ホテルフォルクローロ
表示
ホテルフォルクローロは、東日本旅客鉄道(JR東日本)によるホテルチェーン「JR東日本ホテルズ」の長期滞在型ホテルのブランドである。
概要
[編集]JR東日本は、労働時間の短縮や週休2日制の定着によって余暇時間が拡大する中、海外旅行が急激に増加する一方で、国内旅行の空洞化が顕在化している状況を踏まえ、開発事業本部地域開発部を中心に、国内旅行に新しい動きを起こすためのプロジェクトチームを発足させた[1]。そして地元自治体と共同して沿線活性化、鉄道利用促進、観光事業の拡大などで国内旅行を活性化させるため、鉄道を利用した旅の拠点をコンセプトとし、自然に囲まれた長期滞在型の「ファミリーオ」シリーズと駅隣接地で周遊型の「フォルクローロ」シリーズを展開していくことを決定。1995年春には地方自治体のジョイントパートナー募集を実施し、呼びかけに応じた約60の候補地と交渉を開始した[2]。
ホテルフォルクローロは、1995年7月7日にJR釜石線遠野駅駅舎に開業したフォルクローロ遠野(2015年3月14日営業終了)を皮切りに、現在計5店舗を展開している。ホテル名の「フォルクローロ」は、エスペラント語で「民話」を意味する[3]。
2015年3月、ホテルのブランド名を「フォルクローロ」から「ホテルフォルクローロ」に改称した[4]。
特徴
[編集]ホテルフォルクローロの特徴として、駅へ併設、隣接されたB&B(bed & breakfast)スタイルのホテルということが基本となっている。部屋数や建物の外観などは、地域の特徴などに合わせ各施設により様々である。また、施設により部屋タイプ・宿泊料金が異なる。
営業中のホテル
[編集]- ホテルフォルクローロ花巻東和(盛岡ターミナルビル運営/開業日:1998年3月28日[5])
- 岩手県花巻市東和町安俵6-134
- ホテルフォルクローロ大湊(盛岡ターミナルビル運営/開業日:1998年7月10日[6])
- 青森県むつ市大湊新町7-20(JR大湊駅隣接)
- ホテルフォルクローロ高畠(JR東日本東北総合サービス運営/開業日:1997年10月8日[7])
- 山形県東置賜郡高畠町山崎200(JR高畠駅隣接)
- 鉄骨2階建。客室は26室、高畠駅に併設された温泉施設「太陽館」と渡り廊下でつながっている[8]。
- ホテルフォルクローロ角館(秋田ステーションビル運営/開業日:1997年3月22日[9])
- 秋田県仙北市角館町中菅沢14(JR角館駅隣接)
- 秋田新幹線開業と同時オープンした角館駅に隣接したJR東日本社宅跡地に武家屋敷風の外観で建設された周遊型のB&Bスタイルのホテルである。2階建。客室は26室。運営は同年7月11日に開業したファミリーオ田沢湖(2007年10月にJRは運営を撤退)と共に同社の連結子会社であったジェイアールアトリスが手掛けていた[10]。その後のJR東日本のグループ再編によって、運営は秋田ステーションビルに移管されている。2020年3月に開業した和のゐ 角館のフロント業務(チェックイン・チェックアウトなど)を手掛けている。
- ホテルフォルクローロ三陸釜石(盛岡ターミナルビル運営/開業日:2015年3月29日[11])
- 岩手県釜石市鈴子町22-4(JR釜石駅隣接)
営業が終了したホテル
[編集]- フォルクローロ白馬
- フォルクローロ遠野
売却されたホテル
[編集]- フォルクローロ松島
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 『東日本旅客鉄道株式会社二十年史 1987.4-2007.3』p.461 - 462
- ^ 『東日本旅客鉄道株式会社二十年史 1987.4-2007.3』p.462
- ^ フォルクローロ遠野 JR東日本ホテルズ
- ^ ホテル名称変更について(JR東日本ホテルズ公式サイトより)
- ^ a b 交通新聞 (交通新聞社): p. 4. (1998年4月1日)
- ^ “「フォルクローロ大湊」開業”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1998年7月14日)
- ^ “「フォルクローロ高畠」オープン”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 5. (1997年10月14日)
- ^ 「高畠町にファミリー層ねらい長期滞在型のホテル JR東日本」『朝日新聞山形版』1997年4月26日
- ^ “フォルクローロ角館 ファミリーオ雫石 開業日決まる”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1997年1月31日)
- ^ 「高速交通網の整備と観光産業へのインパクト 秋田新幹線こまち開業後の沿線観光地の動向」『レジャー産業資料』1997年11月号
- ^ 2015年3月29日 ホテルフォルクローロ三陸釜石オープン(東日本旅客鉄道盛岡支社 2014年12月19日)
- ^ 「JR東のホテルが釜石駅隣に開業 市内部屋数、震災前越す」『朝日新聞岩手版』2015年3月30日
- ^ 【宿泊レポ】ホテルフォルクローロ三陸釜石「SL銀河ルーム」 - 鉄道新聞・2021年12月5日
- ^ “「フォルクローロ遠野」好調”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1996年7月23日)
- ^ 「遠野駅舎、小規模に建て替えへ 2階ホテルも終了」『岩手日報』岩手日報社、2015年1月24日。オリジナルの2015年1月28日時点におけるアーカイブ。2015年2月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 東日本旅客鉄道株式会社編『東日本旅客鉄道株式会社二十年史 1987.4-2007.3』 東日本旅客鉄道、2007年。