フェンダー・エスクワイヤー
フェンダー・エスクワイヤー Fender Esquire | |
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メーカー/ブランド | フェンダー |
製造時期 | 1950年–1969年 |
構造 | |
スケール長 | 25.5 |
フレット数 | 21 |
材質 | |
ボディ | アッシュ |
ネック | メイプル |
フィンガーボード | メイプル |
ハードウェア | |
ブリッジ | 3サドル(ストリングス・スルー・ボディ・テレ・ブリッジ) |
電気系統 | |
ピックアップ | シングルコイルx1 |
ピックアップ(R) | シングルコイル・テレ・ピックアップ(アルニコ・マグネット) |
テンプレート | カテゴリ |
フェンダー・エスクワイヤー (Fender Esquire) は、フェンダーのエレクトリックギターである。「エスクワイア」「エスクワイヤ」などとカタカナで表記される場合もある。
歴史
[編集]試作
[編集]エスクワイヤーは、1949年の秋ごろにレオ・フェンダーによって試作され、テレキャスターの原型となった。
初期
[編集]量産初期ロットのボディは安価なパイン材で製作され[1]、節目を隠すため黒色のラッカーで塗装が施された。1950年夏にボディは高品質のアッシュ材に変更され、ブロンドのシースルー塗装となる。
当初はネックにトラスロッドが仕込まれていなかった(レオ・フェンダーは強固なメイプル製ネックにトラスロッドは不要と考えていた)が、ドン・ランドールらの進言により1950年10月からトラスロッドが追加された。ネック背面のトラスロッド用の溝は、通称「スカンクストライプ」と呼ばれるウォルナット製の埋め木で塞がれた(ヘッドにもトラスロッド用の埋め木、通称「ブラウンエッグ」がある)。
発表当初は1ピックアップ仕様と、2ピックアップ仕様が存在したが[2]、1950年に2ピックアップ仕様のモデルが「ブロードキャスター」に改名されたため、「エスクワイヤー」は1ピックアップ仕様のモデルのみに与えられる名称となった。
エスクワイヤー・カスタム
[編集]1959年には、ボディにカスタム・テレキャスターと同様にバインディングが巻かれた「エスクワイヤー・カスタム」が追加、1970年まで製造された。
発表された当初は、「雪かきシャベル」、「弦の付いた板」、「パドル」、「便座のシート」などと酷評されていた。
トーン・セレクター
[編集]外観上はブロードキャスターとほぼ同じではあるが、最大の(回路的な)特徴はトーン・コントロールにある。
現在まで流通しているテレキャスターは一般的に2ピックアップ仕様で、3WAYピック・アップ・セレクターでピック・アップ(フロント、フロント+リア、リア)を選択し、トーン・コントロールは(今までに作製された一部を除いて)全てのピック・アップに有効なスペックに仕上げられている。
それに対しエスクワイヤーはリア・ピック・アップが一つのみのスペックであるため、搭載されている3WAYセレクターの役割が異なり、内部に独自のトーン回路が内蔵されている。
このスイッチは(テレキャスターで言うところの)リア側にするとピック・アップの信号がバイパス状態になり、トーン・ノブを回しても一切の音色の変化がない(ボリュームは有効)。センターの位置にスイッチを動かすとトーン・ノブが効き、フェンダーのほとんどのエレクトリックギターと同じく左に回せば高音がカットされる回路(ハイ・カット)が効くようになる。フロント側を選択するとトーン・ノブの動きに関係なく「トーン0」の状態になり、センター選択時のトーン・ノブを絞りきったときと同様なハイ・カット・サウンドになる。
因みに1ピック・アップ仕様のエスクワイヤーにフロント・ピック・アップを増設して使用しているミュージシャンもおり(後述)、その際には一般的に上記のトーン回路を取り外し、通常のテレキャスターと同じスペックにしている。基本的にはボディがテレキャスターと共通で、ピックアップを取り付けるルーティングが施されているため、フロントピックアップの増設はそれほど難しくはない。
1994年ころにZZトップのギタリスト、ビリー・ギボンズがフェンダーに特注で製作して貰ったエスクワイヤー(何台か作製したらしい)の中に上記のトーン回路とは異なる「トーンはあるが3WAYセレクターが無い」というスペックのモデル(ピック・アップはリアのみ。さらに特注のインレイ(彫刻)等などが挙げられる)があり、当時のアルバム『アンテナ』のレコーディングやプロモーション・フィルム内で使用している。
使用ミュージシャン
[編集]- ブルース・スプリングスティーン - フロント・ピックアップを追加した2ピックアップ仕様。
- シド・バレット(ピンク・フロイド)
- デヴィッド・ギルモア(ピンク・フロイド) - フロント・ピックアップを追加した2ピックアップ仕様。
- ジェフ・ベック
- キース・リチャーズ
- ポール・マッカートニー
- ビリー・ギボンズ(ZZトップ)
- 忌野清志郎 - フロント・ピックアップ(ギブソンP-90)を追加した2ピックアップ仕様。ブリッジは6連サドルの物に交換されている。
- 仲井戸麗市 - 上記、忌野清志郎のものを借り受けRCサクセションで使用。
- ケンゴマツモト(THE NOVEMBERS)
- 村越弘明(THE STREET SLIDERS) - 赤の個体をライブビデオ"SLIDERS GIG"(1985)および"Tokyo Junk"(1984)のPVで使用。
- 斉藤和義 - 57年製、フロント・ピックアップを追加した2ピックアップ仕様。“Char Meets 斉藤和義”の中で登場。
- フジイケンジ(The Birthday) - 68年製、斉藤和義のサポートをした際に触発されて購入した。
- 生形真一(Nothing's Carved In Stone) - カスタムショップ製のレリック仕様。スラブ貼りのローズ指板、8点留めのピックガードと59年製のテレキャスター風。
- 新藤晴一 - “痛い立ち位置”のPVで登場。単発ライブ“横浜・淡路ロマンスポルノ”でも使用。
- ルーサー・パーキンス(ジョニー・キャッシュ&テネシー・スリーのリードギタリスト) - ボディーに“LP“(Luther Perkins)と書いてあるものを使用。
出典
[編集]- ^ “フェンダー、Esquire誕生70周年を記念した2020年限定モデル「70th Anniversary Esquire」販売開始”. BARKS (2020年8月19日). 2023年3月10日閲覧。
- ^ Brakes, Rod (2022年3月24日). “When Is a Telecaster Not a Telecaster? When It’s a Dual-Pickup Esquire” (英語). Guitar Player. 2023年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月11日閲覧。