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フィンレー彗星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィンレー彗星
15P/Finlay
仮符号・別名 1886 S1, 1886 VII, 1886e
1893 K1, 1893 III 1893a
1906 V, 1906d
1919 II, 1919d
1926 V, 1926d
1953 VII, 1953i
1960 VIII, 1960d
1967 IX, 1967g
1974 X, 1974d
1981 XII, 1981e
1988 IX, 1988f[1]
分類 周期彗星
発見
発見日 1886年9月26日[1][2]
発見者 William Henry Finlay[1][2]
軌道要素と性質
元期:2014年7月29.0日 (TDB 2456867.5)
軌道長半径 (a) 3.4877 au[1]
近日点距離 (q) 0.9758 au[1]
遠日点距離 (Q) 5.9996 au[1]
離心率 (e) 0.7202[1]
公転周期 (P) 6.51[1]
軌道傾斜角 (i) 006.799 °[1]
近日点引数 (ω) 347.551 °[1]
昇交点黄経 (Ω) 013.785 °[1]
平均近点角 (M) 337.142 °[1]
前回近日点通過 2021年7月13日[3][4]
次回近日点通過 2028年2月10日[4]
最小交差距離 0.010 au(地球)[1]
0.160 au(木星)[1]
ティスラン・パラメータ (T jup) 2.620[1]
Template (ノート 解説) ■Project

フィンレー彗星(英語: 15P/Finlay)は、1886年9月26日に南アフリカの天文学者William Henry Finlay英語版が発見した太陽系周期彗星である[2]。前回近日点を通過したのは2021年7月13日で見かけの等級は最大で10であった[5]。番号付きの彗星で軌道要素がよく分かっているものの中では地球との最小交差距離が6番目に小さい[6]。2060年には地球から0.0345 auしか離れていない場所を通過すると予測されている[7]

観測史

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フィンレー彗星は1886年にはじめて軌道の計算が行われ、1844年にフランチェスコ・デ・ヴィコが発見したが、行方不明になった彗星1844 Q1(現在のデヴィコ・スイフト・NEAT彗星英語版)と類似していると考えられた[2]。その後、アメリカの天文学者、ルイス・ボスはデ・ヴィコの彗星とフィンレー彗星は異なるものであると結論付けた[2]

1899年に回帰したときには観測には不向きであったため観測されなかったが1906年の回帰では見かけの等級6にまで達した[2]。1910年には木星付近を通り過ぎて摂動の影響を受けたため、公転周期が変化した。1919年には軌道が予測されていた位置から外れたため天文学者らは発見できていなかったが、「新しい」彗星として1919年10月25日に日本の天文学者、佐々木哲夫に再発見され、フィンレー彗星だと同定された[2]

フィンレー彗星の見かけの等級は1926年以降小さくなり、1933年、1940年、1947年の回帰は観測されず、1953年になってやっと観測された[2]

2014年の回帰では12月16日にアウトバーストを起こし、見かけの等級は11から8.7へと増光した[8]。また、2015年1月15日には二度目のアウトバーストが起こった[9]

フィンレー彗星は、地球との最小交差距離が0.01 auである[1]。2060年10月22日には、地球に0.0345 auまで接近すると予測されている[7]。これはハレー彗星が837年に地球に0.03 auまで接近したときに匹敵する[10]

近日点通過

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前回近日点を通過したのは2021年7月13日である。前回以前の近日点通過は以下の通りである[4][11]

  • 1886年11月22日
  • 1893年7月12日
  • 1900年2月17日 (観測されず)
  • 1906年9月8日
  • 1913年2月7日 (観測されず)
  • 1919年10月15日
  • 1926年8月7日
  • 1933年6月16日 (観測されず)
  • 1940年4月25日 (観測されず)
  • 1947年2月27日 (観測されず)
  • 1953年12月25日
  • 1960年9月1日
  • 1967年7月28日
  • 1974年7月3日
  • 1981年6月19日
  • 1988年6月6日
  • 1995年5月5日
  • 2002年2月7日
  • 2008年6月22日
  • 2014年12月27日
  • 2021年7月13日

また、次に近日点を通過するのは2028年2月10日である。次回以降の近日点通過は以下の通りである[4]

  • 2028年2月10日
  • 2034年9月8日
  • 2041年4月3日
  • 2047年10月26日
  • 2054年5月3日
  • 2060年10月4日
  • 2067年1月18日
  • 2073年8月2日
  • 2080年5月4日
  • 2087年2月28日
  • 2093年12月24日
  • 2100年10月19日
  • 2107年8月10日

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 15P/Finlay”. JPL Small-Body Database Browser. Jet Propulsion Laboratory (2021-09-01 last obs.used). 2021年9月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h Kronk, Gary W. “15P/Finlay”. cometography.com. 2021年9月19日閲覧。
  3. ^ 15P/Finlay Orbit”. Minor Planet Center. 2021年9月19日閲覧。
  4. ^ a b c d 15P/Finlay”. 木下一男 (2015年6月29日). 2021年9月19日閲覧。
  5. ^ フィンレー彗星 15P/Finlay (2021)”. 吉田誠一のホームページ (2021年9月18日). 2021年9月19日閲覧。
  6. ^ JPL Small-Body Database Search Engine Constraints: numbered comets (Earth MOID from smallest to largest)”. Jet Propulsion Laboratory. 2021年9月19日閲覧。
  7. ^ a b 15P/Finlay Close-Approach Data”. JPL Small-Body Database Browser. Jet Propulsion Laboratory. 2021年9月19日閲覧。
  8. ^ King, Bob (2014年12月18日). “Comet Finlay in Bright Outburst, Visible in Small Telescopes”. Universe Today. 2021年9月19日閲覧。
  9. ^ Ishiguro, Masateru; Kuroda, Daisuke; Hanayama, Hidekazu; Kwon, Yuna Grace; Kim, Yoonyoung; Lee, Myung Gyoon; Watanabe, Makoto; Akitaya, Hiroshi et al. (2016). “2014-2015 Multiple Outbursts of 15P/Finlay”. The Astronomical Journal (American Astronomical Society) 152 (6): 1-14. arXiv:1609.00792. Bibcode2016AJ....152..169I. doi:10.3847/0004-6256/152/6/169. ISSN 1538-3881. 169. 
  10. ^ Yeomans, Donald K. (2007年4月). “Great Comets in History”. Jet Propulsion Laboratory. 2021年9月19日閲覧。
  11. ^ フィンレー彗星 15P/Finlay”. 吉田誠一のホームページ. 2021年9月19日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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