ノート:和賀山塊
この「和賀山塊」には下記のような選考・審査があります。有用なアイデアが残されているかもしれません。この記事を編集される方は一度ご参照下さい。 |
日付 | 選考・審査 | 結果 | |
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1. | 2009年10月17日 | 良質な記事の選考 | 取り下げ |
少々迷いましたが、やはり良質な記事の選考に当たり、私が気づいた当記事の植物に関する記述の疑問点、正確性に欠ける可能性がある部分を列挙して、記事の改善への参考にしていただいた方が良いと考えましたので、少々長くなりますが疑問点を挙げさせていただきます。
まず、Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/和賀山塊 20091017でも指摘させていだだきましたが、名前の誤植と考えられるものが2点あります。
続いてトガクシショウマの大群落についてです。この植物は「幻の花といってもよい」(木原浩 山渓フィールドブック7高山植物 山と渓谷社 1993年)珍しい植物で、特性としては「積雪のある深山の北側斜面に小さな群落をつくる」(植物の世界094 朝日新聞社 1996年)とされていて、「広大な群落を形成して自生している」という状況は想定しづらいのです。和賀山塊には大群落が存在するのかもしれないですが、明らかに要出展レベルと判断します。
第3点目は「シラネアオイ」は低地性植物なのでしょうか?シラネアオイの記事を見ていただければわかりますが、和名そのものが2500メートル級の山である日光白根山にちなんで付けられたもので、私の持っている植物図鑑(山と渓谷社、小学館)は、いずれも高山植物に分類しています。確かにシラネアオイは林の中やその周囲に生育し、木が生えない高山帯の植物ではないのですが、果たして低地性の植物なのでしょうか?
第4点目は和賀山塊の特異な植物相として、オサバグサの大群落を「特に顕著な例」に挙げている点です。オサバクサは最新のAPG植物分類体系では単独でオサバグサ科に分類されることもあり、植物学上貴重な植物であることは疑問がないのですが、「生育している場所にいきさえすれば、辺り一面の大群落が見られる」(木原浩 山渓フィールドブック7高山植物 山と渓谷社 1993年)というように、群生するのが特徴の植物なのです。群生するのが特徴である植物の大群落が「和賀山塊の特異な植物相」(しかもその中でも特に顕著な例)というのは、どうにも理解に苦しみます。
第5点目は朝日岳の項に「山頂一帯はシーズンには高山植物に覆われ、ハクサンイチゲやウスユキソウが見られる」のくだりです。ハクサンイチゲは理解できるのですが、ミネウスユキソウなど他のウスユキソウ類と違って、ウスユキソウを高山植物に分類している例は、私が知っている限りありません。 私の持っている植物図鑑(山と渓谷社、小学館)でも高山植物ではなく「夏の野草」扱いで、『永田芳雄 山渓フィールドブック2夏の野草 山と渓谷社 1993年』では、「この仲間はほとんどが高山植物だが、本種は山地の高原などの低い場所に生える」と明記されています。
以上私が気になった疑問点を挙げさせていただきました。植物はどちらかというと門外漢で、興味を持っている高山植物を中心とした疑問点なので、木に関する記述などは特にチェックを入れていません。中には細かい疑問点もあって申しわけありませんが、記事の改善への参考にしていただければ幸いです。--のりまき 2009年10月17日 (土) 23:46 (UTC)
- まず、丁寧に目を通してご指摘を下さったのりまきさんにお礼を申し上げます。遅くなりましたが、回答いたします。
- ご指摘の点のうち、誤植2点はご指摘の通りですので、訂正いたします。
- 5点目ですが、見直してみたところ、「ウスユキソウ」ではなく「ミヤマウスユキソウ」とありますので、こちらも訂正いたします。
- 残りの2点目から4点目までですが、参考文献に挙げた佐藤・藤原[2005: 57-58]にはそのような記述があることにしたがったものです。
- 佐藤・藤原[2005]は和賀山塊自然学術調査会[1999]とともに主要な参考文献として挙げたものですが、後者を執筆したのが、大学の教員、研究員、院生、博物館の学芸員といったいわば「プロ」であるのに対し、前者の佐藤・藤原両氏は、そうした意味での学術的なプロではありません。記事の「自然保護」節に「地元愛好家らは、全国の植物・地質・生物の専門家を交えて、和賀山塊の自然に関する系統的な学術調査を実施するため和賀山塊自然学術調査会を立ち上げた。同調査会は、およそ10年の歳月をかけ調査報告書を刊行し」たとありますが、ここでいう「地元愛好家」のリーダー的存在であった人物です。佐藤・藤原両氏らは、学術の専門家を招き、専門家たちの調査を登山技術の面からサポートすることにより、調査報告書の刊行を後押ししました。そういう点で、記述の精度は調査報告書に及ばないものなのかもしれません。
- そうした事情は承知していましたが、私自身が草花には興味が乏しかったこともあり、書くべきポイントであろうからという以上に関心がないまま、そしてそうした問題に気づくことがないまま、佐藤・藤原[2005]の記述のみに頼って「特異な植物相」の項を記述したことが、ご指摘を頂くことになった原因かと思います。
- さしあたり、調査報告書をもとに記事内容の見直しを進めますが、選考期間に間に合うかどうか心もとないところですので、自薦はひとまず取り下げと致します。また別の機会に改めてお目に入れることが出来ればと思います。ありがとうございました。--ikedat76 2009年10月19日 (月) 14:26 (UTC)
- 丁寧な説明、どうもありがとうございます。記事の基礎はしっかりしているので、良質な記事の選考への再挑戦を期待しております。--のりまき 2009年10月20日 (火) 11:28 (UTC)