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ビデオ・ゲーム・ミュージック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『VIDEO GAME MUSIC』
ナムコサウンドトラック
リリース
録音 LDKスタジオ[1]
ジャンル ゲームミュージック
時間
レーベル アルファレコード/¥ENレーベル(レコード)
ポニーキャニオンサイトロンディスク(CD)
プロデュース 細野晴臣
チャート最高順位
ナムコ アルバム 年表
-VIDEO GAME MUSIC
1984年
SUPER XEVIOUS
(1984年)
細野晴臣 年表
フィルハーモニー
1982年
花に水
1984年
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ビデオ・ゲーム・ミュージック』(VIDEO GAME MUSIC)は、日本初のゲームミュージックサウンドトラック作品で、細野晴臣プロデュースのアルバムである。ナムコが1980年から1983年にリリースしたアーケードゲームのBGM・効果音を収録している。

解説

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1983年11月[3]、『ゼビウス』のファンであった細野晴臣が開発者の遠藤雅伸と、雑誌『ログイン』の野々村文宏の仲介で対談し[4]、その模様が同誌1984年2月号に掲載された。その席で、細野は『ゼビウス』のBGMも気に入っており、ローランド MC-8でBGMを再現して遊んでいたと告白[5]。この対談がきっかけで、ゲームミュージックのアルバム制作の機運が盛り上がる[6]

前例のないアルバムのため、プロジェクトの開始までに時間がかかったが、1984年2月中旬にレコーディング開始[1]基板からPCM形式で音を直接ライン収録する手法が採られ[7]、手間を要したものの最終的には収録から編集まで2週間で終了した[3]。なお、遠藤も音源制作に協力している。

発売後は初週5700枚を売り上げる好セールスを記録し、オリコンチャート初登場19位に入る快挙を達成した[3]

当初はレコードカセットテープのみの発売であったが、1986年4月25日に『ザ・ベスト・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック』として初CD化(1985年発売『ザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック』のA面とカップリング収録)。また1996年12月24日には、¥ENレーベル作品のボックスCD『¥EN BOX VOL.2』に、『スーパーゼビウス』とともに収録。

2001年にはサイトロンディスクより、アルバム単体でのCD化がなされた。このCD化にあたっては、復刻版ライナーノーツのほか、当時の制作事情や収録ゲームのエピソードなどを記載した新たな冊子が同梱されている。

収録曲

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SIDE A

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  1. XEVIOUS(作曲:慶野由利子
    • ゲームセンターの喧噪から始まり、ゼビウスのプレイ中の音を収録。その後BGMと効果音を用いたリミックスに続き、最後に2 - 5位ネームレジストが流れ、フェードアウトして終わる。
    • 冒頭の喧噪は、実際にゲームセンターで収録を行ったもの[3]。そのため、『ハイパーオリンピック』や『マリオブラザーズ』などの他社作品の音も、まぎれて収録されている。
    • タイトルは「ゼビウス」であるが、収録に使われたのは『スーパーゼビウス』の基板である[8]
    • 慶野は後にゲームが連射モードで収録されてると指摘、「ディップスイッチの設定1つで直ったのに」と収録に立ち会えなかったことを残念がっていた[7]
  2. BOSCONIAN(作曲:大野木宜幸
    • ほぼ効果音とボイスで構成されている。サウンドテストで「レバーを左に入れた状態で、時計回りに5回転させ、手前に来たらレバーを離す」と、同じ音を出すことができる[9]
  3. PAC-MAN(作曲:甲斐敏夫)
  4. PHOZON(作曲:慶野由利子)
  5. MAPPY(作曲:大野木宜幸)
    • 一部効果音がステレオ化されている(本来ゲームでは全てモノラル)。
    • ラウンド中にターゲットは10個までしか存在しないが、ターゲット取得音が11回鳴らされている[10]

SIDE B

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  1. LIBBLE RABBLE(作曲:大野木宜幸)
    • BGMと効果音を用いたリミックス・バージョンを収録。
  2. POLE POSITION(作曲:大野木宜幸)
  3. NEW RALLY-X(作曲:大野木宜幸)
  4. DIG DUG(作曲:慶野由利子)
    • アナログ盤のオビでは「デグダグ」と誤記されている。
  5. GALAGA(作曲:大野木宜幸)
    • BGMと効果音のほか、シンセサイザーも加えたアレンジ・バージョンを収録。遠藤が終盤の展開を「ミッドナイトハイウェイ」と表現している[3]

補足

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  • レコードジャケットの人物の顔は、『ゼビウス』AREA 5の埠頭の写真に、口をつけたもの。ただし初期盤には口が無く、身体部分のイラストの色も異なっている。2001年版CDのジャケットは口付きのレコードと同じデザインだが、ライナーノーツを裏返してケースに入れ直すと、初期盤のデザインに変更出来る。また、この人物は当時のナムコットのCMにも細野晴臣と一緒に登場している。なお、カセットテープのジャケットは単純に『ポールポジション』のゲーム画面のみ。
  • ライナーノーツには野々村文宏中沢新一が寄稿している。
  • 1984年5月10日には、ナムコ直営のゲームセンター「プレイシティキャロット田町店」に細野・遠藤両名を招き、松居直美三田寛子進行のもとテレビ生中継(TBSテレビ生だ!おもしろ特急便』)[11]で本作が紹介された[3]

脚注

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  1. ^ a b 「祝 細野晴臣・監修による魅惑の円盤 VIDEO GAME MUSIC 所謂音響記念碑的作品、堂々完成」『月刊ログイン』第3巻第5号、株式会社アスキー、1984年5月、67頁。 
  2. ^ オリジナル・コンフィデンス『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』1990年、353頁。ISBN 4871310256 
  3. ^ a b c d e f 株式会社ナムコNG編集室「ビデオゲームミュージック発表報告」『季刊NG』第6号、1984年7月25日、9頁。 
  4. ^ 太田出版「遠藤雅伸ロングインタビュー」『CONTINUE』第15号、2004年、ISBN 4872338529 
  5. ^ 「ビデオゲーム通信」『月刊ログイン』第3巻第2号、株式会社アスキー、1984年2月、126頁。 
  6. ^ 「祝 細野晴臣・監修による魅惑の円盤 VIDEO GAME MUSIC 所謂音響記念碑的作品、堂々完成」『月刊ログイン』第3巻第5号、株式会社アスキー、1984年5月、66頁。 
  7. ^ a b 大陸新秩序 (2020年2月27日). “「ゼビウス」「ディグダグ」の楽曲を手掛けた慶野由利子氏が語るナムコサウンド。トークイベント「The Art Of Video Game」をレポート”. 4Gamer.net. 2023年3月26日閲覧。
  8. ^ マイコンBASICマガジン編集部『マイコンSUPER SOFT MAGAZINE』 5月号、電波新聞社、1984年、11頁。 
  9. ^ 西島孝徳『新明解ナム語辞典』1987年12月1日、201頁。ISBN 9784930795861 実際には、サウンドテストを「01」 - 「19」の順に行い、最後に「00」を行うことで再現される。
  10. ^ 「祝 細野晴臣・監修による魅惑の円盤 VIDEO GAME MUSIC 所謂音響記念碑的作品、堂々完成」『月刊ログイン』第3巻第5号、株式会社アスキー、1984年5月、68頁。 
  11. ^ 朝日新聞(東京版)・産経新聞(岡山版)1984年5月10日。同番組の内容に「細野晴臣テクノゲーム」の記述がある。なお、ローカルセールス枠だったため、山陽放送中国放送など同時ネットした局と、毎日放送大阪ガス一社提供『鶴瓶のぐるぐるグルメ』に差し替え)、中部日本放送(外国テレビドラマ『アーノルド坊やは人気者』に差し替え)など独自編成とした局とがあった。