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ペーパークロマトグラフィー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
解説図、上から順に Lid…ふた、Paper…濾紙
Solvent Front…溶媒先端、Solvent…溶媒

ペーパークロマトグラフィー: paper chromatography)または紙クロマトグラフィー[1]は、濾紙(フィルター)を用いる簡単なクロマトグラフィーである。濾紙の下端から数センチのところにキャピラリー(毛細管)でサンプルスポットし、アルコール類などの溶媒を用いて展開する。そこに発色試薬を噴霧するなどして、スポットが見えるようにする。

原理などは薄層クロマトグラフィー (TLC) と同じだが、展開に時間がかかり(数時間)、あまり使われない。ただし、でできているので、分離したスポットの部分を切り抜いて抽出し、他の実験に使うということもできる。展開方法によって、上昇法、下降法、二次元展開、多重展開など様々な方法がある。

濾紙を構成するセルロース自身が吸着剤担体として優れており、特に水を移動相とする分配クロマトグラフィーにおいて、親水性物質を容易確実に分離することができる。また、それ自身が溶剤のしみこむ毛管(キャピラリー)を持ち、TLC法のガラス板に相当する支持体が不要で、プレート上の固定相として独立している濾紙の機械的な特性、切り取りや折り曲げが可能な便利さがある。アミノ酸その他の親水性物質について、水を固定相とする分配クロマトグラフィーを行う場合には、性能や再現性が良好である。

脚注

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  1. ^ 文部省日本遺伝学会学術用語集 遺伝学編』(増訂版)丸善、1993年。ISBN 4-621-03805-2http://dbr.nii.ac.jp/infolib/meta_pub/G0000120Sciterm 

関連項目

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