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ナカヤマン。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ナカヤマン。(なかやまん、男性、1974年- )は、京都とロサンゼルスを拠点とするMarketing strategist/Contenporary artist。京都府京都市出身。海外では『YAMAN NKYMN』名義で活動する。

神戸大学で化学を学び、ストラテジストとしてのキャリアを開始。ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチなど海外の大手ファッションハウスをパートナーに活動した。2012年以降、急速に変化するソーシャル・ビヘイビアに焦点を当てたコンテンツ制作を開始。以来「Information transmission (and the distortion)/情報伝達(とその歪曲)」を中核テーマにしている。[1]

2021年2月、国宝 飛雲閣での個展で本格的に現代アーティストとしての活動を開始。2022年2月に国際的なアートフェアFrieze Week Los Angelesの公式プログラムに招致され、初展示から僅か一年でグローバルデビューを果たした。[2]

2023年11月には、大徳寺 芳春院で展示『(跡見:)追儺 黒節分/(ATOMI:)WHITE2BLACK』を開催。茶事をベースにしたリレーショナル・アート作品を発表し、漫画家の荒木飛呂彦、現代アーティストのシアスター・ゲイツ、楽焼家元の十六代 樂吉左衞門などが参加した[3]

古典と近代カルチャー、現代のテクノロジーを融合させ、マイノリティ問題などを題材に活動する。

概要

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2007年設立から2017年まで10年に渡り、ファッション領域に特化したデジタル・エージェンシー『ドレスイング』の代表を務めた。2017年、ロサンゼルスに『screamlouder Inc.(株式会社スクリイム・ラウダア)』を設立、同代表を務める。

ソーシャルメディアを用いたプロモーションの企画者として活躍し、SNS戦略のトップランナー、デジタル施策の第一人者と評される。[4]

2012年にコンテンツ制作業務を開始して以降、クライアントの大半が海外ラグジュアリーブランドで、すべての依頼において広告代理店を介さずダイレクトに契約・コミュニケーションするスタイルを貫く。[5]

2019年「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」にストラテジストとして参画。2020年、映画監督の庵野秀明と共同代表で『株式会社 八万・能』を設立。 [6]結果、同作はシリーズ前作の約2倍となる興行収入100億円を突破した。 [7] これはエヴァンゲリオンシリーズ、庵野秀明監督作品ともに初の記録であり、これにより庵野秀明は100億円を突破した6人目の邦画監督となった。なお、共同配給の一つである東映としても初の100億円突破作品となった。 [8]

2021年2月、国宝 飛雲閣での個展『陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL』で、本格的に現代アーティストとしての活動を開始。[9]

現在の社会システムを鋭く批評する本作は、京都の西本願寺や、平安時代から続く慶派を継ぐ大佛師 松本明慶、日本のマンガ/アニメ表現の父である手塚治虫とのコラボレーションにより制作された。また、漫画家の荒木飛呂彦安野モヨコ、料理人の未在 石原仁司や鮨よしたけ 吉武正博、TWIGGY. 松浦美穂、音楽家の千住明大沢伸一などからの本作品評が公開されている。

緊急事態宣言下の京都で展示された本作品は、映像データ化されコロナ禍の強い制約の下で各国を巡回。緊急事態宣言下の渋谷・スクランブル交差点デジタルビルボードの全面ジャック、ロックダウン下のパリ・エドワード七世劇場の貸切無人上映、ロサンゼルス・映画「KILL BILL」のロケ地2ヶ所での上映が実施された。[10]

2022年1月、各国のコロナ禍でのパブリック・アクティベーションを編集した作品『陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0) 1.0』を発表。

同年2月にはアートフェアFrieze Week Los Angelesの公式プログラムに同作品が招致されプレミア上映を実施、ウエストハリウッドのシャトーマーモントではプレミアディナーを開催。初展示から僅か一年でグローバルデビューを果たした。[6]

2022年11月に茶懐石にフォーカスした作品『年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE-TO-BLACK 11062022』を発表。2023年2月には、1992年に茶道 裏千家15代鵬雲斎二男・伊住政和氏が設立した『茶美会』のクリエイティブディレクターに就任した。[11]

2023年11月、大徳寺 芳春院で開催した個展『(跡見:)追儺 黒節分 / (ATOMI:)WHITE2BLACK』で、「情報伝達とその(沈着した)歪曲」をコンセプトにしたリレーショナル・アート作品『年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE2BLACK 11072023』を発表した。茶美会の茶事としての側面を持つこの作品には初代長次郎の黒茶碗、ノンコウの黒茶碗の他、1960年代の鉄腕アトムのセル画、茶碗などが用いられ、漫画家の荒木飛呂彦、現代アーティストのシアスター・ゲイツ、楽焼家元の十六代 樂吉左衞門、山科家三十代後嗣 山科言和などが参加した。[12]

作品

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“POLYPTYCH - NOEL 2012” Commissioned by CHANEL (2012)

"POLYPTYCH - NOEL 2013” Commissioned by CHANEL (2013)

“GU TimeLine” Commissioned by FAST RETAILING CO., LTD. (2014)

"POLYPTYCH - COCO SHOOT” Commissioned by CHANEL (2015)

"From New York to Tokyo” Commissioned by GUCCI (2015)

"LAST PHOTOBOOTH - LOUIS VUITTON x Jake & Dinos Chapman” Commissioned by LOUIS VUITTON (2017)

"TAMBOUR HORIZON” Commissioned by LOUIS VUITTON (2017)

"THE ARCADE” Commissioned by COACH (2018)

“陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL” Commissioned by Q/ (2021)

“陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0) 1.0” Commissioned by Q/ (2022)

“年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE-TO-BLACK 11062022” (2022)

“年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE2BLACK 11072023” (2023)

関連作品

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“THE ULTIMATE OTHER” produced by Frieze Studios, in collaboration with Q/ (2022)[2]

来歴

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1974 - 2004

1974年、京都府京都市にて生まれる。洛南高等学校を経て神戸大学工学部 応用化学科に進学。卒業後はメーカーに就職し、商品企画部に所属する傍らでブランドマネージャー職を兼務。在職中、グロービスマネジメントスクールに通学、指定科目を修了している。[13] 同在職中にVJ活動開始

2005

  • 30歳で退社、独立。VJ、フリーランスのマーケターとして活動開始

2007

  • 株式会社ドレスイング設立、代表就任。ファッション業界に特化したデジタル・エージェンシーとしてファッション業界に参入

2008

  • ソーシャルメディアコンサルティング業務開始

2010

2012

  • コンテンツ制作業務開始
  • CHANELのコミッションワークを手掛ける

2013

  • CHANELのコミッションワークを手掛ける

2014

2015

  • CHANELのコミッションワークを手掛ける
  • GUCCIのコミッションワークを手掛ける。渋谷スクランブル交差点デジタルビルボードを全面ジャック、映像作品を上映

2017

  • LOUIS VUITTONのコミッションワークを手掛ける
  • 株式会社ドレスイング完了。米国でscreamlouder Inc.(株式会社スクリイム・ラウダア)を設立することをWWD JAPANで発表
  • COACHのグローバルコミッションワークを手掛ける

2019

2020

  • 映画監督の庵野秀明と共同代表で株式会社 八万・能設立

2021

  • 現代アーティストとして活動開始
  • 2月 緊急事態宣言下の京都は西本願寺内の国宝建築 飛雲閣にて個展『陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL』を開催
  • 作品『陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL』を発表
  • 3月 スクランブル交差点デジタルビルボードを全面ジャック、緊急事態宣言下の渋谷で同作を上映
  • 5月 エドワード7世劇場をジャック、ロックダウン下のパリで同作の貸切無人上映を実施
  • 7月 ロサンゼルスのアメリカンセメントビルディング、ハイビスタのキルビルチャーチにて同作を上映

2022

  • 作品『陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0 ) 1.0』をオンラインで発表
  • 2月 同作がアートフェアFrieze Week Los Angelesの公式プログラムに招致されパブリック・プレミア上映を実施、グローバルデビューを果たす
  • 2月 同作のプライベート・プレミアをウエストハリウッドのホテル、シャトーマーモントで開催。三十六歌仙に因んだ36名限定のプレミア・ディナーを行う
  • 5月 Frieze Studiosが『陸奥の 安達原の黒塚に 鬼籠もれりと言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0 ) 1.0』に関するドキュメンタリーフィルム『The Ultimate Other』を公開。2021年にアメリカで起こったアジアン・ヘイトをメインテーマにしている
  • 11月 作品『年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE-TO-BLACK 11062022』を発表

2023

  • 11月 京都は大徳寺 芳春院にて個展『(跡見:)追儺 黒節分/(ATOMI:)WHITE2BLACK』を開催
  • 作品『年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE2BLACK 11072023』を発表

エピソード・実績

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  • 独立当初半年間は、月収5万円だった [13]
  • SNSコンサルティング期のクライアントは、マークスタイラーワールド三陽商会などのリアルクローズ・アパレル企業 [14]
  • ソフトバンクアカデミアの外部一期生である[15]
  • ファーストリテイリングのプロモーション「GU TimeLine」では企画、制作に加え2年半の運用に関わり、GUのオンライン売上全体の2割を占めるまでに成長させた[13]
  • 自身のプロジェクトでは、街頭ビジョン、雑誌タイアップ、テレビ番組の制作も手掛ける[16]
  • デジタル戦略のスキーム『Single, Powerful Content for Multiple Channel(一つの強力なコンテンツを、複数のチャネルに最適化して総合展開する)』の発案者。数々のラグジュアリーブランドの成功事例が全てこのスキームによって企画されていたと、DECODED FASHION TOKYO(2016年)でネタバラシした[17]
  • スクリイム・ラウダアは「より広く伝える」、いわゆるバイラルをコンセプトにしたアートプロジェクトだと語っている[14]
  • 肩書きの「マエストロ・ストラテジスト」は映画監督の庵野秀明の「頭文字がモビルスーツ(MS)になるのがいいですね、かっこいいから」という会話から来ている
  • 肩書きの「マエストロ・ストラテジスト」「コンテンポラリーアーティスト」は「シャア専用モビルスーツ(MS/CA)」にしたかっただけである

主な活動

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TV出演

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講演

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寄稿

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脚注

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  1. ^ From Kyoto to ‘Kill Bill’, YAMAN’s ‘(UN)KEEPALL’ Examines Cultural Transmission as Distortion | Frieze” (英語). www.frieze.com. 2022年5月9日閲覧。
  2. ^ a b ‘The Ultimate Other’: Art Against a Rising Wave of Anti-Asian Hate | Frieze” (英語). www.frieze.com. 2022年5月9日閲覧。
  3. ^ TEAM, TOKION EDITORIAL (2023年12月22日). “現代アーティスト・ナカヤマン。インタヴュー Vol.1 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報. 2024年4月12日閲覧。
  4. ^ SNS戦略のトップランナー、ナカヤマン。が語る「インフルエンサー時代」の未来”. WWDJAPAN (2017年6月6日). 2021年12月18日閲覧。
  5. ^ 【ナカヤマン。独占インタビュー】デジタル施策のトップランナーとしてad:tech登壇決定。ファッション業界から初のキーノート・スピーチ選出。| vol.2 - TERMINAL MAGAZINE(ターミナルマガジン)”. TERMINAL MAGAZINE. 2021年12月18日閲覧。
  6. ^ a b マーケター、現代アーティストのナカヤマン。が、世界巡回展の第3弾をパリで開催 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 (2021年5月19日). 2021年12月18日閲覧。
  7. ^ 『シン・エヴァ』興収102.2億円突破で終映 有終の美に公式「本当にありがとうございました!!」”. ORICON NEWS. 2021年12月20日閲覧。
  8. ^ https://twitter.com/toei_pr/status/1414857156168351744”. Twitter. 2022年5月9日閲覧。
  9. ^ 「LV」などのデジタル施策を手掛けたナカヤマン。が巡回展 東京や京都で”. WWDJAPAN (2021年2月15日). 2022年12月12日閲覧。
  10. ^ 現代アーティストのナカヤマン。が米国でパンデミックとアジアン・ヘイトを題材に作品を発表” (ja>ADF). ADFウェブマガジン|ADF Web Magazine (2022年3月7日). 2022年12月17日閲覧。
  11. ^ TEAM, TOKION EDITORIAL (2023年2月28日). “現代芸術家・ナカヤマン。と「茶美会文化研究所」二代主宰・伊住禮次朗が共同で茶懐石を元にしたパフォーマンスアートを発表 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報. 2023年3月3日閲覧。
  12. ^ TEAM, TOKION EDITORIAL (2023年12月22日). “現代アーティスト・ナカヤマン。インタヴュー Vol.1 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報. 2024年4月12日閲覧。
  13. ^ a b c ルイ・ヴィトンやグッチ、GUの仕掛け人が語る「SNS戦略に悩む時点で周回遅れ」 ビジネス+IT 2017年2月6日
  14. ^ a b SNS戦略のトップランナー、ナカヤマン。が語る「インフルエンサー時代」の未来 WWD JAPAN 2017年6月6日
  15. ^ ビジネスリーダーが描く、キャリアとビジネス 第2回「好きなことしかやらない。」 ALPS CAREER 2018年6月6日閲覧
  16. ^ 世界ブランドが受け入れた日本人クリエイターの思考とは。ナカヤマン。×川添隆が語るデジタル戦略の本質 FASTGROW 2017年12月19日
  17. ^ a b 【レポート】“SNS 戦略最前線”では何が起きているのか? −「Decoded Fashion Tokyo summit 2016」を振り返る DiFa 2016年12月5日
  18. ^ インスタグラム×ファッション!世界が認めた日本人プロデューサー SENSORS 2015年10月9日
  19. ^ AD:TECH KANSAI KEYNOTEレポート(2)ワコール 猪熊敏博氏・スクリイム・ラウダア ナカヤマン。氏 TECHWAVE.jp 2017年8月2日
  20. ^ NewsPicksプロピッカーが語る最先端 第1回「SNSとデジタル戦略」 achademy
    ills 2018年1月15日
  21. ^ 売上とブランディング、SNSで二兎を得るデジタル戦略 FASHION WORLD TOKYO 2018年4月4日

外部リンク

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