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ヒメセミエビ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒメセミエビから転送)
ヒメセミエビ属
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目 Decapoda
: セミエビ科 Scyllaridae
亜科 : ヒメセミエビ亜科 Scyllarinae
: ヒメセミエビ属 Scyllarus
学名
Scyllarus Fabricius1775

ヒメセミエビ(姫蝉海老)はセミエビ科ヒメセミエビ属 Scyllarus に分類されるエビの総称。熱帯亜熱帯域の浅海に生息する底生のエビ類で、多くの種類がある。日本沿岸には9種が分布し、その中の1種 Chelarctus cultrifer (Ortmann1891) に「ヒメセミエビ」の和名が充てられる。

体長はどの種類も数 - 10cmほどで、セミエビ科としては小型だが、他のセミエビ科のエビ類と同様に体が扁平で、厚い甲に覆われる。セミエビに似るが体が小さいためにこの和名があるが、大きさからするとこちらの方がセミに近い。体の両縁にはセミエビ同様にがないが、第2触角には鋸状の歯がある点でセミエビと区別する。種類によって体の突起や第2触角の鋸歯の数、歩脚の不完全ななどの差異がある。

全世界の熱帯・亜熱帯域に分布し、浅海の岩礁やサンゴ礁に生息する。昼は岩やサンゴの陰に潜み、夜に海底を歩行し活動する。

日本では本州中部以南に分布する。イセエビ用の刺し網など沿岸漁業で混獲されるが小型で漁獲量も少なく、一般には食用とはしない。

分類

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かつて、ヒメセミエビ亜科 Scyllarinae はヒメセミエビ属 Scyllarus のみからなる単型亜科だった。だが、2002年にヒメセミエビ属は大規模な再編を受け、多くの種が別属へ分割された[1]GODACの資料では現在でもScyllarus 属をヒメセミエビ属としているが、実際にはヒメセミエビはこの属に属していない[2]

以下にヒメセミエビ亜科の分類を示す。現生種として13属52種が属する[3]。和名は関口 (2009) などによる[4][5]

原田英司は、日本沿岸で新種2種を含む7種の分布を確認した(1962年)。20世紀末の時点では9種、2009年には11種の生息が確認されている[4]

系統

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次のような系統樹が得られている[6]

シンカイヒメセミエビ属

コブヒメセミエビ属

カトウヒメセミエビ

フタバヒメセミエビ属

カブトヒメセミエビ属AntarctusRemiarctus 属を含む)

エクボヒメセミエビ属

Scyllarus 属の一部

Scyllarus+Acantharctus 属の一部

Gibbularctus

Biarctus

コブヒメセミエビ属の一部+Acantharctus 属の一部

参考文献

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  1. ^ Holthuis, Lipke Bydeley. (2002), The Indo-Pacific scyllarine lobsters (Crustacea, Decapoda, Scyllaridae), Muséum national d'Histoire naturelle 
  2. ^ Chelarctus Holthuis, 2002 in BiSMAL”. 2015年1月30日閲覧。
  3. ^ "Scyllarinae Latreille, 1825". World Register of Marine Species. 2015年1月30日閲覧
  4. ^ a b 関口秀夫, 木村昭一, 井上誠章 (2009). “本邦水域の初記録および希種のヒメセミエビ類4種”. タクサ: 日本動物分類学会誌 26: 1-11. NAID 110008511451. 
  5. ^ 南半球の魚図鑑 The pictorial books->スリナム・ギアナ沖の甲殻類および軟体類”. 2015年1月30日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ Yang, Chien-Hui, et al. (2012). “Phylogenetic relationships, character evolution, and taxonomic implications within the slipper lobsters (Crustacea: Decapoda: Scyllaridae)”. Molecular phylogenetics and evolution 62 (1): 237-250. doi:10.1016/j.ympev.2011.09.019.