プロピベリン
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
薬物動態データ | |
半減期 | 20.1 h |
識別 | |
CAS番号 |
54556-98-8 (HCl) 60569-19-9 |
ATCコード | G04BD06 (WHO) |
PubChem | CID: 4942 |
ChemSpider | 4773 |
UNII | DC4GZD10H3 (HCl) |
化学的データ | |
化学式 | C23H29NO3 |
分子量 | 367.49 g·mol−1 |
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プロピベリン[1](Propiverine)は、過活動膀胱症候群の症状である尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁の治療に用いられる抗コリン薬である[2]。
2021年11月には女性向けの尿意切迫感改善薬として一般向けにスイッチOTC化され、薬剤師が常駐する薬局での購入が可能となった(ただし、要指導医薬品に区分されているため、購入時に対面での指導が必要)[3]。
効能・効果
[編集]- 一般用
- 尿意切迫感(急に尿がしたいとの我慢しがたい訴え)、尿意切迫感を伴う頻尿(尿の回数が多い)・尿もれ
禁忌
[編集]プロピベリンは下記の患者には禁忌である[4]。
- 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者
- 胃アトニー又は腸アトニーのある患者
- 尿閉を有する患者
- 閉塞隅角緑内障の患者
- 重症筋無力症の患者
- 重篤な心疾患の患者
また、一般用では医療用で記載されている該当患者に加え、
も禁忌(服用しないこと)の項目に記されている[5]。
副作用
[編集]重大な副作用として[4]、
- 急性緑内障発作:眼圧亢進、嘔気・頭痛を伴う眼痛、視力低下等
- 尿閉(0.62%)
- 麻痺性イレウス:著しい便秘、腹部膨満等
- 幻覚・譫妄(0.25%)
- 腎機能障害:BUN、血中クレアチニンの上昇
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等
- 血小板減少(0.12%)
- 皮膚粘膜眼症候群:発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等
- QT延長(0.25%)、心室性頻拍:QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等
- 肝機能障害(1.0%)、黄疸:AST、ALT、γ-GTPの上昇等
が挙げられている。
その他、12.8%の患者に口渇を生じる[4]。
これら副作用については、一般用の添付文書にも具体的な症状と共に記載されている[5]。
参考資料
[編集]- ^ “KEGG DRUG: プロピベリン塩酸塩”. www.kegg.jp. 2021年9月4日閲覧。
- ^ BNF 61. London: British Medical Journal Group and Pharmaceutical Press. (March 2011). p. 511. ISBN 978-0-85369-962-0
- ^ 『尿意切迫感を改善する日本初のOTC医薬品バップフォーレディを発売開始』(プレスリリース)大鵬薬品工業株式会社、2021年11月24日 。2021年12月3日閲覧。
- ^ a b c “バップフォー錠10/バップフォー錠20/バップフォー細粒2% 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年9月4日閲覧。
- ^ a b “バップフォーレディ 添付文書” (PDF). 大鵬薬品工業株式会社. 2021年12月3日閲覧。