ビタミンK欠乏性出血症
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ビタミンK欠乏性出血症(英: vitamin K dependent bleeding、VKDB)は、新生児から乳児期にみられる出血症の一種で、ビタミンKの欠乏が原因の出血症を指す。ビタミンKは血液凝固において重要な役割を果たす脂溶性ビタミンであり、新生児期に特に欠乏しやすいため、適切に補充されない場合は一定の確率で出血症を惹き起こす。
分類
[編集]国際的には出生後24時間以内に発症するものを早発型(early onset form)、生後24時間から7日後までに発症するものを古典型(classical form)、それ以降に発症するものを遅発型(late onset form)と呼んでいる。
症状
[編集]出生直後にみられる早発型では吐血や下血、頭蓋内出血で発症することが多い。古典型は第2~4生日に新生児メレナ(下血)で発症することが多い。一方遅発型ではその8割以上が頭蓋内出血で発症し、非常に予後は不良である。
原因
[編集]成人であれば腸内細菌叢によってビタミンKが合成されており、ビタミンK欠乏症に至ることは少ない。しかし新生児の腸内細菌叢は未熟であり、自力でビタミンKを補充することができない。そしてビタミンKは胎盤移行性が悪く、母乳中の含有量も少ない。また母乳中のビタミンKの含有量には個人差が大きく、ほとんどビタミンKを含有していない場合もある。以上の理由により、新生児から乳児にかけてビタミンKが欠乏しやすく、ビタミンK欠乏性出血症を発症する。
予防
[編集]出生後から生後3ヶ月まで、1週間おきにビタミンK2シロップ1mL(2mg)を経口投与する。なお、シロップは高浸透圧であるため、初回と2回目は滅菌水で10倍に希釈してもよい。
参考文献
[編集]- 「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版)」
- 小児科学レクチャー Vol3 No1 2013 「新生児医療 Q&A」