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ノート:女形

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「おやま」は誤りで「おんながた」正しいとする記述について

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現在の本文中に『歌舞伎では通常「おんながた」と読み、立女形(たておやま)、若女形(わかおやま)のような特殊な連語の場合にのみ「おやま」とする』という記述があります。しかしながら、この記述には全く出典が示されていません。いくらか調べてみましたが、いくら調べても、歌舞伎関係者の公式サイトなどの記述には辿り着けませんでした(勿論、調べ方が悪い可能性は大いにありますし、ネット検索が全てでもないでしょう)。 確かに、おんながたが正しいとする検索結果は複数存在します。例えばこんなサイト

http://inuiyouko.web.fc2.com/folklore/j-maturi20.html

しかし

  • どれも明確な出典に基づかず、ただ「~らしい」という記述に終始するのみである。
  • どれも公式・ないしは権威のあるサイトではなく、知恵袋などの質問サイトや個人サイトでしかない。仮に「おやまは不適切」が歌舞伎界で広く受け入れられた見解ならば、どこかの公式サイトに記述が見つかるようなレベルの問題であるのに、そうなっていない。
  • どのサイト・質問サイト回答も、表現に幅がない。どれも同じ表現で書いてある。仮にこれが歌舞伎界で広く知られた事実であるなら、複数の人が複数の表現でこの問題を記述するため、その孫引きも複数の表現となるはずである。

という点に非常にリスクを感じます。率直に言えば「ある一人の個人(それもあまり権威のない人)が、精力的に『おんながたが正しい』ということを主張して回り、それが無批判にWikipediaに掲載され、更にそれが多くのサイト・質問サイト回答者に孫引きされている状態ではないか」という危惧をぬぐえません。 つきましては、識者の方に信頼に足る出典を探し出して頂けないかと思います。私も門外漢でしかないので、現状では「間違った記述」などと言うつもりは全くありません。ただ、2~3週間経っても適切・十分な出典が見つからない場合は、要出典を付与したいと考えています。その上でまた相当期間経っても記述が改善されないならば、除去という流れにしたいと考えます。以下、参考までに疑念の根拠となるサイトを挙げます。

ネット上で見つからなくても、歌舞伎公演のパンフや、歌舞伎関連本の中に記述がある可能性も大きいと思います。ぜひ、識者のご協力をお願いしたく。蛇足ながら、先日NHKの女性アナウンサーは「おんながた」と読んでいました。--はま会話2012年6月3日 (日) 17:34 (UTC)[返信]

服部幸雄富田鉄之助廣末保編『新版 歌舞伎事典』平凡社、2000年。ISBN 978-4-582-12642-6 の p. 91によれば、読みは「おんながた」が正しいようです。ちなみに同事典の p. 90 「おやま」の項を読みますと、この言葉には「遊女」の意味があるようです。なお両項目とも執筆者は渡辺保氏、多数の著作がある方で、他の著作(例『歌舞伎のことば』)でも「おんながたが正しい」との記述があります。私もそれほど詳しくないのですが、とりあえずご報告します。--ぽん吉会話2012年6月15日 (金) 05:37 (UTC)[返信]
情報ありがとうございます。なるほど、十分出典になり得ますね。渡辺保氏も歌舞伎評論家としては名の通った重鎮のようですし。ただ、ゴネるわけではないですが、やはり1人の方のみの主張を「事実」として載せるのは抵抗を感じます。あくまで「渡辺保は~と主張している[出典]」ないしは「~と主張する者もいる(渡辺保など[出典])」という記述が望ましいかな、と。というのは、やはりこの渡辺保氏の主張が歌舞伎界で広く受け入れられているならば、演じている側・他の批評家からも同様の記述が出てくると思うのですね。それが(現状)見当たら無い以上、いかに重鎮の言うことであっても「個人的な主張」と看做さざるを得ないというのは、ぽん吉もご同意頂けるのではないかと思います。ついでに言うと渡辺保#ウェブサイト批評開始の理由を見ると、重鎮であり一家言ある方ではあるが、必ずしも主流派ではないのかな、なんても思いました。
おやま遊女説は知っています。小山次郎三郎説もありますね。これが現状記載されていないのも、本項目の課題だと思っています。ちなみにネット上では「おやま=遊女であるから、女形の人をおやまと呼ぶのは失礼で止めるべきだ」という主張をしている方もいますが、それは「おやま」と読む可能性やWikipediaへの掲載を否定する根拠にはなりません。--はま会話2012年6月16日 (土) 03:13 (UTC)[返信]
こんにちは。渡辺保氏以外で、ネットで見れて、権威のありそうなものをちょっと調べてみました。
読み「おやま」の掲載を否定するつもりはありませんので、「おやま」についてももうちょっと調べてみたいと思います。--ぽん吉会話2012年6月18日 (月) 02:23 (UTC)[返信]
情報ありがとうございます。ぜひ出典に組み入れたいですね。ただ、やはり若干、問題とずれている気はしました。と言いますのは
  • 坂東玉三郎オフィシャルサイト → 坂東玉三郎が「おんながた」という言葉を第一選択として使用し、かつ「おやま」という読みに一言も言及していないのは注目に値すると思います。ただ、だからと言って「『おやま』が歌舞伎界で受け入れられていない」とまで言うのは、Wikipediaで禁止されている「出典を合成した推定」になってしまうでしょう。
  • 尾上菊之助公式サイト → まだちゃんと見られていませんが、oyamaが含まれていないことを見ると、何も言及されていないのでは?
  • 独立行政法人 → こちらも「おんながた」という言葉を第一選択として使用し、かつ「おやま」という読みに一言も言及していないのは重要ですが、やはり「おやま」という読みに対する評価は一言も触れられていません。
  • <論文>『かぶき・をどり・女形』→ これは「おんながた」と言う読み方にすら触れられていませんね。
必要なのは「おやま、という読みが歌舞伎界では否定的に捉えられている、そのものズバリの出典」なんですね。仮に、歌舞伎界で「おんながた」が使われている例が1億個集められたとしても、「おやま」を否定する根拠には全くならないのです(少なくともWikipediaでは)。その場合「歌舞伎界では『おんながた』という読みが大勢である」程度は書けるかも知れませんが、それすら出典原理主義者にかかれば「出典や統計に基づかない執筆者の判断」として断罪されてしまうでしょう。そこが難しい。もちろん「『おやま』が間違っているという証拠が見当たらない」=「正しい」でもないので、相応の書き方にすることになるでしょうけど…。すみませんが、引き続きの調査にご協力ください。私も探してみます。--はま会話2012年6月18日 (月) 05:47 (UTC)[返信]
ずれてましたか。すいません。(<論文>『かぶき・をどり・女形』はタイトルに Onnagata とあり、p.37におやまの説明もあったので、ついあげてしまいました。)「おやま、という読みが歌舞伎界では否定的に捉えられている」の出典探しですね…。「正しくは”おんながた”と読むが、”おやま”ともいう。」であれば、先の歌舞伎事典&渡辺氏著作の他、山川静夫(元NHKアナウンサー)『歌舞伎の愉しみ方』(岩波新書、2008年)にも同様の記述があり、記述可能かと思いますが、もうちょっと探してみます。ちなみに渡辺の「おやま」解説はこちらでも閲覧可能です。(この、平凡社世界大百科事典のおやま記述は、平凡社歌舞伎事典の記述と同一です。)--ぽん吉会話2012年6月18日 (月) 08:20 (UTC)[返信]
あ、論文って本文も読めたんですね。すっかり見落として、抄録だけで判断してしまいました。すみません。コトバンクのリンクは、リンク先の「世界大百科事典 第2版」の記述が渡辺氏の記述によるもの、ということでしようか? また、山川アナウンサーの著作にもあるという情報は素晴らしいです。出典が渡辺氏・山川氏と2つあるのなら、それに沿って書けますね。双方が独立な情報であるなら十分な出典だし、一方が他方の影響を受けている場合でもそれなりに書けるでしょう。もう1つくらい見つかれば完璧じゃないでしょうか。--はま会話2012年6月18日 (月) 09:05 (UTC)[返信]
私の説明不足だった部分を補足します。コトバンクのリンク先「世界大百科事典 第2版」の「おやま」の記述執筆は、図書館でも「平凡社世界大百科事典」確認しましたが、渡辺保氏によるものです。内容につきましても平凡社歌舞伎事典と同一です。「世界大百科事典 第2版」が2006年、「歌舞伎事典」が2000年で、出版社が同じ平凡社ですので、歌舞伎事典の内容が世界大百科事典に転載されたものと思います。--ぽん吉会話2012年6月19日 (火) 01:59 (UTC)[返信]
(追記) 戸板康二『歌舞伎の話』講談社学術文庫1691、2005年(初出は角川新書、1950年)の pp.44-45 に、「女方」とかいて(おんながた)の振り仮名があり、続いて「おやまともいう。」との記述がございました。おやま=遊女由来説・小山二郎三郎説にも触れられております。もしお手にとる機会があればご覧ください。--ぽん吉会話2012年6月21日 (木) 00:19 (UTC)[返信]
すみません。ちょっとバタバタしてて取り組めていませんが、忘れたわけではありませんので。ぽん吉さんはじめ、みなさま、引き続きよろしくお願いします。--はま会話2012年7月3日 (火) 01:12 (UTC)[返信]
私も投稿に間が空きすみません。本により色々書いてあってまとめが難しく…。小学館『古語大事典』p.308「おやま」の項を要約すると「おやま(御山)は元々上方で下級遊女のことであったが、やがて美人を意味するようになった。ここから、女の人形をつかう人形使いを「おやま~」と呼ぶようになり、歌舞伎でも女形(おんながた)を「おやま」と呼ぶようになった。なお寛文初年(1661年)に江戸に下った2代目伊藤小太夫が貞享元年(1684年)の役者評判記で他の女方と区別して「おやま」と称されたのが最初の用例である。」…これを基本線に加筆しようかなと。
「おやま=美人」については、正徳2年(1712年)頃出版の和漢三才図会の化粧の項に「按額上髪際状如富士山、眉亦如遠山、俗呼艶女曰御山出於此」とあります。まあ、いつまでもただ調べるばかりでは意味がないので、近いうちに本文に反映したいと思います。--ぽん吉会話2012年7月3日 (火) 02:08 (UTC)[返信]