  3. ^ "'Saposhnikovia divaricata (Turcz.) Schischk.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 1702206. 2012年8月12日閲覧
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Saposhnikovia seseloides auct. non (Hoffm.) Kitag.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ledebouriella divaricata (Turcz.) M.Hiroe”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ledebouriella seseloides auct. non (Hoffm.) H.Wolff”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  7. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Siler divaricatum (Turcz.) Benth. et Hook.f.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  8. ^ a b c ボウフウ栽培マニュアル”. 奈良県農業研究開発センター. 2024年10月6日閲覧。
  9. ^ a b 難波恒雄; 富山医科薬科大学和漢薬研究所 (2007-11-30). 和漢薬の辞典 (新装版 ed.). 朝倉書店. pp. 279-280. ISBN 978-4-254-34008-2 

外部リンク

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