ピリジニウム
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ピリジニウム | |
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pyridinium | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 16969-45-2 [PubChem] |
PubChem | 4989215 |
ChemSpider | 4169387 |
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特性 | |
化学式 | C5H6N |
モル質量 | 80.11 g mol−1 |
酸解離定数 pKa | ~5 (共役酸に対して)[1][2] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピリジニウム(Pyridinium)は、[C5H5NH]+で表されるカチオンである。ピリジンの共役酸である。ピコリン、ルチジン、コリジン等、置換ピリジンを含む多くの関連カチオンが知られている。これらは、ピリジンを酸で処理することで得られる[3]。
ピリジンは、化学反応における有機塩基としてしばしば用いられ、ピリジニウム塩は多くの酸-塩基反応で作られる。その塩はしばしば有機溶媒に不溶であり、そのためピリジニウム脱離基複合体の析出は、反応の進行を示す。ピリジニウムイオンはまた、フリーデル・クラフツ アシル化反応においても役割を果たす。ピリジンが含まれると、求電子的なアシル基と複合体を形成し、より反応性を高くする。ピリジニウムカチオンは、ヒュッケル則に基づく芳香族イオンであり、ベンゼンと等電子的である[4]。
N-アルキルピリジニウムカチオン
[編集]酸性プロトンがアルキル基で置換されると、その化合物はN-アルキルピリジニウムと呼ばれる。単純な例は、N-メチルピリジニウム[C5H5NCH3]+である。商業的な観点から重要なピリジニウム化合物は、除草剤のパラコートである[5]。
脚注
[編集]- ^ Linnell, Robert (1960). “Notes ? Dissociation Constants of 2-Substituted Pyridines”. Journal of Organic Chemistry 25 (2): 290. doi:10.1021/jo01072a623.
- ^ Pearson, Ralph G.; Williams, Forrest V. (1953). “Rates of Ionization of Pseudo Acids.1V. Steric Effects in the Base-catalyzed Ionization of Nitroethane”. Journal of the American Chemical Society 75 (13): 3073. doi:10.1021/ja01109a008.
- ^ George A. Olah, Michael Watkins (1978). “Fluorinations With Pyridinium Polyhydrogen Fluoride Reagent: 1-Fluoroadamantane”. Org. Synth. 58: 75. doi:10.15227/orgsyn.058.0075.
- ^ “Aromatic Compounds”. Alex Roche, Rutgers University. 2021年7月14日閲覧。
- ^ Shimizu, Shinkichi; Watanabe, Nanao; Kataoka, Toshiaki; Shoji, Takayuki; Abe, Nobuyuki; Morishita, Sinji; Ichimura, Hisao (2005), "Pyridine and Pyridine Derivatives", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, doi:10.1002/14356007.a22_399。