コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブルーム=ヴォークス男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルーム=ヴォークス男爵
Baron Brougham and Vaux

紋章記述

Arms:Gules a Chevron between three Lucies hauriant Argent Crest:A Dexter Arm in Armour embowed proper the hand holding a Lucy fesswise Argent and charged on the elbow with a Rose Gules Supporters:Dexter: a Lion Vert armed and langued Gules gorged with a Vaux Collar checky Or and of the second; Sinister: a Stag Argent attired and unguled Or holding in the mouth a Rose Gules barbed and seeded Vert
創設時期1860年5月22日
創設者ヴィクトリア
貴族連合王国貴族
初代初代男爵ヘンリー・ブルーム
現所有者6代男爵チャールズ・ブルーム
相続人ヘンリー・ブルーム閣下
付随称号なし
現況存続
モットー王と法と民のために
(Pre Rege Lege Grege)

ブルーム=ヴォークス男爵英語: Baron Brougham and Vaux)は、連合王国貴族男爵位。ホイッグ党の政治家ヘンリー・ブルーム1830年1860年に叙されたのに始まる。1830年創設の男爵位は一代で廃絶したが、1860年創設の男爵位は特別継承者の規定により弟ウィリアム・ブルーム英語版とその男系子孫によって継承されて現存している。

歴史

[編集]
初代ブルーム=ヴォークス男爵ヘンリー・ブルーム

法廷弁護士ホイッグ党庶民院議員だったヘンリー・ピーター・ブルーム(Henry Peter Brougham, 1778–1868)は、1830年から1834年の第2代グレイ伯爵チャールズ・グレイを首相とするホイッグ党政権において大法官として入閣。当時の大法官は貴族院議長の役割も担っていたため、この就任の際の1830年11月22日連合王国貴族ウェストモーランド州におけるブルームのブルーム=ヴォークス男爵((Baron Brougham and Vaux, of Brougham in the County of Westmorland))に叙せられて貴族院議員に列した[1][2][3]。彼はホイッグ左派として知られ[4]、第一次選挙法改正の貴族院通過に尽力した[5]。彼には男子がなかったため、1860年3月22日には弟ウィリアム・ブルーム英語版(William Brougham, 1795–1886)とその男系男子を特別継承者(special remainder)とする規定付きの連合王国貴族爵位ウェストモーランド州におけるブルームおよびカンバーランド州におけるハイヘッド城におけるブルーム=ヴォークス男爵(Baron Brougham and Vaux, of Brougham in the County of Westmorland and of Highhead Castle in the County of Cumberland)位を与えられた[1][2]

その結果、1868年5月7日に初代男爵が死去した後、1830年創設のブルーム=ヴォークス男爵位は廃絶したが、1860年創設のブルーム=ヴォークス男爵位は弟のウィリアムに継承された。ウィリアムも襲爵前の1831年から1834年にかけてホイッグ党の庶民院議員を務めていた[6]

2代男爵の死後は、その息子のヘンリー・チャールズ・ブルーム英語版(Henry Charles Brougham, 1836–1927)が3代男爵を継承した[7][2]

3代男爵の息子ヘンリー・ブルーム(Henry Brougham,1887-1927)は父に先だったため、3代男爵の死後はヘンリーの息子であるヴィクター・ヘンリー・ピーター・ブルーム英語版(Victor Henry Peter Brougham, 1909–1967)が4代男爵を継承した[2]

4代男爵の死後はその息子マイケル・ジョン・ブルーム英語版(Michael John Brougham, 1938-)が5代男爵を継承。彼は1999年貴族院法世襲貴族の議席が92議席に限定された後も世襲貴族枠の貴族院議員に選び残された[2]


男爵家の紋章に刻まれるモットーは『王と法と民のために英語版(Pre Rege Lege Grege)[2]

歴代当主

[編集]

第1期ブルーム=ヴォ―クス男爵 (1830年)

[編集]
  • 初代ブルーム=ヴォークス男爵ヘンリー・ピーター・ブルーム(Henry Peter Brougham, 1778–1868)
    • 1860年に第2期ブルーム=ヴォークス男爵に叙される。第1期ブルーム=ヴォークス男爵は彼の死後に廃絶。

第2期ブルーム=ヴォークス男爵 (1860年)

[編集]

爵位の法定推定相続人はその息子ヘンリー・ジョージ・ブルーム(Henry George Brougham, 2012-)

系図

[編集]
ブルーム=ヴォークス男爵ブルーム家系図
 
 
ヘンリー・ブルーム英語版
(1742-1810)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1830年ブルーム=ヴォークス男爵(1期)
1860年ブルーム=ヴォークス男爵(2期)
 
 
 
 
初代ブルーム=ヴォークス男爵
初代ブルーム=ヴォークス男爵
ヘンリー・ブルーム
(1778-1868)
 
2代ブルーム=ヴォークス男爵
ウィリアム・ブルーム英語版
(1795-1886)
ブルーム=ヴォークス男爵(1期)廃絶
 
 
 
 
 
 
 
 
3代ブルーム=ヴォークス男爵
ヘンリー・ブルーム英語版
(1836-1927)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヘンリー・ブルーム
(1887-1927)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
4代ブルーム=ヴォークス男爵
ヴィクター・ブルーム英語版
(1909–1967)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5代ブルーム=ヴォークス男爵
マイケル・ブルーム英語版
(1938–2023)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6代ブルーム=ヴォークス男爵
チャールズ・ブルーム
(1971–)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヘンリー・ブルーム
(2012–)

脚注

[編集]
  1. ^ a b Lundy, Darryl. “Henry Brougham, 1st Baron Brougham and Vaux” (英語). thepeerage.com. 2019年4月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Heraldic Media Limited. “Brougham and Vaux, Baron (UK, 1860)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年4月18日閲覧。
  3. ^ UK Parliament. “Mr Henry Brougham” (英語). HANSARD 1803–2005. 2019年3月28日閲覧。
  4. ^ 君塚直隆 1999, p. 60.
  5. ^ 松村赳 & 富田虎男 2000, p. 98.
  6. ^ Lundy, Darryl. “William Brougham, 2nd Baron Brougham and Vaux” (英語). thepeerage.com. 2019年4月18日閲覧。
  7. ^ Lundy, Darryl. “Henry Charles Brougham, 3rd Baron Brougham and Vaux” (英語). thepeerage.com. 2019年4月18日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 君塚直隆『イギリス二大政党制への道 後継首相の決定と「長老政治家」』有斐閣、1999年。ISBN 978-4641049697 
  • 松村赳富田虎男『英米史辞典』研究社、2000年。ISBN 978-4767430478 

関連項目

[編集]