ベペルミノゲン ペルプラスミド
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ベペルミノゲン ペルプラスミド[1](Beperminogene perplasmid、商品名:コラテジェン筋注用 4mg)は、慢性動脈閉塞症の治療に使用されるDNA医薬品である。アンジェス株式会社が開発し[2]、2018年1月に承認申請して2019年3月に条件及び期限付き承認[注釈 1]を取得し[3]、2023年5月に製造販売本承認を申請したが[4]、同年6月に申請を取り下げ[5]、自主回収し販売が終了した。
2024年7月現在、米国での後期第II相臨床試験の結果が良好であったとして、新たな製造販売承認申請を年内に提出するとしている[5]。2024年9月18日、アンジェスはベペルミノゲン ペルプラスミドが FDAからブレークスルー・セラピーに指定されたと発表した[6][7][8]。
この動きにより、薬事審議会で正式に議論されず[9]有効性が確認されていない医薬品“候補”を公的医療保険の対象とすることについて疑義が呈され、「保険診療と保険外診療の併用を認める保険外併用療養費制度の対象範囲」の見直しの動きに繋がった[10]。
効能
[編集]標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善
作用機序
[編集]ベペルミノゲン ペルプラスミドはヒト肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子を組み込んだ環状二本鎖DNAである。筋肉内注射後にHGFが生成され、その血管新生作用により塞栓部を迂回する血管が発達して、虚血肢の症状が緩和される[11]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 遺伝子治療等の「再生医療等製品」に対する早期承認制度であり、2014年11月施行に施行された。安全性が認められ有効性が推定される再生医療等製品を、条件や期限を設けた上で早期承認し、製造販売後調査で有効性(と安全性)を確認させる。
出典
[編集]- ^ “KEGG DRUG: ベペルミノゲンペルプラスミド”. www.kegg.jp. 2024年7月4日閲覧。
- ^ “HGF遺伝子治療製品「コラテジェン」の本承認申請について”. アンジェス株式会社. 2024年7月4日閲覧。
- ^ “厚労省 CAR-T細胞療法「キムリア」を承認 遺伝子治療用製品も いずれも国内初 | ニュース | ミクスOnline”. www.mixonline.jp. 2024年7月4日閲覧。
- ^ “アンジェス 条件及び期限付承認のHGF遺伝子治療用製品・コラテジェン 条件解除へ改めて申請 | ニュース | ミクスOnline”. www.mixonline.jp. 2024年7月4日閲覧。
- ^ a b “アンジェス コラテジェンの再現性示せず条件付承認取り下げ、自主回収に 24年末までに新たな申請へ | ニュース | ミクスOnline”. www.mixonline.jp. 2024年7月4日閲覧。
- ^ “遺伝子治療用製品「コラテジェン」が米国FDAよりブレイクスルーセラピー(画期的新薬)指定のお知らせ”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. PR TIMES (2024年9月18日). 2024年9月19日閲覧。
- ^ “アンジェスはS高、「コラテジェン」米国で画期的新薬に指定 | 個別株 - 株探ニュース”. kabutan.jp. MINKABU THE INFONOID, Inc. (2024年9月19日). 2024年9月19日閲覧。
- ^ “「コラテジェン」、米国でBT指定 アンジェス”. 日刊薬業 - 医薬品産業の総合情報サイト. 株式会社じほう (2024年9月19日). 2024年9月19日閲覧。
- ^ “薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 における コラテジェン筋注用4mgについて(概要)”. 厚生労働省. 2024年7月20日閲覧。
- ^ “コラテジェン申請取下げ アンジェスの対応に中医協支払側・松本委員「極めて遺憾」 医療保険制度を翻弄 | ニュース | ミクスOnline”. www.mixonline.jp. 2024年7月4日閲覧。
- ^ 貴祥, 木元 (2023年5月31日). “コラテジェン(ベペルミノゲン ペルプラスミド)の作用機序【重症虚血肢】”. 新薬情報オンライン. 2024年7月5日閲覧。