ピアニストと歌手のためのローベルト・シューマン国際コンクール
ピアニストと歌手のためのローベルト・シューマン国際コンクール (Der Internationale Robert-Schumann-Wettbewerb für Klavier und Gesang)[注釈 1] は、ドイツのツヴィッカウで続けられているピアノ部門と声楽部門から成る若手音楽家のための国際コンクール[1]。デュッセルドルフで行われている若いピアニストのためのローベルト・シューマン国際コンクールではない。かつて弦楽四重奏部門もあったが打ち切られている。3-4年に一度開催される。2024年開催の次の年度は2027あるいは2028年になるため未定となっている。
概要
[編集]1956年に東ドイツのツヴィッカウで開始された国際コンクールで、1961年に国際音楽コンクール世界連盟に加盟、AAFには2011年に加盟した。新型コロナウイルス流行のため2021年だけはオンラインピアノコンクール[2]になったが、2024年からはまた公開演奏のためのコンクールに戻っている。
ピアノ部門
[編集]指定された2016年度の課題曲のセットは一次25-30分、二次35-45分を演奏後、本選でシューマンのピアノ協奏作品3曲の中から指示に従ってOp.54あるいはOp.92とOp.134の組からどちらか一方を選択しなければならない。一次と二次の課題曲は詳細に曲目の指定がなされる。
無理して難曲を演奏する必要はないので、毎回多くのコンテスタントを集めている。2016年の課題曲指定では、シューマンのOp.3あるいはOp.10が必修になっており、幾多の国際ピアノコンクールの中でも非常に珍しい。
シューマンの作品のみで争うコンクールではまったくないので注意が必要である。
受賞後にシューマン演奏に取り組む者や、大きくシューマン演奏でクローズアップされる人材もいるが、シューマンピアノ作品全集を完結させた受賞者は、今のところエリック・ル・サージュ唯一人である[3]。
声楽部門
[編集]1969年からチャイコフスキー国際コンクール同様、男女別にされている。
受賞者
[編集]ピアノ
[編集]Year | |||
---|---|---|---|
1956年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 (Ex aequo) |
Annerose Schmidt | Irina Sijalova | Lidia Grychtołówna | |
Mikhail Voskresensky | |||
1960年 | No piano category | No piano category | No piano category |
1963年 | 第一位 | 第二位 (Ex aequo) | 第三位 |
Nelly Akopian-Tamarina | Rutka Carakcieva | Aniko Szegedi | |
ペーター・レーゼル | |||
1966年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 (Ex aequo) |
エリソ・ヴィルサラーゼ | Svetlana Navasardyan | Raina Padareva | |
Evgenia Sachareva | |||
1969年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Dezső Ránki | Tatyana Ryumina | Okitaka Uehara | |
1974年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Pavel Egorov | ディーナ・ヨッフェ | Petru Grossmann | |
1977年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Emma Tahmizian | Dana Borşan | Christoph Taubert | |
1981年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 (Ex aequo) |
Yves Henry | Susanne Grützmann | Kalle Randalu | |
Balázs Szokolay | |||
1985年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Tamriko Siprashvili | Zuzana Paulechová | Mzija Gogashvili | |
1989年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
エリック・ル・サージュ | Sachiko Yonekawa | アレクサンドル・メルニコフ | |
1993年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Temirzhan Yerzhanov | Eiji Shigaki | Corrado Rollero | |
1996年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 (Ex aequo) |
Mikhail Mordvinov | Dana Ciocarlie | Lyubov Gegechkori | |
Christian Seibert | |||
2000年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
奈良希愛 | Ulugbek Palvanov | Andrea Rebaudengo | |
2004年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Akiko Yamamoto | Nicolas Bringuier | Soojin Ahn | |
2008年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Mizuka Kano | Akiko Nikami | Da Sol Kim | |
2012年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Aljoša Jurinić | Florian Noack | Luca Buratto | |
2016年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Tomoyo Umemura | Tiffany Poon | ||
Cheng Zhang | Maiko Ami |
声楽部門
[編集]弦楽四重奏部門
[編集]Year | |||
---|---|---|---|
1960年 | 第一位 | 第二位 | 第三位 |
Jan-Evert-Andersson-Quartett | Peter-Komlós-Quartett | Christian-Lucaß-Quartett |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 直訳はピアノと歌のための国際・ローベルト・シューマン・コンクールになるが、日本語で用いられることの多い国際コンクールといった単語の並びを考慮した訳出を行った。
出典
[編集]- ^ “受賞者一覧”. www.schumann-zwickau.de. ローベルト・シューマン・ハウス・ツヴィッカウ. 2024年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月15日閲覧。
- ^ “コンクール”. www.schumann-zwickau.de. ローベルト・シューマン・ハウス・ツヴィッカウ. 2023年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月15日閲覧。
- ^ “SCHUMANN PROJECT: THE COMPLETE SOLO PIANO MUSIC”. outhere-music.com. Alpha Classics (2013年4月22日). 2024年5月15日閲覧。