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ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン
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識別情報
CAS登録番号 283-66-9 チェック
PubChem 61101
ChemSpider 55052 チェック
ChEMBL CHEMBL346085 チェック
特性
化学式 C6H12N2O6
モル質量 208.17 g/mol
外観 白色の結晶性固体
密度 1.57 g/cm3
融点

75 °Cで分解
133 °Cで自然発火

危険性
GHSピクトグラム 爆発物 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H202, H205, H241, H300, H315, H318, H335
Pフレーズ P102, P220, P243, P250, P261, P264, P280, P283, P370+380, P372, P404
主な危険性 爆発性
NFPA 704
1
1
4
爆発性
衝撃感度 高い
摩擦感度 非常に高い
RE係数 0.74
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン (hexamethylenetriperoxidediamine, HMTD) は有機過酸化物の一種。高性能爆薬として使用される。

1885年にレグラーによって初めて合成された。理想化された構造は一次爆薬としての用途に適する。非常に衝撃や摩擦に対して敏感な一方で、その時代の他の一次爆薬、雷酸水銀と比べて比較的安定していた。そして比較的安価に合成することができた。鉱山発破用途としてすぐに取り上げられた。しかしながら、より安定した爆薬であるテトリルによって取って代わられた。

もはやオフィシャルな用途では使われなくなったが、かなりポピュラーな自家製爆弾として使われ続けている。世界中で多くの自爆テロ用途で使われている。2005年のロンドン同時爆破事件でも使用された。『ニューヨーク・タイムズ』は2006年のロンドン航空機テロで使用される予定だった爆薬はHMTDであったと報道した。国内でも2009年2月に札幌市北区の高校1年生がネット通販や量販店で材料を集めて、HMTDを使った爆弾を作り始めていたと報じられた。

HMTDは過酸化水素水ヘキサミンに加えて酸触媒存在下で、合成されうる。他の有機化合物過酸化アセトンのように、HMTDは衝撃、摩擦、熱に敏感な化合物である。これは自家製造にとって危険な要素である。また、最も一般的な金属に反応し、爆発につながる。そのような危険性からHMTDは現代の商業的、工業的用途からすぐに退いてしまった。

関連項目

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