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パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦
海上自衛隊横須賀基地を出港する「フランチェスコ・モロシーニ」(2023.6.27)
海上自衛隊横須賀基地を出港する「フランチェスコ・モロシーニ」(2023.6.27)
基本情報
種別 多目的海洋哨戒艦 (PPA)[1][注 1]
命名基準 イタリア出身の軍人、軍師
建造所 フィンカンティエリ
リヴァ・トリゴソ造船所イタリア語版[2]
運用者  イタリア海軍
建造期間 2017年 - 2026年(予定)
就役期間 2022年 - 現在
同型艦 3隻
計画数 16隻
建造数 7隻
前級 カルロ・ベルガミーニ級
要目
満載排水量 5,830t
6,270t(哨戒型[1]
全長 143m
132.5m(哨戒型[1]
最大幅 16.5m[1]
吃水 5.0m[1]
機関方式 CODAG方式[1]
主機
推進器 2軸
出力 70,340馬力
速力 31.6ノット
航続距離 5,000海里/15ノット
乗員 90名+便乗者53人(哨戒型[1]
120名(重武装型)
兵装 #兵装を参照
搭載機 NH90ヘリコプター×2機[1]
レーダー Iバンド多機能レーダー[1]
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パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦(パオロ・タオン・ディ・レヴェルきゅうしょうかいかん、: Classe Thaon di Revel)とは、イタリア海軍哨戒艦の艦級[注 1]

概要

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21世紀初頭のイタリア海軍は、フランスと共同開発したカルロ・ベルガミーニ級フリゲートを建造・配備するなど水上戦闘艦の更新に注力しているが、任務の多様化に連れてフリゲートの多機能化が求められる様になり、多機能性を重視して開発・建造されたのが本級である。

設計

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船体

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艦首はステップ・バウ(ウェーブ・ピアジング・バウ)と呼ばれる二重の艦首で、水線長を長くして推進効率を高める効果があるとされている[1]。艦首にはバウスラスターを有する。艦体は鋼鉄製で、上構はアルミ合金製である[1]。また上部構造物の形状と規模も大きく変わっており、それに伴いレーダー配置も変更されている。哨戒型の艦内には、53人分の便乗者の居住区画が設けられている[1]

機関

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機関は前級と異なり、ゼネラル・エレクトリック社が開発したLM2500ガスタービンエンジン1基とMTUフリードリヒスハーフェン社が開発したMTU 20V8000M91Lディーゼルエンジン2基を組み合わせたCODAG方式を採用しており、機関出力の違いもあって前級に比べて速力で勝っている。

装備

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装備は、哨戒型(Light)、中間型(Light-Plus)、重武装型(Full)の3種類に分けられる[1]

艦砲は共通してオートメラーラ社製の64口径127mm単装砲62口径76mm単装砲の組み合わせを搭載しており、機銃としてはエリコン社製のKBA25mm単装機銃を搭載する。

ミサイルは哨戒型がテセオ艦対艦ミサイルのみを搭載するのに対し、中間型と重武装型はアスター艦対空ミサイルとそれを収めるシルヴァーA50VLS16セルを搭載し、対空戦闘能力を強化している。

艦載機は、NH90ヘリコプターを2機搭載する[1]

兵装

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形式 哨戒艦(Light) 中間型(Light-Plus) 重武装型(Full)
砲熕兵器 127mm単装速射砲×1基
76mm単装速射砲×1基
エリコンKBA 25mm単装機銃×2基
ミサイル テセオ艦対艦ミサイル連装発射筒×4基
シルヴァーA50 VLS 8セル×2基(アスター艦対空ミサイル用)
水雷兵器
324mm三連装魚雷発射管×2基(MU90短魚雷用)

同型艦

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東シナ海において海上自衛隊と共同訓練を実施中の「フランチェスコ・モロジーニ」(2023.7.3)
RIMPAC2024に参加中の「ライモンド・モンテクッコリ」(2024.7.22)

イタリア海軍は7隻の建造を予定している[1]。艦名はイタリア出身の軍人や軍師から採られており、過去にもイタリア海軍の軍艦の艦名に用いられた。

形式 艦番号 艦名 起工 進水 就役
Light P-430 パオロ・タオン・ディ・レヴェル英語版イタリア語版
Paolo Thaon di Revel
2017年
5月9日
2019年
6月15日
2022年
3月18日
Light P-431 フランチェスコ・モロシーニ英語版イタリア語版[1]
Francesco Morosini
2018年
2月16日
2020年
5月22日[1]
2022年
10月22日
Light-Plus P-432 ライモンド・モンテクッコリ英語版イタリア語版
Raimondo Montecuccioli
2018年
11月8日
2021年
3月13日
2023年
9月27日
Light-Plus P-433 マルカントニオ・コロンナ英語版
Marcantonio Colonna
2020年
9月3日
2022年
11月26日
2024年
12月予定
Full P-434 ジョバンニ・デレ・バンデ・ネッレ英語版
Giovanni delle Bande Nere
2019年
8月28日
2022年
2月12日
2024年
10月予定
Light-Plus P-435 ルッジェーロ・ディ・ラウリア
Ruggiero di Lauria
2021年
4月7日
2023年
8月予定
2025年
8月予定
Full P-436 ドメニコ・ミレリーレ
Domenico Millelire
2022年
4月
2024年
6月予定
2026年
8月予定

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 岡部 2021ではフリゲートに含めて扱いつつ「ライト型はロー・エンド寄りの哨戒艦OPVに近い性格の艦となり、新世代フリゲイトはOPVとの境界も不分明となっていくようである」と指摘している。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 海人社 2020.
  2. ^ Home Page”. fincantieri.it. 2016年12月8日閲覧。

参考文献

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  • 岡部いさく「フリゲイトの最新動向を俯瞰する (特集 30FFMと世界の新型フリゲイト)」『世界の艦船』第941号、海人社、69-75頁、2021年2月。 NAID 40022459308 
  • 海人社 編「伊新造哨戒艦「フランチェスコ・モロシーニ」進水!」『世界の艦船』第929号、海人社、16頁、2020年8月。 
  • 海人社 編『世界の海軍 2022-2023』970号、海人社、2022年4月。CRID 1522262181158890624 

関連項目

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