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ヒゲネワチガイソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒゲネワチガイソウ
栃木県北部 2017年5月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ナデシコ科 Caryophyllaceae
: ワチガイソウ属 Pseudostellaria
: ヒゲネワチガイソウ
P. palibiniana
学名
Pseudostellaria palibiniana (Takeda) Ohwi[1]
和名
ヒゲネワチガイソウ(髭根輪違草)[2][3]

ヒゲネワチガイソウ(髭根輪違草、学名:Pseudostellaria palibiniana)は、ナデシコ科ワチガイソウ属多年草[2][3][4]

特徴

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小型の多年草。紡錘状に肥厚したが1-4個あり、細いひげ状の根もある。は単生するか束生し、分枝しないで直立して高さ10-20cmになり、2列の短毛が生える。は質が薄く、上部と中部以下の2型がある。上部のものは2対が接近して十字状に対生してつくため輪生状に見え、広楕円形から広円形で、長さ4.5-8cm、幅1.8-3cmになり、先端は鋭頭から鋭尖頭で、縁は波打つ。中部以下の1-4対の葉はまばらに対生し、線状へら形で長さ2.5cm、幅0.3-1.3cmになり、基部が狭まり、基部を除き両面に毛は無い[2][4]

花期は4-5月。の径は約1cm、1個が茎先につき、花柄は細く長さ2-2.5cmになり、毛は無い。片は5-7個、線状披針形から楕円状披針形になり長さは4-6mm、先端は鋭頭になり、背面に毛は無い。花弁は白色で5-7個、線状へら形から倒披針形で長さ5-8mm、先端は鋭頭でへこまない。雄蕊は10-14個あり、葯は暗赤褐色になる。花柱は2-3個ある。果実は蒴果となり、やや球形で径約5mmになり、3裂するか開裂しない。種子は褐色で、円形から扁円形で扁平、径約2mmで円錐状突起がある。下部の葉腋に少数の閉鎖花がつく[2][4]

上部の葉が十字状に対生するようすは同属ワダソウに似るが、本種の花柄には毛が無く、萼片と花弁が5-7個つき、花弁の先端が2裂しないことで異なる[2][4][5]。また、本種の上部の葉の遅春から夏型は、下の写真のように幅が広くなる[5]

分布と生育環境

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日本では本州(東北地方から中部地方)、四国(徳島県、愛媛県、高知県)に分布し、平野部の丘陵地から山地の夏緑林の林内や林縁に生育する。国外では朝鮮半島に分布する[4]

名前の由来

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ヒゲネワチガイソウのヒゲネは、「髭根」の意で、ワチガイソウの仲間で主根に細いひげ状の根があることによる[2]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ ヒゲネワチガイソウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.93
  3. ^ a b 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.261
  4. ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物 4』p.116
  5. ^ a b 『いわき植物誌』p.151

参考文献

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