ハイチソレノドン
ハイチソレノドン | |||||||||||||||||||||||||||
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ハイチソレノドン Solenodon paradoxus
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Solenodon paradoxus Brandt, 1833[2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ハイチソレノドン[4] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Haitian solenodon[1][4] Hispaniolan solenodon[1][2] |
ハイチソレノドン(Solenodon paradoxus)は、哺乳綱真無盲腸目ソレノドン科ソレノドン属に分類される哺乳類。
分布
[編集]形態
[編集]頭胴長(体長)30 - 32センチメートル[4]。尾長21.5 - 24センチメートル[4]。頭部の背面は黒や暗褐色[2]。頸部に白い斑紋が入る[4]。
吻端に独特な関節(球窩関節)がある[2]。
分類
[編集]キューバソレノドンとは2500万年前に分岐したと推定されている[5]。
以下の亜種の分類は、Derbridge et al. (2015) とWoodman (2018) に従う[2][3]。分布はWoodman (2018) に従う[3]。
- Solenodon paradoxus woodi Brandt, 1833
- イスパニョーラ島(Neiba Valley以北)
- Solenodon paradoxus woodi Ottenwalder, 2001
- イスパニョーラ島(Neiba Valley以南)
生態
[編集]標高2,000メートル以下(主に1,000メートル以下)にある、広葉樹からなる湿潤林に生息する[2]。夜行性だが、薄明時や降雨後などでは日中に活動することもある[2]。昼間は岩の隙間や樹洞・本種自身が地面に掘った穴などですごす[4]。
主にサソリ・多足類などの節足動物を食べるが、甲殻類、陸棲の貝類、ミミズ、両生類・爬虫類・鳥類などの脊椎動物やその卵なども食べる[2]。飼育下ではマウスを殺して食べた例もある[2]。
捕食者としてメンフクロウ・ナンベイトラフズクAsio stygiusなどが挙げられ、外来種を含めるとイヌ・ネコなどにも捕食される[2]。
繁殖様式は胎生。1回に1 - 3頭の幼獣を産む[2][4]。飼育下では11年以上生存した個体もいる[4]。
人間との関係
[編集]2020年の時点では、以前考えられていたよりも広域(ドミニカ共和国広域)に分布していると考えられている[1]。一方で森林伐採や農地開発による生息地の破壊、イヌやネコなどによる捕食といった影響が懸念されている[1]。
出典
[編集]- ^ a b c d e Kennerley, R., Turvey, S.T. & Young, R. 2020. Solenodon paradoxus. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T20321A22327218. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-3.RLTS.T20321A22327218.en. Downloaded on 09 June 2021.
- ^ a b c d e f g h i j k l m Jonathan J. Derbridge et al., "Solenodon paradoxus (Soricomorpha: Solenodontidae)," Mammalian Species, Volume 47, Issue 927, 2015, Pages 100 - 106.
- ^ a b c Neal Woodman, “American Recent Eulipotyphla: Nesophontids, Solenodons, Moles, and Shrews in the New World,” Smithsonian Contributions to Zoology, Number 650, Smithsonian Institution Scholarly Press, 2018, Pages 1 - 107.
- ^ a b c d e f g h i 阿部永 「ハイチソレノドン」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2001年、142頁。
- ^ Alfred L. Roca, Gila Kahila Bar-Gal, Eduardo Eizirik, Kristofer M. Helgen, Roberto Maria, Mark S. Springer, Stephen J. O'Brien & William J. Murphy, “Mesozoic origin for West Indian insectivores,” Nature Volume 429, Nature Publishing Group, 2004, Pages 649 - 651.