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ノート:中国人民解放軍/sbj/中国軍軍事予算

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ノート:中国人民解放軍/記事案:中国人民解放軍で使用されている参考資料

骨董品論

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中国人民解放軍の軍事予算 

  • 1980年代から1990年代の兵力削減
    • 1980年代から1990年代にかけて、大幅な兵力削減がなされたのは財政難のせいである。通常の徴兵制がないのは恒常的な予算不足のためである
  • 中国の実質額面軍事予算
    • 近年、米国や英国によって中国軍事予算の不透明さが指摘されるようになっているが、これは、米軍の予算確保のためという側面もあり、必ずしも信用はできない。中国軍の予算増の多くは、インフレによるものであり、実質的な予算増は少ない。また米国の主張のように、現状の数倍の軍事予算が本当にあるならば、中国政府予算のほぼ全額が軍事費となってしまう。米国の主張は、冷戦後の軍事予算削減に対応して米軍予算を確保することを目的とした側面があることに注意すべきである。米軍は、中国の軍事予算は現状の3~5倍と主張したことがあるが、現実の中国はGDPが日本の半分もないし、徴税システムが未熟なため国家予算規模はさらに小さい。道路や発電所などの未熟なインフラ整備と、多数の公務員への給与支払いにも苦しんでおり、十分な軍事予算を確保することは現実には難しい。
    • 05年版の米国国防省年次報告書においては、軍事バランスは台湾より中国有利との指摘があり、06年のQDRにおいてはさらに過激な表現がとられた。ただこれらの文書は、米軍が予算を獲得するためのものであり、中国の脅威を過大に評価する傾向があることは否定できない。米軍は、冷戦後の予算削減に対応して中国脅威論を突然主張し始めた経緯があり、米軍の主張だと中国政府予算のほぼ全額が軍事予算となってしまうため、諸外国の軍事専門家の間では異論がある。以下のように、中国軍の装備は依然としてかなりの旧式が多く、中国軍の実態が不透明というよりは、実態は恥ずかしくて公開できないという部分が大きい。
    • ただし中国自身も認めているが、国防科学研究費、民間防衛や民兵予備役の費用は項目に含まれていない。また、沿岸・国境警備や内部防衛を担当する武装警察部隊の費用も公安支出に計上されているので、当然軍事予算にふくまれていない。戦略ロケット部隊も宇宙開発というカテゴリに属し、同様に予算としてあげられていない。ただし日米なども、宇宙開発予算やNASAの予算、沿岸警備隊、海上保安庁予算などは、軍事予算とは別に計上しているのだから、実は中国と同様である。これをもって不透明と批判することは、実はかなり非論理的である。

脅威論

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中国人民解放軍の軍事予算 

  • 1980年代から1990年代の兵力削減
    • 1980年代から1990年代にかけて、大幅な兵力削減がなされたのは、量は多いが旧式すぎる兵器体系が問題視され、兵器近代化費用捻出の為に多すぎる人員をスリム化したのであり、財政難のために防衛予算を削ったわけではない。選抜徴兵制は軍の機械化・近代化のためと人口が多すぎて選抜しないと兵が不必要に増えるからで、日本のように財政難のため防衛費が抑制されているわけではない。財政難は1980年代の話であり1990年代以降の中国の経済成長を背景に軍事予算は最近15年間年率12-17%で急激に増加しており、2004年ロシアを抜いて世界2位に急成長し、兵器輸入額世界一である。財政難は20年前の話である。
    • 米国防総省報告中国の軍事力2006年(19頁中国国防費伸張実績)[1]
  • 中国の実質額面軍事予算
    • 少し資料が古いが中国の国家予算は1975-2000年でGDPの10-35%で推移しており直近で18%である。
      • 富士通総研中国の財政問題(3頁参照)[2]
    • 2006年GDP240兆円の18%として国家予算推定43兆円。中国の2006年統計発表軍事費は4兆円だが、実質軍事支出は2006年で約800億ドル(国防省報告650-920億ドル)( 9.2兆円)と言われている。実質軍事支出9.2兆円は国家予算43兆円の21% GDP240兆円の3.8%であり、実質軍事支出が公表軍事予算の2-3倍であっても軍事費は国家予算の2-3割にしかならず、「米国防総省の言うように中国の実質軍事支出が公表軍事予算の2-3倍であるなら中国国家予算全部が軍事費で食われてしまうに違いない」という主張は当たらない。2004年に中国実質軍事費650億ドルとなり、米国4660億ドルには遠く及ばないものの、ロシア500億ドルを抜いて世界2位(日本は447億ドルで5位)に浮上した。現在は実質800億ドル前後で、額面上日本の2倍弱である。
      • Globalsecurity世界の軍事費比較 [3]
    • 現状中国のGDPは日本の半分弱・フランスを追抜こうとしている段階であるが、GoldmanSachs・世銀・CIAは10年後、DIAは遅くも19年後には中国GDPは額面でも日本を抜くと分析している。(2006年国防省報告19P)そうなると軍事費は1700-2200億ドルとなり額面でも旧ソ連を抜く。経済人やCIAは以前からその可能性を警告してきていたが、中国軍のソ連化の兆しが現物の兵器として実体化するまでは米国防総省も模様眺めであった。しかし2000-2006年の中国軍の急激な近代化の事実がGlobalsecurityやSinodefence等シンクタンク系ウェブサイト、JaneDefenceWeekly等の軍事雑誌に紹介されるに及んで2004年国防総省報告から中国軍の台頭を警戒する表現が強まって来ている。これは予算獲得面があるのは事実だが、要は米軍は人民解放軍の壮大な近代化計画全部が完成したあとで泥縄式に取り組むほど愚かではなく、計画の1/3ほどが実現され10年後に一巡する大近代化計画が絵空事ではなく現実化しそうだと言う事が判明した現段階で警戒・対抗措置に着手を始めているということであって、予算を獲得せんがため誇大に騒ぎ立てているわけではない。実際に米国外交面では米中対立を見越して、中国同様人口が多く、将来的に米中に匹敵する経済規模に成長が見込まれるインドを対中牽制カードに使おうという動きが出てきている。
    • 2045年GDP 中国38兆 米国33兆 インド20兆 日本7兆 ロシア6兆
      • GoldmansachsReport [4]
  • 購買力平価(2倍の予算で7倍規模の軍事力を養える理由)
    • なぜ2倍の予算で7倍の軍を維持できるかといえば物価が平均1/3.5だからである。F2戦闘機100億・Su30戦闘機43億 兵の給与は20倍差。人件費差が大きく、兵器については差が少ないが、其れを平均化して考えるために普通購買力平価で考える。現時点で平均3.5倍前後の物価差と見られている。即ち2倍の予算で物価1/3.5ならば「同じ近代化程度で」7倍規模の軍が養えるわけである。(1980年代人民解放軍のような兵ばかり多い前近代的軍ならば20倍規模の兵力が養えるが、戦力は却って弱くなるので1980年代に兵員リストラして人件費を浮かせ、装備近代化に着手したのである)
  • 軍事費の不透明性
    • 統計区分が違う事も原因であるが、1980年代以前の財政難時代には予算不足を補うために軍隊が企業経営をしていた事の残滓も実態把握を難しくしている。軍営企業や軍民合弁企業の利益は実質的に軍事予算になっていると思われるが、それは国家予算の軍事費に表れない。
    • 一方日米に於いても宇宙開発予算は軍事予算に含まれないが、米空軍の大陸間弾道弾は宇宙開発予算ではなく軍事予算扱いであり、中国の戦略ロケット部隊の予算が軍事予算ではなく宇宙開発予算に計上されるなら、中国の方が国家予算軍事費項目が少なく表示される。
    • そういった意味で米国等では中国の装備購入/生産費用、維持費用、人件費などから積算して、米国と同会計基準で中国の軍事費額面金額を比較すると、「中国政府発表する国家予算・軍事費項目の数字」の2-3倍程度2006年時点で800億ドル前後が実際に軍事費として支出しされている」と見ている。


脚注

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<references>