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ナガブナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナガブナ
ナガブナ(佐渡ヶ島)、背鰭軟条数は13
保全状況評価
情報不足(DD)環境省レッドリスト
[1]
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : コイ亜科 Cyprininae
: フナ属 Carassius
: --------- C. buergeri
亜種 : ナガブナ C. a. subsp. 1[1]
学名
Carassius buergeri subsp. 1
和名
ナガブナ
英名
Slender crucian carp

ナガブナ(長鮒[2]Carassius buergeri subsp. 1)はコイ目コイ科コイ亜科フナ属に属する淡水魚で、日本固有亜種である[3]。日本に生息するフナの1亜種。

名称

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和名が提唱されたのは1969年。体形が他種と比べると細長く、これが和名の由来の可能性がある。昔から長野県諏訪湖ではナガブナが「アカブナ」、ギンブナが「クロブナ」と呼ばれ区別されており、アカブナの方が美味とされる。

分布

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典型的な個体は長野県諏訪湖福井県三方湖に生息する。本州山口県日本海側の一部、島根県鳥取県兵庫県日本海側の一部、福井県三方五湖石川県富山県長野県諏訪湖新潟県群馬県福島県の日本海側の一部、山形県秋田県青森県などの日本海側に生息すると言われるが正確な分布域は不明[4][5]。ただし、北海道[6][4]に生息しているとされてきたが現在では否定されている[5]。また、利根川霞ヶ浦でナガブナに似た特徴をもった個体群が生息しているほか、北海道でも同様な個体群が生息しており、その分類は決まっていない。他の亜種と交雑が可能であるため、遺伝子汚染の影響である可能性がある。秋田県などの東北地方の日本海側では、喉元が角ばり体色の金色の強い個体群がいる。

形態

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全長は15-25cmほど。最大30cm。ニゴロブナに非常によく似た特徴をしているが、第一鰓弓鰓耙数は48-57と少ない[7]。口は大きく、斜め上を向く。ギンブナよりも体高が低く、背鰭の基底は短く、眼が大きい。体形が細長く、円筒状。体色はやや赤みがある[5][7]

生態

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湖沼沿岸部の中・底層、河川の中・下流部に生息する。他のフナ同様、雑食性で、繁殖期は3~6月であると考えられる[5]

利用

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煮つけ甘露煮で食べられてきた[2]。諏訪湖や三方湖では珍重され、特に三方湖では刺身がハレの食べ物とされ高価[7]

保全状況評価

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[1]情報不足(DD)環境省レッドリスト

参考文献

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c 環境省レッドリスト2018
  2. ^ a b 松沢陽士 『ポケット図鑑日本の淡水魚258』 文一総合出版 33頁
  3. ^ 『改訂新版 世界文化生物大図鑑 魚類』世界文化社、2004年。 
  4. ^ a b 小林弘、越智尚子、竹内直政、「フナ属魚類の染色体の比較研究 (続報): 特にニゴロブナ, ナガブナ, ギンブナについて」 魚類学雑誌 1973年 20巻 1号 p.7-12, doi:10.11369/jji1950.20.7
  5. ^ a b c d 細谷和海 『増補改訂 日本の淡水魚』 山と渓谷社 2019年 54頁
  6. ^ 大橋慎平、永野優季、加藤克 ほか、「北海道大学農学部に保管されていた魚類標本コレクション」 北海道大学水産科学研究彙報 2014年 64巻 2号 p.55-69, hdl:2115/56738
  7. ^ a b c 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』、91頁