ニーノ・ビクシオ級防護巡洋艦
ニーノ・ビクシオ級防護巡洋艦 | |
---|---|
基本情報 | |
種別 | 偵察艦(防護巡洋艦) |
運用者 | イタリア王立海軍 |
就役期間 | 1914年 - 1929年 |
前級 | クアルト |
次級 |
アルベルト・ディ・ジュッサーノ級 (軽巡洋艦) アレッサンドロ・ポエリオ級 (軽偵察艦) |
要目 | |
常備排水量 | 3,575トン |
満載排水量 | 4,141トン |
全長 | 140.3 m |
水線長 | 131.4 m |
最大幅 | 13.0 m |
吃水 | 4.1 m |
ボイラー | 水管ボイラー×14缶 |
主機 | カーチス式直結タービン |
推進器 | スクリュープロペラ×3軸 |
出力 | 23,000馬力 |
速力 | 26.82ノット |
航続距離 | 1,400海里 (13kt巡航時) |
乗員 | 13+283名 |
兵装 |
・50口径12.0cm連装砲×3基 ・50口径7.6cm単装砲×6基 ・45cm単装魚雷発射管×2基 ・機雷×200個 |
装甲 |
甲板:40mm(最厚部) 司令塔:100mm(側盾) |
ニーノ・ビクシオ級偵察艦 (イタリア語: Esploratori classe "Nino Bixio") はイタリア海軍の偵察艦(esploratore)の艦級。海外観測筋では偵察巡洋艦として扱われた[1]。
来歴
[編集]イタリア海軍では、1908年度で偵察艦3隻の建造を計画した。このうち1隻はジュリオ・トルコーネ技術中佐によって設計された偵察艦「クアルト」であり、1909年より建造に入った。一方、残り2隻はジュゼッペ・ロタ技術大佐による設計を採用して建造されることとなった。これが本級である[1]。
設計
[編集]上記の経緯より、基本的な諸元は「クアルト」に準じているが、常備排水量にして300トン大型化した。一方、ボイラーとしては、「クアルト」では重油専焼缶と多燃種混合缶の混載であったのに対し、本級ではブレキンデン式重油・石炭混焼缶のみの搭載となった。また「クアルト」では4軸推進方式であったのに対して本級では3軸推進、計画出力も25,000馬力に対して22,500馬力と、機関構成は大きく変更された[1]。
もともと計画出力が低かったこともあって「ニーノ・ビクシオ」では計画速力を達成できなかったほか、主機は不調が多かった。「クアルト」は「イタリア海軍で最も成功した艦の一つ」と評されたのに対し、本級の評価ははるかに劣るものとなった[1]。
このことから、1915年から1916年にかけて「マルサーラ」はボイラーを全て重油専焼缶に換装した[1]。
装備
[編集]兵装は「クアルト」に準じているが、配置は異なるものとなった。艦砲としては、ヴィッカースおよびアームストロング・ホイットワース製の50口径12cm砲をオート・メラーラ社がライセンス生産した砲(Mod.1909)を、防盾の付いた単装砲架と組み合わせて搭載した。艦首甲板に2基を並列配置したほか、中部甲板前方左舷に3番砲、後方右舷に4番砲、そして艦尾甲板に背負式に2基を搭載した。また高角砲としては、やはりヴィッカース社の50口径7.62cm砲をオート・メラーラ社がライセンス生産した砲(Mod.1909)が採用された。
一方、水雷兵器としては、45cm単装水中魚雷発射管2基を搭載した[1]。
同型艦
[編集]艦名 | 造船所 | 起工 | 進水 | 竣工 | 解体 |
---|---|---|---|---|---|
ニーノ・ビクシオ Nino Bixio |
カステラマーレ | 1911年2月15日 | 1911年12月30日 | 1914年5月5日 | 1929年 |
マルサーラ Marsala |
1911年2月15日 | 1912年3月24日 | 1914年8月4日 | 1927年 |
参考文献
[編集]- 「イタリア巡洋艦史」『世界の艦船』第718号、海人社、2000年1月、NAID 40002155703。
- 「近代巡洋艦史」『世界の艦船』第718号、海人社、2010年10月、NAID 40016861481。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Cruiser protected 2 class 'Nino Bixio' (1911 )ニーノ・ビクシオの図とスペックのあるページ。(英語)