ヒメヒゴタイ
ヒメヒゴタイ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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石川県能登半島 2019年9月下旬
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Saussurea pulchella (Fisch. ex Hornem.) Fisch.[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ヒメヒゴタイ(姫平江帯)[5][6] |
ヒメヒゴタイ(姫平江帯、学名:Saussurea pulchella)は、キク科トウヒレン属の二年草[2][5][7]。
特徴
[編集]根は太く、紡錘形で垂直に伸びる。茎は直立し、高さは30-150cmになり、茎は上部でよく分枝する。根出葉と下部の茎葉は花時には枯れて生存しない。茎の中部につく葉は草質で、葉身は楕円形から狭楕円形になり、長さ12-18cmになり、羽状に深裂して6-10対の裂片になるか鋸歯縁になるが、中部から上部の葉は全縁となり、小型のものは全体に全縁葉のみがつくことがある。葉の両面に腺点と多細胞の短褐色毛が生える。葉柄は長さ3-6cmになり、基部は茎に流れて狭い翼になるときがある[2][5][7][8]。
花期は8-10月。頭状花序は散房状または円錐状に多数が密集してつき、頭花の径は12-16mmになり、花柄は長さ10-35mmになり、細い。総苞は長さ11-13mm、径10-11mmになる球形から幅の広い鐘形で、くも毛があり、基部に1列の狭卵形の苞葉がある。総苞片は8-9列あり、狭卵形で、すべての総苞片の先端に淡紅紫色の付属体があって、中片と内片の付属体は円形、外片の付属体は楕円形で小さい。総苞外片は卵形で、長さは2-3mmになる。頭花は筒状花のみからなり、花冠の長さは11-13mm、色は紅紫色で腺点がある。果実は長さ3.5-4.5mmになる痩果で、象牙色になり、紫褐色の条と斑点がある。冠毛は2輪生で、落ちやすい外輪は長さ1.5mm、花後にも残る内輪は長さ7-8.5mmになる[2][5][7][8]。
分布と生育環境
[編集]日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低山から山地の草原、または海岸草原の、日当たりのよい草地や林縁に生育する[2][5][7]。世界では、朝鮮半島、中国大陸(東北部・中部)、モンゴル、サハリン、ロシア沿海地方に分布する[2]。
名前の由来
[編集]和名ヒメヒゴタイは、「姫平江帯」の意[6][5]。ヒゴタイに比べて小型であることからいう[8]。ただし、本種とヒゴタイは姿、形は似ていなく[9]、ヒゴタイは別属のヒゴタイ属に属する。
種小名(種形容語)pulchella は、「美しい」「愛らしい」の意味[10]。
種の保全状況評価
[編集]絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
(2017年、環境省)
ギャラリー
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頭花は長さ10-35mmの柄で散房状または円錐状に密につく。総苞片の先端に付属体がつく。
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総苞は球形から幅の広い鐘形で、基部に1列の狭卵形の苞葉があり、総苞片は8-9列ある。付属体は淡紅紫色。
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海岸草原の風衝地に生えるものは背丈が低い。
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今年は花茎が立たない個体の根出葉。
下位分類
[編集]類似の種
[編集]日本におけるトウヒレン属のうち、ヒメヒゴタイ節 Sect. Theodorea に属する種を次に示す。
- サドヒゴタイ Saussurea nakagawae Kadota[2] - 佐渡島の特産で、海岸に近い草原に生育する。草丈70-150cm。総苞は鐘形から筒形、総苞基部に5列の苞葉がある。総苞片は11-12列、先端の付属体は円形[2]。2017年新種記載。
- ヒナヒゴタイ Saussurea japonica (Thunb.) DC. - 九州、朝鮮半島、中国大陸、台湾、モンゴルに分布し、低山や海岸の草原に生育する。草丈50-200cm。総苞は筒形から狭筒形で径5-8mm、総苞基部に1列の苞葉がある。総苞片は8-9列、先端の付属体は中片と内片は円形、外片は小さい楕円形。絶滅危惧IB類 (EN)(2017年、環境省レッドリスト)[2]。
脚注
[編集]- ^ ヒメヒゴタイ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f g h i j k l m 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.258
- ^ ヒメヒゴタイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ヒメヒゴタイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.559
- ^ a b 『東北のアザミとその仲間たち』p.90
- ^ a b c d 『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプタンツ(増補改訂新版)』p.63
- ^ a b c 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1132
- ^ 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.255
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1509
- ^ シロバナヒメヒゴタイ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
参考文献
[編集]- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 矢原徹一他監修『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプタンツ(増補改訂新版)』、2015年、山と溪谷社
- 国京潤一著『東北のアザミとその仲間たち』、2016年
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム