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ピロリジジンアルカロイド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レトロネシンの構造式。 ノボロギク (Senecio vulgaris) やヒレハリソウ (Symphytum spp.) に含まれるピロリジジンアルカロイド。

ピロリジジンアルカロイド: Pyrrolizidine alkaloid、略称: PA)はピロリジジンを基本骨格とするアルカロイドであり、これまでに300種類以上の天然物が知られている。ピロリジジンアルカロイドはムラサキ科キク科ラン科マメ科植物によく含まれている他、まれにヒルガオ科イネ科植物でも見つかる。シソ科では少なくとも一種がピロリジジンアルカロイドを産生している。

ピロリジジンアルカロイドには肝毒性がある[1]。また、肝中心静脈閉塞症肝癌を引き起こす[2][3]。 そのため、ピロリジジンアルカロイドを含む薬草ヒレハリソウフキタンポポ)やある種の中国の薬草の使用、純粋エキウム蜂蜜(ブルガレ、プランタギウム)にはリスクが伴う[3]フキツワブキを食する際に灰汁抜きが必要な理由でもある。ナルトサワギクなどは、これを食べた家畜が中毒死したなどの報告がある。

アサギマダラなどのマダラチョウの仲間は、一部の植物の花の蜜から特定のピロリジジンアルカロイドを摂取して体内に蓄えている[4]。これは、敵からの防衛のためであると共に、オスが放出する性フェロモンの原料ともなっていることが明らかとなっている[5]

ピロリジジンアルカロイドの一覧

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ピロリジジンアルカロイドを含む植物種

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- リストは不完全。

脚注

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  1. ^ Foodborne Pathogenic Microorganisms and Natural Toxins Handbook: Pyrrolizidine Alkaloids”. Bad Bug Book. United States Food and Drug Administration. July 11 2009閲覧。
  2. ^ Schoental, R. (1968). “Toxicology and Carcinogenic Action of Pyrrolizidine Alkaloids”. Cancer Res. 28: 2237-2246. PMID 4302035. http://cancerres.aacrjournals.org/content/28/11/2237. 
  3. ^ a b c Fu, P.P., Yang, Y.C., Xia, Q., Chou, M.C., Cui, Y.Y., Lin G. (2002). “Pyrrolizidine alkaloids-tumorigenic components in Chinese herbal medicines and dietary supplements”. J. Food Drug Anal. 10 (4): 198-211. オリジナルの2012年1月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120105233916/http://www.fda.gov.tw/files/publish_periodical/10-4-1.PDF. 
  4. ^ 広島大学生物圏科学研究科・化学生態学研究室. “化学防衛に関わる物質 - マダラチョウ類の体内蓄積”. 2012年7月20日閲覧。
  5. ^ 広島大学生物圏科学研究科・化学生態学研究室. “配偶行動に関わる物質 - マダラチョウ類雄成虫の発香器官分泌物”. 2012年7月20日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ Wiedenfeld H, Andrade-Cetto A (2001). “Pyrrolizidine alkaloids from Ageratum houstonianum Mill.”. Phytochemistry 57 (8): 1269-1271. doi:10.1016/S0031-9422(01)00192-3. PMID 11454357. 
  7. ^ a b c d e f g h The MERCK Vetinary Manual, Table 5. Important Poisonous Vascular Plants of Australia”. Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc.. 2010年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月20日閲覧。
  8. ^ Rizk A. M. (1990). Naturally Occurring Pyrrolizidine Alkaloids. Boca Raton, FL, USA: CRC Press. ISBN 978-0849346507 
  9. ^ Yeong ML, Swinburn B, Kennedy M, Nicholson G (1990). “Hepatic veno-occlusive disease associated with comfrey ingestion”. J. Gastroenterol. Hepatol. 5 (2): 211-214. doi:10.1111/j.1440-1746.1990.tb01827.x. PMID 2103401. 

外部リンク

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