プロジェクト:競馬/スタイルマニュアル/解説/血統表
本文書では競走馬の血統表について解説します。
血統表の情報源
[編集]血統表もWikipedia:検証可能性（Wikipedia:出典を明記する・Wikipedia:信頼できる情報源）の例外ではありません。
よく使用されている情報源としては、以下のものがあります。
| サイト名 | 言語 | 費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| JBISサーチ | 日本語 英語 |
無料 | 例：ディープインパクト
|
| netkeiba.com（netkeiba.com） | 日本語 | 無料 | 例：ディープインパクト
|
| equineline.com | 英語 | 無料 | 例：Deep Impact (JPN)
|
| Equibase | 英語 | 無料 | 例：[1]
|
| レーシング・ポスト | 英語 | 有料 | 例：Deep Impact(JPN)
|
多くのサイトは、概ね1980年代以降のサラブレッドについては情報が十分ですが、それ以前のものについては情報が不完全です。
- 日本馬で、古い時期の漢字馬名については不正確な場合があります。
- 同名異馬がいる場合に、区別のための「Ⅱ」などの有無が異なる場合があります。
- インターネットの特性上、馬名につけられている記号類が省略されているケースがあります。
- 馬名中の冠詞類が、大文字の場合と小文字の場合があります。
- 長い馬名が省略されている場合があります。
- 最初期のサラブレッド（18世紀以前）については脱漏や齟齬、馬名の異同があります。馬名も不定です。
- （例）JBIS Eclipseの血統表
- 父の母の父が「Blacklegs[Hutton's]」。その父は登録されていない。
- （例）netkeiba Eclipseの血統表
- 父の母の父が「Hutton's Blacklegs」。その父は「Hutton's Bay Turk」
- （例）equineline Eclipse (GB)の血統表
- 血統が登録されていない
ここでは具体例を挙げませんが、古い時代の牝馬では、同一馬が「A's Mare」（Aを父馬とする牝馬）、「sister to B」（Bの姉妹）、「Dam of C」（Cの母馬）、「D's Grey Mare」（D氏所有の芦毛の牝馬）のように異なる表記が行われる場合があります。
このため、複数の文献による検証を推奨します。
- その他
一般によく知られた血統検索サイトとしてPedigree Onlineがありますが、こちらはユーザー登録すれば誰でも編集できるサイトであり、Wikipedia:信頼できる情報源の観点からWikipediaの出典としては採用できません。
ほかにも個人サイトで血統情報が掲載されているところも多数ありますが、多くの場合、Wikipedia:信頼できる情報源の観点からWikipediaの出典としては採用できません。
馬名表記
[編集]輸入馬を示すアスタリスク
[編集]ふつう、日本へ輸入した馬を表す際には、馬名の前に半角アスタリスク（*）をつけます。
この場合、原則として、馬名は日本語表記してください。（一部を除き、たいていはカタカナになります。）
- （例）
- *エタン
カタカナとラテン文字
[編集]血統表の中では、馬名は以下の基準にしたがって表記してください。
| 1 |
|
カタカナ または、カタカナ表記にラテン併記 |
（例） | |
| 2 |
|
原則ラテン併記 | （例） |
モンジューは1999年にジャパンカップに出走しており、その際に日本でも馬名登録が行われています。
血統表中の1代目・2代目では、表の行数に余裕があります。このため、外国馬についてはカタカナ＋ラテンの併記が可能です。（必須ではありません）
| 表記 | → | 実際の見ばえ |
| Montjeu<br>[[モンジュー]] | Montjeu モンジュー |
モンジューのように、競走出走のために日本に一時的に輸入されただけで、日本では繁殖用に供用されていない馬の場合に、輸入馬を示すアスタリスクをつけるかどうかは、取り決めがありません。
発音や拗音
[編集]「ッ」や「ャュョ」などは、時代や情報源によって「ツ」「ヤユヨ」と表記されています。
いまのところ、どちらに統一するというような取り決めはありません。
- （例）
関連文書
[編集]父系
[編集]Wikipediaではサラブレッドの父系の記事が多数あります。（例：ノーザンダンサー系）
ですが、それぞれの父系記事について、独立した父系として扱う条件や基準が設けられていません。このため現状では、あいまいです。（Category:競走馬の血統参照）
母系
[編集]ファミリーナンバーはできるだけ入力するようにしてください。それだけでも十分です。
このほか母系についても、父系と同様に、独立した母系（牝系）として扱う条件や基準は設けられていません。
近親交配（インブリード）
[編集]インブリード表示のスタイル
[編集]血統表中、インブリードのある馬の馬名のマークアップについては、いまのところ、特に取り決めがありません。
- 基本的には、アポストロフィー3つ（太字）を推奨します。（例：'''Danzig'''）
- アポストロフィー3つは「太字」、アポストロフィー5つは「太字＋斜体」となります。ですが、現在の多くの環境下では、日本語フォントは斜体に対応していないため、両者は同じに見えてしまいます。このためアポスロトロフィー3つを推奨しています。
| マークアップの比較 | ||
| 何もしない | アポストロフィー3つ | アポストロフィー5つ |
|---|---|---|
| Danzig | Danzig | Danzig |
| サンデーサイレンス | サンデーサイレンス | サンデーサイレンス |
- これ以外のマークアップは非推奨です。
- HTML要素の<i>（斜体タグ）や<b>（太字タグ）は使用しないでください。
- HTML要素の<em>（強勢タグ）や<strong>（重要タグ）は、非推奨ではありません。が、血統表のスタイルを揃えるため、できれば使用しないでください。
詳細はHelp:ページの編集#文字の書式、Help:ウィキテキストにおけるHTML、Wikipedia:アクセシビリティ#スタイルとマークアップについてを参照してください。
inbr欄の記入スタイル
[編集]inbr = 欄には近親交配（インブリード）を記入することもできます。（必須ではありません）
ここで用いる記号は、「×」を推奨します。
| 推奨例 | 非推奨 |
|
|
- 「*」（アスタリスク）は、輸入馬を示す目的で使用するため、それとの区別のため「×」（乗算記号）を推奨します。「x」（小文字のエックス）などとの混同に留意してください。
- 「.」（ピリオド）、「・」（中黒）などは推奨しません。
なお、祖先馬が父母のどちらに位置しているかを示すために「3*4×4*5」や「S3×S4×M4×M5」のような表記もみられます。いまのところ、この表記については統一された規則はありません。
全兄弟・全姉妹はクロスとして扱わない
[編集]たとえばファロスとフェアウェイは全兄弟ですが、これはクロスとして扱いません。
それぞれの父・母のファラリスとスカパフローのクロスとしてください。
未解決の課題
[編集]血統表との齟齬
[編集]ほとんどの記事で用いられている{{競走馬血統表}}は「4代血統表」ですが、近親交配欄は、慣習的に「5代」以内のインブリードが記入されています。
- このため、表示されている血統表では確認できないのに、近親交配欄には記入されているという問題があります。
- また、4×5の場合、表示されているのは1頭だけなのに強調表示されていて、意味が判りにくいという問題があります。
- （例）
- 「ノーザンダンサー 3×4×6×5」の場合には「3×4×5」だけ記入します。
- 「ネアルコ 6×7×7×8×9×6」のように、5代内にはクロスが発生していない場合には、何も記入しないでください。
アウトブリード？
[編集]5代内に近親交配がない場合でも、「アウトクロス」「アウトブリード」などと記入しないでください。
5代以内ではクロスがなくても、6代目以降に多数のクロスがある、ということが普通です。
いまのところ、Wikipediaでは「何代目までクロスがなければアウトクロスとして扱う」というような取り決めはありません。
血量計算
[編集]近親交配欄に「血量計算」が記入されている場合もあります。ただし必須ではありません。血量計算は、一般的に、「5代以内」では決められないことに注意してください。
血量計算の問題
[編集]下記のように、誤った血量を表示してしまったり、「5代以内の近親交配」表示との矛盾が生じたりしやすいです。
- （例）デアリングタクト
- 「5代目までに生じたクロス」として「サンデーサイレンス 18.75％ 4×3」「Hail to Reason 6.25％ 5×5」「Northern Dancer 6.25％ 5×5」となっている。
- 「サンデーサイレンス 4×3」「Hail to Reason 5×5」「Northern Dancer 5×5」となっている。
- ところが実際は、デアリングタクトは「Northern Dancer 6×7×5×6×5」のクロスを有しており、正しい血量は10.15625%です。
「正しい」血量計算をするには、その馬の血統を相当遡らなければ難しく、検証は困難です。
血量計算に関する是非
[編集]こうした問題があるため、いまのところ、血統計算については「記載しないほうがいい」という意見が集まっています。
毛色、生年、生産国
[編集]本来このテンプレートは、純粋に血統だけを表示する目的で設計されています。血統表中に登場する祖先馬の毛色・誕生年・生産国を表示する機能はありません。
ですが、多くの記事で、本来は馬名を表示するところに改行タグ<br>を使用して、誕生年・毛色・生産国の併記が行われています。
毛色についての問題
[編集]基本的に、日本と諸外国では毛色の分類方法が異なります。このため、日本側の情報源と、生産国の情報源で毛色表記の齟齬が生じています。
- （例）
- リアルシャダイ（アメリカ産）は、日本では「黒鹿毛」で登録されていますが、アメリカでは「Dark Bay or Brown」（dkb/br）になっています。
- リアルシャダイの母Desert Vixenも同様に、日本「黒鹿毛」、アメリカ「Dark Bay or Brown」です。
- 基本的には、日本で登録されたサラブレッドの場合には、JBISなどに準拠し、「黒鹿毛」でよいでしょう。
- しかし日本で登録されたことのないDesert Vixenの場合には、アメリカでの公式「Dark Bay or Brown」とするか、JBISによる「黒鹿毛」とするかの問題があります。
- 通常は、鹿毛はbay（b）、芦毛はgray（gr）と対応します。
- 多くの場合、chesnut（ch）は栗毛と対応しますが、日本では栃栗毛などに細分化される場合があります。
- 日本では、粕毛・月毛などはサラブレッドの毛色としては認定されていませんが、国によってはroan（ro）などで登録されます。（国によっても、roan（ro）とgray（gr）の区別で議論が行われています。
- 黒鹿毛／青鹿毛／青毛は、英語とは1対1で対応しません。これらは、英語圏ではBlack（blk）／Brown（br）／Dark Bay（dkb）などに分類されますが、「Black or Brown」（blk/br）などのように複数の毛色を示す場合が多数あります。ですが日本では必ずどれか1種類に登録することになっています。
- 対照表
- この対照表は普遍的なものではなく、時代や国・地域によっても異なることに注意
| 英語 | 略記 | 日本語 |
| bay | b | 鹿毛 |
| dark bay | dkb | 黒鹿毛ないし鹿毛 |
| bay or brown | b/br | 鹿毛、または青鹿毛ないし黒鹿毛 |
| dark bay or brown | dkb/br | 黒鹿毛ないし鹿毛、または青鹿毛ないし黒鹿毛 |
| black | blk | 青毛 |
| brown | br | 青鹿毛ないし黒鹿毛 |
| black or brown | blk/br | 青毛、または青鹿毛ないし黒鹿毛 |
| chesnut | ch | 栗毛 |
| ？ | ？ | 栃栗毛 |
| dark chesnut | dkch | |
| gray | gr | 芦毛 |
| roan | ro | 粕毛、芦毛 |
| white | w | 白毛 |
過去の議論
[編集]本文書の補足として、過去の議論を紹介します。詳しいことは各議論を参照してください。
- 父系について
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ3#サイアーラインについて（2007年）
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ6#競走馬の血統について（2012年）
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ7#サイヤーライン記事について（2014年）
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ9#ストームバード系・シアトルスルー系・ヴァイスリージェント系 の移動提案（2018年）
- プロジェクト‐ノート:競馬#血統表の「父系」の表記について（2019年）
- プロジェクト‐ノート:競馬#お知らせ／Template:競走馬血統表の「父系」欄について（2020年）
- インブリードについて
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ8#血統（近親交配、血量計算）の表現に関する問題提起（2015年）
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ9#Template:競走馬血統表のインブリードの強調表示の方法を統一しませんか？（2017年）
- 毛色について
- 馬名表記スタイルについて
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ6#記事名に採用する馬名の表記について（2012年）
- プロジェクト‐ノート:競馬/過去ログ7#血統表における馬名の表記（外国産・外国調教馬）のルールの追認について（2014年）
- 出典明記について