ピーター・ジャイルズ
ピーター・ジャイルズ Peter Giles | |
---|---|
出生名 | Peter Anthony Giles |
生誕 | 1944年6月17日(80歳) |
出身地 | イングランド ハンプシャー ハヴァント |
ジャンル | ロック、プログレッシブ・ロック、フュージョン |
職業 | ミュージシャン |
担当楽器 | ベース、ボーカル |
活動期間 | 1967年 - |
共同作業者 | キング・クリムゾン、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ、21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド、マイケル・ジャイルズ |
ピーター・ジャイルズ(Peter Giles、1944年6月17日 - )は、イングランドのベーシスト、ボーカリストである。
経歴
[編集]ハンプシャーのハヴァント出身。ドーセット最大の都市ボーンマスの郊外で育った[1]。
10代で音楽活動を始め、ドラマーの兄マイケルと共にザ・ダウランド・ブラザーズ[2]のバック・バンドのメンバーとして初めてのレコーディングを経験した。その後、2人でトレンドセッターズ・リミテッドに加入して、シングルの制作や有名歌手のバック演奏などに携わった[3]。
1967年、マイケル、ロバート・フリップ(ギター)とジャイルズ・ジャイルズ&フリップ(GG&F)を結成して[4]、1968年9月にアルバム『チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ』を発表[5]。GG&Fはメンバーを増やして1969年1月にキング・クリムゾンになったが、彼はその前にフリップと対立して1968年11月に脱退した[注釈 1]。
1970年、キング・クリムゾンのセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』[注釈 2]に客演[6][7]。引き続いて、1969年末にキング・クリムゾンを脱退したマイケルとイアン・マクドナルドの共作アルバム『マクドナルド・アンド・ジャイルズ』の制作に参加した[8]。
その後事務弁護士の書記となり、長年に渡ってイギリスの音楽業界の著作権管理団体であるThe Performing Right Societyの為に、未払いの印税の追跡調査などを行なった[9]。
2001年、かつてGG&Fが『チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ』を発表した後でマクドナルドとジュディ・ダイブル[注釈 3]をメンバーに迎えて制作した未発表音源の編集に携わった。これらの音源は同年、LP”Metaphormosis”[10]、CD"The Brondesbury Tapes"[11]として発表された[9]。
2002年、マクドナルド、マイケルを初めとしたキング・クリムゾンの関係者と21stセンチュリー・スキッツォイド・バンドを結成。彼等は2007年までライブ活動して[注釈 4]、批評家に賞賛された。
2009年、ザ・ダウランド・ブラザーズやトレンドセッターズ・リミテッドなど、GG&F以前の活動の音源を収録した"The Giles Brothers"[12]が発表された[9]。
2001年にキーボーディスト兼ボーカリストの妻ヤスミンとAlunaとしてライブ活動を始め、2018年に彼女とアルバムを制作[13]。2021年にYasmin and Peter Giles名義で"Insights"を発表した[14]。
中長距離ランナーでもあり、2015年にはリヨンで開催された2015年世界マスターズ陸上競技選手権の1500メートル走の70歳代の部に71歳で出場して2位となった[9]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 後任はグレッグ・レイク。彼はギタリストだったが、フリップに頼まれてベース・ギターを担当した。
- ^ キング・クリムゾンは1969年にデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』を発表してアメリカ・ツアーを始めたが、マイケルとイアン・マクドナルドがツアー終了後に脱退することを表明し、レイクもツアーで出会ったキース・エマーソンと新しいグループを結成するために脱退を決心した。その結果、1970年1月に『ポセイドンのめざめ』の制作を始めた時には、メンバーはフリップとピート・シンフィールド(作詞、照明)の2人だけになっていた。レイクは4月にエマーソンに合流するまでボーカル専任で制作に参加し、ジャイルスはフリップに頼まれてベースを担当した。マイケルもフリップに頼まれて、都合がつかなかった後任の代役として協力した。
- ^ フェアポート・コンヴェンションのボーカリストでマクドナルドのガールフレンドだった。マクドナルドと別れたのでGG&Fを脱退した。
- ^ マイケルは2003年に脱退した。
出典
[編集]- ^ Smith (2019), p. 9.
- ^ “Bournemouth Beat Boom”. 2022年12月28日閲覧。
- ^ Smith (2019), pp. 9–12.
- ^ Eder, Bruce. “Giles, Giles and Fripp: Biography”. Allmusic. 2010年12月4日閲覧。
- ^ Smith (2019), p. 17.
- ^ Smith (2019), pp. 77–83.
- ^ Eder, Bruce. “Peter Giles: Biography”. Allmusic. 2010年12月4日閲覧。
- ^ Smith (2019), pp. 86–88.
- ^ a b c d Smith (2019), p. 376.
- ^ “Discogs”. 2024年6月21日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2022年12月28日閲覧。
- ^ Smith (2019), pp. 376–377.
- ^ “Discogs”. 2022年12月28日閲覧。
引用文献
[編集]- Smith, Sid (2019). In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years. Panegyric. ISBN 978-1916153004