ヒンドゥトヴァ
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インド哲学 - インド発祥の宗教 |
ヒンドゥー教 |
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ヒンドゥトヴァ(ヒンディー語: हिन्दुत्व, 英語: Hindutva)はヒンドゥー・ナショナリズムの核となる概念。ヴィナーヤク・ダーモーダル・サーヴァルカルが1923年に刊行したパンフレット『Hindutva: Who Is a Hindu?』で明らかにした。英語では「Hinduness」(ヒンドゥー性)とも表現される。なお日本語表記には ヒンドゥトゥヴァ、ヒンドゥトゥワ、ヒンドゥットゥヴァ などと揺れがみられるほか、ヒンドゥー・ナショナリズムと共に ヒンドゥー至上主義 とされる場合もある。
概念
[編集]その概念は次のようなものである。
- 文化的ナショナリズム(Cultural nationalism、インドの一体性を強調する)
- 脱植民地化(Decolonization、ムスリムとキリスト教徒による植民地化に反対する
- 社会正義(カースト差別や不可触民制度に反対する[1][2])
- 統一民法(Uniform Civil Code)の制定[3]
- ヒンドゥー教徒の権益擁護(Protection of Hindu interests、特にジャンムー・カシミール州のヒンドゥー教徒[7]に対する民族浄化に反対[8]する)
団体・政党など
[編集]ヒンドゥトヴァを掲げる最大の団体は民族義勇団(RSS)であり、最大の政党はインド人民党(BJP)である。これらの諸団体をサン・パリヴァール(संघ परिवार, 英訳はFamily of Associations で「諸団体の一家」といった意味)と呼ぶ。またシヴ・セーナーはサン・パリヴァールの一員ではないが、インド人民党との選挙協力を通じて密接な関係を保っている。シク教の宗教政党であるアカリ・ダル(SAD)との関係にも似た点がある[9]。
備考・出典
[編集]- ^ M. G. Chitkara 2004, Rashtriya Swayamsevak Sangh, Published by APH Publishing, ISBN 81-7648-465-2, ISBN 978-81-7648-465-7 (Quoting Late RSS leader Balasaheb Deoras "If untouchability is not a sin, nothing is a sin").
- ^ Organize under Dalit leadership: RSS 「ザ・タイムズ・オブ・インディア」の記事
- ^ BJP leader, Rajnath Singh demanding Uniform Civil Code
- ^ http://www.expressindia.com/news/fullstory.php?newsid=23591
- ^ Uniform civil code will divide the country on communal lines: Congress
- ^ Shah Bano Case
- ^ en:Kashmiri Pandit(カシミールに所在するバラモンのコミュニティ)を参照。
- ^ en:Wandhama massacre(1998年にワンダーマで発生した虐殺事件)を参照。
- ^ SAD-BJP Alliance helped bridge Hindu Sikh gap Archived 2007年9月29日, at the Wayback Machine. Indian Express
参考文献
[編集]- 小川忠『ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭』(NTT出版,2000年)
- 中島岳志『ヒンドゥー・ナショナリズム―印パ緊張の背景』(中公新書ラクレ,2002年)
- 間永次郎「V・D・サーヴァルカルのヒンドゥトヴァ思想の系譜―その生涯における四つの〈死〉」『宗教研究』第98巻第2輯([[日本宗教学会],2024年)
関連項目
[編集]- インド人民党
- 民族義勇団
- インドにおけるイスラーム - 批判対象。
外部リンク
[編集]- Hindutva(ラール・クリシュナ・アードヴァーニー(インド人民党元総裁)によるヒンドゥトヴァの英語解説)