ブラックカード
ブラックカード（英語: Black card）とは、クレジットカード及びデビットカードの一つである。なお、日本に於いて「ブラックカード」は、Black Cardが商標登録している。
概要
[編集]ブラックカードと通称された最初のクレジットカードは、American Express（アメリカン・エキスプレス）がアメリカ合衆国では1999年から、日本では2002年から発行している「Centurion Card」（センチュリオン・カード）である。この券面がブラック（黒）を基調とするデザインである為、ブラックカードと通称されることとなった。
その後、他社もこれを模倣し、「プラチナカード」（「プラチナ・カード」はアメリカン・エキスプレスが商標登録している）より上位の券種のクレジットカードにブラック（黒）を基調とするデザインを採用するようになった。但し、提携カードなどでは必ずしも黒を基調とするデザインであるとは限らない。
入会方法
[編集]一般から申し込む事が出来ず、ブラックカードの発行元からの招待（インビテーション）による場合が多い。発行元の判断でフォルダーなどが送付され、その中に入っている案内状から発行元に連絡すると使用可能になるといったものが多い。
よくある誤解
[編集]ブラックカードは、クレジットカードにおける最上位の券種の俗称である。例えば、前述したAmerican Expressは「Centurion」、Mastercardは「World Elite」がそれぞれ最上位の券種の名称であり、「ブラック」の名称を使用していない。なお、発行元によっては「ブラックカード」の名称でクレジットカードを発行している例はあり、例えば、2009年に当時の楽天KC（現在のNexus Card）は、「楽天ブラックカード」を発行している（2011年に発行元を楽天カードに変更[1]）。
また、ブラックカードは、限度額が無く無制限で使えると誤解される場合があるが、実際は上限が存在する。
国際ブランド別の最上位券種
[編集]前述した通り、国際ブランドでは「ブラック」の名称を使用していない為、本節では日本に於ける各国際ブランドの概ねプラチナカードより上位の券種を記載する。但し、カードによっては、券面が必ずしも黒を基調とするデザインでない場合や必ずしも招待制でない場合がある。
クレジットカード
[編集]American Express
[編集]日本では、American Express International（アメリカン・エキスプレス・インターナショナル）日本支社が発行している「プラチナ・カード」より上位の券種として「センチュリオン・カード」を発行している。
Diners Club
[編集]日本では、三井住友トラストクラブが発行している「ダイナースクラブ プレミアムカード」及び「ダイナースクラブ ロイヤルプレミアムカード」[2]がいずれも招待制を採っており、ブラック（黒）を基調とするデザインを採用している。
JCB
[編集]日本では、ジェーシービー(JCB)が発行している「JCBプラチナ」より上位の券種として「JCBザ・クラス」を発行している[3]。
なお、日本以外の国や地域では異なる券種が発行されている。例えば、台湾では、「JCB Platinum」より上位の券種として「JCB Precious」、「JCB Grand」、「JCB Eternity」がある[4]。
Mastercard
[編集]日本では、「プラチナMastercard」より上位の券種として「ワールドMastercard」[5]及び「ワールドエリートMastercard」[6]がある。
World Mastercard
[編集]プロパーカードでは、三井住友トラストクラブが「TRUST CLUB ワールドカード」[7]を発行している。また、提携カードでは、アプラスが「ポルシェカード」[8]を発行している。
なお、三井住友カードが発行している「Amazon Mastercard」及び「Amazon Prime Mastercard」は、それぞれのカードの裏面に「world」の印字がある[9]。
World Elite Mastercard
[編集]プロパーカードでは、三井住友トラストクラブが「TRUST CLUB ワールドエリートカード」[7]を発行している。また、提携カードでは、アプラスが「Luxury Card」[10]を発行している。
なお、「Luxury Card」には、「Mastercard Black Diamond」[11][12]、「Mastercard Gold Card」[12]、「Mastercard Black Card」[12]、「Mastercard Titanium Card」[12]があるが、その全てが「ワールドエリートMastercard」である。
Visa
[編集]日本では、「Visaプラチナカード」より上位の券種として「Visa Infiniteカード」が発行されていた。
スルガ銀行が「SURUGA Visa Infiniteカード」を発行していたが、2023年1月31日を以て取扱を終了し、「SURUGA Visaクレジットカード（支払専用）」に移行した[13]。従って、Visaに於ける最上位の券種は「Visaプラチナカード」である。招待制を採っている「Visaプラチナカード」は、エムアイカードが発行する「エムアイカード プラス プラチナ」などがある（「プラチナカード」の項目も参照）。
デビットカード
[編集]住信SBIネット銀行が発行している「プラチナデビットカード(Mastercard)」は、プラチナと称しているが、「ワールドMastercard」である[5]。
なお、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPANが過去に誤って「Visa Infinite」のロゴが印字されたカードを発行した例がある[14]。
脚註
[編集]- ^ 『楽天ＫＣ株式会社の株式の取得（子会社化）及び貸付金の譲受に関するお知らせ並びに藤澤信義氏（筆頭株主並びに当社取締役）からの多額な借入に関するお知らせ』（PDF）（プレスリリース）。
- ^ 「最高峰クレジットカード「ダイナースクラブ ロイヤルプレミアムカード」を初公開! 999枚限定、究極の"おもてなし"とは?」『マイナビニュース』2024年7月3日。
- ^ “ブラックカードとは？年収など持つための条件と年会費・招待の受け方を解説”. 2024年7月7日閲覧。
- ^ 『JCB、台湾で富裕層向け「JCB Eternity」カードの展開を開始』（プレスリリース）。
- ^ a b “ワールドMastercard®”. 2024年7月7日閲覧。
- ^ “ワールドエリート Mastercard®”. 2024年7月7日閲覧。
- ^ a b 『三井住友トラストクラブ Mastercardのクレジットカードにコンタクトレス決済を搭載 カードデザインも刷新』（PDF）（プレスリリース）。
- ^ 『「ポルシェカード」の券面デザインが刷新』（PDF）（プレスリリース）。
- ^ 「Amazon Prime Mastercardが到着！ 新Amazon MastercardはMastercardのワールド？」『ポイ探ニュース』2022年4月6日。
- ^ 『富裕層のお客さま向けクレジットカード「Luxury Card」の日本初の提携発行について』（PDF）（プレスリリース）。
- ^ 『ラグジュアリーカード、日本上陸5周年を記念して天然ダイヤモンドをあしらった最上位クラスの完全招待制カード『Mastercard Black Diamond』が登場！』（プレスリリース）。
- ^ a b c d 『日本初の金属製縦型カード！ラグジュアリーカード、カードデザインを一新し全カードに『縦型カード』を導入。また、新たな選択肢として新色『Rose Gold』も追加。』（プレスリリース）。
- ^ “SURUGA Visaクレジットカード（支払専用）”. 2023年7月9日閲覧。
- ^ 「RevolutのInfiniteはやはりミス！ 日本ではInfiniteの発行はなし！」『ポイ探ニュース』2022年9月10日。