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ナガサキヤ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

株式会社ナガサキヤは、かつて存在した洋菓子の製造・販売会社である。本社所在地は京都府京都市中京区玩具食玩を販売していたことでも知られる。大証2部、京証(両市場とも現物株は現在の東京証券取引所スタンダード市場)にも上場していた(証券コードは2213、東証に上場される予定の他社が取得するかは未定)。

概要

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1924年に「カステーラの長崎屋」として創業。1942年に法人化しナガサキヤ糧食工業株式会社に改組し、その後1945年に株式会社ナガサキヤに商号を変更する。

主に小売店に向けたカステラバームクーヘンチョコレートキャンディーなどを販売。自動車などのプラスチック製容器に菓子を入れて販売していた[1]。1960年代から発売された野球ボールを模した球形チョコレート「2(ツー)ボールチョコレート」は、読売巨人軍とタイアップして、王貞治長嶋茂雄金田正一のサインボールなどが当たるキャンペーンが行われていた[2]

その後、『ドラえもん』、『チンプイ』、『エスパー魔美』、『ドラゴンボール』、『スーパー戦隊シリーズ[注釈 1]といったテレビアニメ・特撮番組でCMを放送していた。食玩の中では『スーパーマリオ』が数としては一番多く、様々なプラ組立キットやギミックを凝らした食玩が販売された。パッケージはほかの食玩と比べてデザイン性に富んでいてる。また、ナガサキヤは直営の洋菓子販売店や喫茶店も運営し、京都駅11階のレストラン街にも喫茶店を出店。最盛期となった1991年9月期には約165億円の売上を計上した。

しかし、1990年代のバブル経済の崩壊に伴う消費低迷で経営が悪化。1995年期以降毎年赤字を計上し、債務超過に陥る。また、1995年河原町通に新築した本社ビルの借入費も大きな負担となっていた。このため、工場の売却や店舗の統廃合、新規商品の開発などに務めたものの、最終的に資金繰りに窮し自主再建を断念、2000年7月9日京都地方裁判所会社更生法の適用を申請して倒産。同年12月15日には会社更生手続きを取り下げ自己破産した。

その後食玩事業はタカラトミーの関連会社「すばる堂」(現・タカラトミーアーツ)に移管されている[注釈 2]

なお同時期に同様の会社更生法を申請(現在PPIH傘下)したスーパーマーケットの長崎屋とは資本関係は一切ない。

その他

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  • 滋賀工場跡付近には帝産湖南交通の「ナガサキヤ口」停留所がある[3]。同工場の閉鎖後も停留所名の変更は行われていない。

脚注

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注釈

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  1. ^ 超獣戦隊ライブマン』から『星獣戦隊ギンガマン』まで。ただし、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』と『五星戦隊ダイレンジャー』を除く。
  2. ^ 爆転シュート ベイブレード』シリーズ、『メタルファイト ベイブレード』シリーズ(ZEROGを含む)、『ベイブレード バースト』シリーズは、すばる堂→タカラトミーアーツが販売している。ただし、『B-伝説! バトルビーダマン』(炎魂を含む)、『爆球HIT! クラッシュビーダマン』、『クロスファイト ビーダマン』(eSを含む)、『ビーストサーガ』はカバヤ食品が販売を担当。

出典

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  1. ^ 『昭和40年男』クレタパブリッシング、2018年4月号、57頁。 
  2. ^ 『昭和ちびっこ広告手帳 : 東京オリンピックからアポロまで』青幻舎、2009年4月20日、27頁。ISBN 9784861521812 
  3. ^ 帝産バス全路線図(2021年6月26日現在)” (PDF). 滋賀帝産グループ (2023年5月6日). 2022年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月14日閲覧。 “(※各系統の経路情報は2021年6月26日時点)”

関連項目

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  • タカラトミーアーツ
  • モロゾフ - ウイスキーボンボンなどの洋菓子類の製造・販売を継承。
  • ハート - キャラクター食玩の総合商社。一部の幼少者向けキャラクター版権商品の製造・販売を継承(タカラトミーアーツ以降も含む)。