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ノート:風の谷のナウシカ/諸設定文案

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諸設定

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(原)は原作に登場,(映)は映画版に登場 を意味する。

年代設定

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極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから千年余りが経過した未来の地球が舞台。人々の生活様式は、最終戦争以前(旧世界)の高度産業文明の産物を発掘し利用しつつも、中世から近世にかけての水準にまで退行している。

技術

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多くの科学技術が失われ、電子機器はもちろん電気も使用されておらず、通信技術としては 信号旗モールス信号のようなものが用いられている。乗り物として旧世界の技術の名残りである高性能な船(飛行機)が盛んに利用されているが、陸上ではトリウマなどの動物を利用する程度の移動手段しか残っていない。

風の谷

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主人公ナウシカの故郷である辺境の小国。人口は500人程度。海から吹き付ける風を動力として活用しながら、農業と採取活動により成り立っている。また、潮風により腐海の胞子から守られているが、わずかに届く腐海の毒は人々を確実に蝕んでおり、死産四肢硬化を引き起こしている。

漫画版では、自治権の保証と引き替えに、族長が招集に応じてガンシップで参戦するという盟約をトルメキアと結んでいる。

ナウシカ(原,映)
風の谷の姫。大気の流れを読み腐海の毒から人々を守り導く「風使い」の少女[1]。漫画では、王蟲やさまざまな虫と交信している。
ジル(原,映)
風の谷の族長でナウシカの父。身体を腐海の毒に侵されており、病の床にあった。原作ではその病によって死去するが、映画ではトルメキア兵に殺された。
ユパ・ミラルダ(原,映)
ジルの旧友でナウシカの師。腐海の謎を解くためにトリウマのカイ・クイとともに旅を続けている。剣豪で知られ、その腕は腐海辺境一と賞されており、また博識でもある。
ミト(原,映)
腐海の毒による四肢硬化により農作業を離れ城の守りに就いた「城オジ」の一人。ナウシカの忠臣。
大ババ(原,映)
齢100歳を超える腐海辺境一の年寄り。「大海嘯」の伝承を語る。
ゴル(映)、ギックリ(映)、ムズ(原)、ニガ(原,映)
城オジ達。ナウシカの初陣に同行する。

辺境諸国

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風の谷や砂の谷、ペジテなど、腐海のほとりにある小国群。人口は少ないが、産業文明の遺産であるガンシップという高性能小型戦闘機を所有している。漫画版ではトルメキアを盟主として同盟を結んでいる。 腐海のほとりということもあり、毎年多くの都市が腐海に飲み込まれ、人が住める土地が減っていっている。

トルメキア

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漫画版では風の谷東方に存在する王国、都はトラス。辺境の族単位の小国群を従えている。

映画版では風の谷からはるか西方に存在し、突然辺境諸国を征服しに来た軍事国家として描かれる。

クシャナ(原,映)
トルメキアの第4皇女。容姿端麗かつ優れた軍人であり第3軍(ヴ王親衛隊)の最高指揮官、トルメキアの誰よりも兵から絶大な信頼と忠誠を得ている。
クロトワ(原,映)
軍参謀でクシャナの部下。平民上がりの野心家。
3皇子(原)
クシャナの異母兄である3人の皇子の総称。
ヴ王(原)
トルメキア国王。シュワの科学力を手に入れる為に土鬼辺境へ侵攻した。

土鬼諸侯連合

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「土鬼」は「ドルク」と読む。映画版には登場しない。トルメキアと拮抗する勢力である宗教色の強い国家連合で、神聖皇帝とその下の官僚機構である僧会が侯国を統べている。

マニ族僧正(原)
マニ族の長で神聖皇帝より北上作戦の先遣隊として派遣されていたが、ナウシカ達を守ろうとして殺される。
ケチャ(原)
エフタル語を解するマニ族の娘。マニ族僧正の死後アスベルやユパと行動を共にする。
ミラルパ(原)
神聖皇弟。超常の力を持つために兄である神聖皇帝ナムリスを差し置いて帝国の実権を握っている。
ナムリス(原)
神聖皇帝(皇兄)。
チクク(原)
先の土鬼王朝であるクルバルカ家の末裔の少年。本名ルワ・チクク・クルバルカ。少しの間、ナウシカやチヤルカと行動を共にする。
上人(原)
チククと共にオアシスに隠れ住んでいた土着宗教の僧。ナウシカに幾つかの知識を与える。
チヤルカ(原)
ナウシカの理解者となる軍司令官。
庭の主(原)
シュワから20リーグほど離れた廃墟に住むヒドラ(人造人間)。旅の途中のナウシカがこの廃墟に立ち寄り、心身を癒した。
墓所の主(原)
シュワの墓所の地下に存在する球体の肉塊。「火の七日間」以前の超技術や腐海の秘密を守り続けている。

ペジテ

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トルメキアと同盟を結んでいる小さな都市国家。火の7日間以前の遺跡からエンジンやセラミック装甲等を発掘しては加工供給する工房都市。

アスベル(原,映)
ペジテの王子。ナウシカと出会い、しばらく行動を共にする。
ラステル(原,映)
アスベルの双子の妹でペジテの王女。

蟲使いと「森の人」

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いずれも映画版には登場しない。蟲使いは、蟲を操り遺跡や墓所を探索して宝物を探し当てるのを生業とし、一般の人びとには忌み嫌われている。その蟲使いたちが恐れ敬うのが「森の人」であり、火を使わず、蟲の腸を衣とし、卵を食べ、体液で作った泡を住処とする。

セルム(原)
「森の人」の長の息子。腐海の異変を調べるために派遣され、ユパたちを救い、ナウシカを導く。
セライネ(原)
セルムの妹。

腐海

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巨大な菌類・苔類・シダ類からなる森である。蟲と呼ばれる巨大な節足動物が多数棲んでいる。腐海植物は、猛毒の瘴気を出すため、腐海内では蟲以外の動物は防毒マスクなしには生きられない。胞子の生命力は強く、僅かでも胞子を持ち込めばその地は腐海に覆われるので腐海周辺の人びとは、都市に胞子を持ち込まないように注意を払っている。

ヒソクサリ
猛毒の腐海の植物のひとつ。

蟲(むし)

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腐海に生息する動物の総称。王蟲のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。その多くは体節制をとる外骨格の体に多数の節足(関節肢)をそなえた、現生の節足動物に似た形態をしている。

王蟲(オーム)
腐海最大の蟲。卵からふ化した数十cmほどの幼生は脱皮を繰り返して成長し、成体は体長70〜80mに達する。眼の色は普段は青いが、怒ると赤くなる。体液の色は青。透明な眼の部分はガラスの代用品としてゴーグルのレンズや船のキャノピーに用いられる。
大王ヤンマ
人の身長と同程度の体長の羽蟲で、青緑色の細身の体に同形同大の2対の翅を持つ。
ウシアブ
文字通り大型のウシほどの大きさを持つ羽蟲で、開張はメーヴェの倍程度ある。赤ないし紫色の丸い体に2対の翅を持つ。
ヘビケラ
のように細長く平たい体に通常4対の翅を持つ大型の羽蟲で、全長は数十m。

動物

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キツネリス
長い尾と耳を持つ、小型の獣。
テト
ナウシカと行動を共にするキツネリス。
トリウマ
巨大な嘴と頭部、強大な脚を持つ走鳥類。
クイ、カイ
ユパの連れている2匹のトリウマ。このトリウマには仲間が死ぬと卵を産む習性があるらしい。原作でクイはカイが死んだ際に卵を産んだ。生まれた雛はチククと仲良くなっている。
毛長牛
土鬼での主な移動手段であり、トルメキアやエフタル諸国でも荷を運ぶ家畜。

火の七日間

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1000年前に産業文明を滅ぼし、世界をわずか7日間で焼き尽くしたとされる最終戦争。これによって都市は有毒物質を撒き散らして崩壊し、高度機械文明も失われ、世界の殆どを不毛の地と化した。

青き衣の者

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作品世界の各所で伝えられている救世主伝承・予言。「その者青き衣をまといて金色の野におりたつべし。失われた大地との絆を結ばん」などと伝えられている。原作、映画版ともに王蟲の血で染まった真っ青な衣をまとったナウシカに重ねあわされている。

白き翼の使徒

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土鬼の土着宗教が語り継いでいる伝説。こちらもメーヴェに乗るナウシカがそれとみなされている。

巨神兵

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前文明の科学技術の象徴的存在であり、「火の七日間」で世界を焼き払った巨大な人工生命体。腐海にその骸をさらしている。

秘石

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漫画版前半のキーとなる謎の石。

粘菌

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漫画版のみに登場する腐海の生物。土鬼の戦局打開の切り札として、人為的に強毒化されたものが暴走し、大海嘯の引き金となった。

大海嘯

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蟲たち(特に王蟲)の大群が、津波のように押し寄せること。火の7日間の後3回発生したとされている。この物語の300年前に最後の大海嘯が起き、エフタルは腐海に没した。 なお、本来「海嘯」とはアマゾン川で発生するポロロッカのように、大潮の際に海水が河川に猛烈な勢いで逆流する現象をさす。

飛行機(船)

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この作品世界では長距離輸送は主に大型飛行機に頼っており、「船」とよばれている。エンジンはペジテなどで発掘されたものを回収・再利用している。

メーヴェ
辺境の風使いが用いる凧。小型だが強力なエンジンを備えており、小柄な成人2名程度ならどうにか乗せて飛行することが可能。
ガンシップ
小型の戦闘機。映画版では風の谷及びペジテの物2機が描写されている。詳しくは、「ガンシップ (風の谷のナウシカ)」を参照。
バージ
艀船(はしけぶね)。
ブリッグ
貨物船。
バカガラス
トルメキアの大型輸送船。バカガラスは通称で、トルメキア兵からは戦列艦と呼ばれている。
コルベット
トルメキアのタンデム翼の戦闘艦。
バムケッチ
トルメキアの戦闘艦。タンデム翼のコルベットに対して小型の単翼機で、漫画版では先尾翼形式のものと、通常航空機形式のものの2タイプが描かれている。
浮砲台
土鬼の各侯国が所有する戦闘兼輸送艦。巨大な艦体にいくつもの砲を装備する。
飛行ガメ(飛行ポット)
原作版では飛行ガメと呼ばれる土鬼の小型偵察機。高さ2m、直径1mほどのカメの形状をし、浮遊しながら移動する。
  1. ^ 『ロマンアルバム・エクストラ(61) 風の谷のナウシカ』徳間書店、1984年、p.166頁。