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ニーノ・ビクシオ級防護巡洋艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニーノ・ビクシオ級防護巡洋艦
基本情報
種別 偵察艦防護巡洋艦
運用者  イタリア王立海軍
就役期間 1914年 - 1929年
前級 クアルト
次級 アルベルト・ディ・ジュッサーノ級 (軽巡洋艦)
アレッサンドロ・ポエリオ級 (軽偵察艦)
要目
常備排水量 3,575トン
満載排水量 4,141トン
全長 140.3 m
水線長 131.4 m
最大幅 13.0 m
吃水 4.1 m
ボイラー 水管ボイラー×14缶
主機 カーチス式直結タービン
推進器 スクリュープロペラ×3軸
出力 23,000馬力
速力 26.82ノット
航続距離 1,400海里 (13kt巡航時)
乗員 13+283名
兵装 ・50口径12.0cm連装砲×3基
・50口径7.6cm単装砲×6基
・45cm単装魚雷発射管×2基
機雷×200個
装甲 甲板:40mm(最厚部)
司令塔:100mm(側盾)
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ニーノ・ビクシオ級偵察艦 (イタリア語: Esploratori classe "Nino Bixio") はイタリア海軍の偵察艦(esploratore)の艦級。海外観測筋では偵察巡洋艦として扱われた[1]

来歴

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イタリア海軍では、1908年度で偵察艦3隻の建造を計画した。このうち1隻はジュリオ・トルコーネ技術中佐によって設計された偵察艦「クアルト」であり、1909年より建造に入った。一方、残り2隻はジュゼッペ・ロタ技術大佐による設計を採用して建造されることとなった。これが本級である[1]

設計

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上記の経緯より、基本的な諸元は「クアルト」に準じているが、常備排水量にして300トン大型化した。一方、ボイラーとしては、「クアルト」では重油専焼缶と多燃種混合缶の混載であったのに対し、本級ではブレキンデン式重油・石炭混焼缶のみの搭載となった。また「クアルト」では4軸推進方式であったのに対して本級では3軸推進、計画出力も25,000馬力に対して22,500馬力と、機関構成は大きく変更された[1]

もともと計画出力が低かったこともあって「ニーノ・ビクシオ」では計画速力を達成できなかったほか、主機は不調が多かった。「クアルト」は「イタリア海軍で最も成功した艦の一つ」と評されたのに対し、本級の評価ははるかに劣るものとなった[1]

このことから、1915年から1916年にかけて「マルサーラ」はボイラーを全て重油専焼缶に換装した[1]

装備

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兵装は「クアルト」に準じているが、配置は異なるものとなった。艦砲としては、ヴィッカースおよびアームストロング・ホイットワース製の50口径12cm砲をオート・メラーラ社がライセンス生産した砲(Mod.1909)を、防盾の付いた単装砲架と組み合わせて搭載した。艦首甲板に2基を並列配置したほか、中部甲板前方左舷に3番砲、後方右舷に4番砲、そして艦尾甲板に背負式に2基を搭載した。また高角砲としては、やはりヴィッカース社の50口径7.62cm砲をオート・メラーラ社がライセンス生産した砲(Mod.1909)が採用された。

一方、水雷兵器としては、45cm単装水中魚雷発射管2基を搭載した[1]

同型艦

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艦名 造船所 起工 進水 竣工 解体
ニーノ・ビクシオ
Nino Bixio
カステラマーレ 1911年2月15日 1911年12月30日 1914年5月5日 1929年
マルサーラ
Marsala
1911年2月15日 1912年3月24日 1914年8月4日 1927年

参考文献

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  1. ^ a b c d e f Randal Gray (1984). Robert Gardiner. ed. Conway's All the World's Fighting Ships 1906-1921. Naval Institute Press. p. 263. ISBN 978-0870219078 

関連項目

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外部リンク

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